2022年06月30日

宇都宮市の蓋たち

下水のマンホール蓋だけで、
ずいぶんと種類があった。


なので、他の蓋は本日のご紹介と相成る。



まずは、水道から。


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量水器筐の蓋である。


市章をあしらった記号は、下水のものと異なる。
市章そのものとも若干違う。

ひょっとすると、「水」の文字を入れ込んだのかもしれない。



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制水弁の蓋。


これもね、違う字体の蓋があったりするんだ。


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水道管直結の消火栓は、埋設型である。
雪は積もらないから。


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これにも、市章モドキの記号がつけてある。

蓋の「駐車禁止」の文字を
どのくらい気にしてもらえるものかどうか。


一応目立つように橙色の塗装で丸く囲んであるけれど。



四角い消火栓蓋もあって。


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同一パターンを嫌う地元気質でもあるのだろうか。



ガス栓の蓋。

22063006.JPG


ま、これは普通かな?

「N」って、なんだろう。



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ま、これは全国一緒かな。
日本電信電話公社、通称「電電公社」のマークである。


まだまだ各所で健在だ。

場所によってはNTTマークよりも多く見かけるかも。



そして、「電気」。


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電力会社のものじゃなくって、
市の街頭か何かのためのケーブルを通す
ハンドホールの蓋なんだろう。


これは市章そのままと、「電気」の文字。



ずいぶんいろんな蓋があって、
なかなか楽しい宇都宮市なのであった。
(「宇都宮市の蓋たち」おわり)
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2022年06月29日

宇都宮市のマンホール蓋

ちょいと時間が出来たので、市内を少々動いてみた。

せっかくだから、蓋を撮り始めた、のだが。



22062901.JPG


一般的な排水桝の蓋なんだろう。
多く見かけた蓋である。



中央に、市章 と「下水」とを組み合わせた文様を入れてあって、
蓋の柄は、市の木であるイチョウの葉である。


一番上に「A」と書いてあるのは何? と思うと。



22062902.JPG



ちゃんと、「B」のやつもあった。

え、アルファベットどこまであるの?


と思ったけれども、少し歩いた範囲には他の文字は無かった。


が。


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少々移動した先には「1」か「I」かわからないけれど
別の文字の蓋も存在していた。


市内全域くまなく探すと、いろいろあるのか。

系統か何かを示す記号なのか。

それは謎のままであった。



全国各地で見られる亀甲地の蓋も存在している。


22062904.JPG


が、これにもバリエーションがあって。


22062905.JPG


枠に縁取りがあるものであったり、


22062906.JPG


表面に穴が開いているものであったり。


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穴があいていて、更に「雨水」の文字が入っていたり。



一体、鋳型がいくつあるねん。




かと思うと、ヒンジ付の別柄の蓋もあったり。


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3方向でボルト締めしてあるやつがあったり。


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なんか、種類多くない?



古そうなコンクリート蓋にも
市章+下水の記号が掘られている。


22062910.JPG


また別の形式のものも。


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もう、ついつい撮りまくってしまったではないか。


22062912.JPG



カラーマンホール蓋も製作されていて、


22062913.JPG


下水道50周年を記念して作られたもので、
マンホールカードにもなっている。


下水道50周年で、「水道」ぼうや。

上水道も下水道も「水道」には違いないから、
いいのかな?


汚泥くん よりは、ずっと良さそう。


期せずして、なかなか収穫(画像)の多い、
宇都宮市となったのである。
(「宇都宮市のマンホール蓋」おわり)
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2022年06月28日

きょうのフードたち

とにかく、裏に回ってみる。



何かの施設に用事で行くと、
可能であれば横に、裏に、回ってみる。



関係者以外立入禁止とか、何らかの制限が設けられている場合には
もちろん無理に行くことはない。

でもそのような制限がなく、
ふつうに道路だったり通路だったり
動線が確保されていて、
非関係者、利用者が立ち入って差し支えないと判断される場所なら
基本的に、行く。



その判断主体は自分自身なので、
世間一般全員にとって「差し支えない」かどうかは
何ともわかりかねるが
基本的にワタクシはチキンなので
むしろ遠慮がちなほうじゃないかと思ってはいる。



さて、建物の裏手だ。



22062801.JPG



この中にはショップとキッチンとが入っていて
おそらく各所の排気フードから集めてきた排気たちと
給湯器のFFトップとが仲良く並んでいる。



防風板付ベントキャップが1個、
給排気トップにとても近いのだけれど
当然これは排気であるはずだ。


給気にはとても使えない。



防風板は、外壁色に。

フードとトップは、ステンレス色そのまま。

プルボックスと電線管も、着色なし。



意匠、設備、電気の「連携」や、如何に。



それぞれのモノの高さをどこに揃えるか、
なかなか思案しどころなのであるが
外装目地に対して
四角いフードは取り出し下端合わせ、
丸いものは芯合わせ、
プルボックスは、関係ねー、
そんな合わせになっている。



別の箇所に目を転じると、
防風板付ベントキャップと排煙口。


22062802.JPG



こちらは全部外装色で揃えてある。

と言っても、排煙口は質感の違いもあって
「同じ色」とは言い難い。


ベントキャップが大小あるものを
左右対称になるように配置してある。


なかなか芸が細かい。



その気になれば、
外装の縦目地と排煙口芯とを合わせることもできそうに見えるが
たぶんそうできない、やんごとなき理由があったのだろう。

構造材や下地材の都合か何かで。



誰もこんな壁の様子、フードの様子なんて
気にしないのにね。



だからこそ、勝手に観察して勝手にコメントして
勝手に楽しんでいる。


趣味なんて、そんなもんでいいんじゃない?
(「きょうのフードたち」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月27日

囚われのFF暖房機

囚人が、目についた。



囚「人」ではないか。囚機と呼ぶべきか。



とにかく、そんな機器。



22062701.JPG



キミは、何の罪を犯したのだい?



いやべつに、ただ空間を暖めているだけだよ。

そもそも、ここに来てしばらくしたら
廻りを檻で囲まれてしまったのだから。

まだ働き出す前に、ね。



で、そのまんま、収監されたままだと?



そうだね。
燃料は被覆銅管を伝って供給されるし
電源ケーブルも来ているからね。
あんまり不自由はないね。



でもさ、体調崩したときなんか、どうするのよ。



どうするんだろう。捨て置かれる?

でも、ボクが働かなくなると来た人が困るから
何かきっと方法があるんだろうさ。



じつはこの檻、
ただ置いてあるだけで、簡単に外れたりする?



さあね。向こうの彼女に訊いてみてよ。



22062702.JPG



えっ? ワタシも知らないけど。
健康が取り柄なんで、
調子悪くなったことないし。



フィルターとか、掃除して貰えてる?



さあ。どうでしょね。
寝てる間にされてるのかも。
(「囚われのFF暖房機」おわり)
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2022年06月26日

筋だけが残った

とある公園、というのだろうか
そんな場所で。



敷地の分界ということだろうか、
擬木で作られた柵が設けてあった。



しかし、作られてから相当の年月が過ぎ
徐々に朽ちかけている、そんな擬木。


22062601.JPG


コンクリートが劣化して、部分的に剥がれ、
鉄筋が露出している。


そこから入り込んだ水分によって鉄筋が錆びて膨張し
ますますコンクリートを侵していく。



今まさに、その現場に居合わせているのである。



が、ここはまだマシなのであった。



なぜなら。



22062602.JPG



コンクリートが完全に脱落して
鉄筋1本が残されている部分もあったから。



あと何十年かすると、
鉄筋だけでできた柵が出来上がるのか、
その前に朽ちて倒れるのか、
あるいは修理、あるいは更新されるものか。



いかんせん、どこも予算が厳しいのだ。

なかなか、こういう所にまで
工事費が行き届きにくいのだ。


さて、この先どうなることだろう。
(「筋だけが残った」おわり)
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2022年06月25日

これを持っていく輩がおるん?

とある施設のトイレにあったリモコンが
気になった。


一般的には壁面にそのまま取り付けてあるようなものが
ガッチリとケースに入った状態となっていたから。


22062501.JPG


金属ケースではないけれど
プラのケースがビス止めされていたのである。



ひょっとして、リモコンが盗まれることがあるから、なのかな?

単純に「こういうデザイン」っていうことは、ないよね。



もちろん、厚い金属板でできているわけじゃないから
バキバキと力任せに割ってしまうことは可能かもしれない。

でもそこまでして持っていこうという輩は
何もない状態に比べれば更に減るだろうという考え方なのか。



だいたいさ、こんなモノ持っていって、
何に使うのだろう。



まだ、トイレットペーパーであれば
自宅で使うとか誰かに売るとかできそうだけれど
(もちろん窃盗であって犯罪行為であるが)


洗浄便座用のリモコンて、
持って行って、何になるのだろう。



材質はほぼプラスチックだから
廃金属として売ることはできないだろうし。

中に入っている半導体が目当て?
そりゃ、何らかのものは入っているだろうけれども
リモコン1個あたり、そんなに高値で取引されるようなモノは
含まれていないんじゃないかな。


蛇の道は蛇、で、
そういう裏経済がしっかり存在するのかどうか、
ワタクシにはワカラン。



むしろ、洗浄便座ごと外して持っていかれるのでは?


いや、出入口にゲートがある施設だから
そんな大きな物体を持って出ようとしたらバレるから
リモコンだけで済ませておく?


謎は尽きないのであった。
(「これを持っていく輩がおるん?」おわり)
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2022年06月24日

わかりやすい?コンセント

ベッドサイドにあるコンセント。


22062401.JPG


もう、何に使うのか、バッチリわかる!



てか、図示されなくてもわかるよね?
イマドキなんだから。



というわけで、利便性のためでも何でもなくて
ウケ狙いか、デザインの一貫ということじゃないだろうか。



もう1つのスイッチプレート。


22062402.JPG


こっちには、照明のスイッチも設けられている。



いずれにしても、ふつうのコンセントプレートとかじゃないから
1枚1枚は結構高く付くのではないかと思うけれども
「高い」の程度がさっぱりわからん。

数百円程度なものか、数千円するものか。


ビス止めタイプだし、いくらなんでも万円単位にはならないよね。
建築工事全体の中ではごく僅かな金額と言えるかも。



とすると、こういうデザインがあると
施設の差別化には大きく寄与するのではないだろうか。


こういうのが一般的になってしまうと埋没してしまうけれど。
(「わかりやすい?コンセント」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月23日

BTさん、こんにちは

躯体水槽に水を貯めるため
給水管が持ってきてある。



その先端についているのが、コレ。


22062301.JPG


ボールタップ(BT)さん、である。



普段は水がタップリ貯まっていて
その全貌を見る機会はなかなか無い。


たまに行う清掃時とか、
改修工事に際して抜くとか、
そんなことでもないと、全体像を目にすることはできない。



この角度で撮れる機会は、貴重なのだ。



というわけで、こんにちは。

そして、さようなら。



水槽から上がって、マンホールを閉めて、水張りを始めたら
また当分お目にかかることはないのだ。
(「BTさん、こんにちは」おわり)
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2022年06月22日

水抜きが面倒なら

凍結の恐れのある地域の場合、
「水抜き」というのはとても重要だ。



だって、水道管の中身を凍らせてしまうと、
水が出なくなっちゃうんだよ。


棒状に凍った金属管の中は
なかなか温まらないから
溶かすのに結構時間がかかる。


おまけに、凍結膨張した酸化二水素は配管を内側より押し割り
漏水事故をも引き起こす。

時として大惨事の元となるのだ。


だから、水抜きは大事なのだ。



でも、水回りにいちいち水抜栓があると
操作は面倒くさいのだ。


22062201.JPG


通水して、使って、水を落とす。


暖房がある程度効いているなら
出勤時、始業時に通水して、
退勤時、終業時に水を落とす。


うっかり忘れたときの被害が大変だったりする。



じゃ、何箇所かまとめて、スイッチで操作できたら
楽じゃね?



そういう「操作盤」が置かれているところもある。


22062202.JPG


ちょっとこれは、ゴッツいね。

筐体だけでもいい値段しそうだ。



もうちょっと簡単な、タンブラスイッチ的なもので
十分なんじゃないかな。



まあ、機能と費用と使い勝手に応じて
使い分けるが良いさ。



盤と弁モーターで
それなりの費用がかかってしまうから
あんまり「気軽に」つけることもできないだろうけれど
長年の使い勝手を思えば、
これによるイニシャルコスト増は十分に受け入れ可能なんじゃないかな。


でもそれって、ある程度建物を使用して

「ああ、面倒だ」

と気付くまでは、わからないんだよね。仕方ないね。
(「水抜きが面倒なら」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月21日

狭い所が好きなわけじゃ

ビルとビルとの隙間は狭い。



郊外の住宅地ならいざしらず、
都市部の中心部に近い場所であれば
建蔽率いっぱいに建てられたものも多くて
建物間の隙間は最小限になっていたりする。

型枠がギリギリ組める、外せる、そんな程度で。



狭いのに、じつに様々な「せつび」たちが
そこに犇めいている。


22062101.JPG



すみっコぐらし、じゃないのに。


ハムスターじゃないのに。


ダンゴムシでもないのに。



狭い所、日陰、すみっコが好きなわけじゃない。


「おまえ、あっち行けっ」


醜いから、目障りだから、邪魔だから。



「オマエなんかが居るなんて聞いてねぇよ」

そもそも、存在を認識されていなかったから
いざ取り付く段になって行き場所が無いから。



やむを得ず、こういう場所に押し込められていると言ったら
過言だろうか?



見えない所にあるから、
存在を認知されない。



認知されないものは「無いもの」として扱われる。



デザイナー、建築家、といった
重層下請構造のピラミッドの頂点に君臨する方々にとって
正常に機能して当たり前のもの。

でもその存在は見えてはならないもの。


そんな存在なのかもしれない。



そう。

多くの勲章を胸に勇ましく指揮を執る立派な将軍の足元、
船倉で足枷に繋がれた奴隷たちがひたすら漕ぎ進めるガレー船のように。



多機能、高機能、省エネ、地球環境配慮、カーボンニュートラル。

お題目のように並べられた、耳触りの良い単語の数々。



それらが、あたかもカタログショッピングのように気の向くままに選べるかのように
ふわっと捉えている方々。

相反するいろいろな条件をクリアしつつ
全体としてのバランスを確保しなければ
文字通り「お題目」にしか過ぎず、
ただ単にしわ寄せをどこかに飲み込ませているだけの「見せかけ」にしかならないことを
聞かなかったことにしたい方々。



まあ、そういう人たちがとても多いから
だからこそ「せつび」の仕事が必要であって
常に「人手不足」の業界であったりもするのだけれど。


でもぉ。……報酬が伴わないのは、なぜ?



ワタクシだってさ、
狭いところ、すみっコ、激安案件、ゴリ押し甘受、
そういうのが好きなわけじゃ、ないんだけれど。


ないんだけど、ね。現実ってものが、あるんだよねぇ。
(「狭い所が好きなわけじゃ」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月20日

吹抜を無双するせつび

吹き抜けの空間。



天井の高いこの空間を
どのように空調するのか。


いろんな選択肢があって、
それぞれにコストのかかり具合が異なって、
悩ましいところではある。



だから、いろんな所に行くと、
どうしても気になるのだ。


22062001.JPG


右側に、暖炉風の細工があって、
暖房はこれで何とかなるかしらん。


意匠的な要素でもあるし。



照明器具は、鉄骨直付けのブラケットで
どんなものかは夜来てみないとわからない。



さらにハイサイドの高い部分を見ると、
空気をかき混ぜたいのか、プロペラファンが並んでいる。


22062002.JPG


夏と冬とで回転方向を変えれば
冷房・暖房効率の向上に寄与することであろう。



内装仕上材を極力省いて
構造材と外装材の内側とがそのまま現しになっていて
これはこれで趣のある造りと言えよう。



ファンや感知器は白いままの製品である。
無理に鉄骨と同色に塗ることはしなかったようだ。



この空間の冷暖房は……と眺め回してみると。


22062003.JPG


ひょっとして、コレ?


なんか高いところに、ずらっと並んでるんですけど!

壁掛形の室内機、だよね?



おお。



改めて外を見たら、
マルチエアコンの室外機が並んでいたから
さすがにルームエアコンではない。



これを選択した理由は……?



わかんないけど、面白いっ! と思ったのだ。

いやぁ、いろいろあって、楽しいや。



と思って後ろを見ると、
もっと楽しかったりする。


22062004.JPG


「吹き抜け? 知ったこっちゃねぇ」


「鉄骨梁も渡ってんだから、
 スパイラルダクトだって構わんだろ?」



そだねー。

こういう発想も、いいよねー。



固定観念に縛られないことは
重要なのである。



ただし、それらが万人受けするかというと
それは期待しないほうが良い。

絶賛はされないだろうし、
酷評する人物もおそらく居るだろう。



そのあたりはうまく受け流しつつ
自分なりの表現と割り切れるかどうか。

「せつび」のヒトは、
その辺なかなか強気に出られないものだけど。
(「吹抜を無双するせつび」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月19日

分散と集中

経営論などで、いっとき盛んに言われていた

「分散と集中」



理論や方法論はいろいろあって、
地域や時代やその他の要素に応じた
多種多様なパターンがあったりして、
だからこそ経営学など学問分野が成立して
MBAなどの教材になったりして。



でも、しがない自営の設備設計者としては
あんまりそこまで突き詰めるつもりもなくって
実際のところ、多くの経営者が日々努力研鑽しているような
「経営」の意識が乏しかったりする。


『ダメじゃん』


ま、そう言われたら、そうなんですと首肯するしかなく。



とは言え、「せつび」の領域にも
中央式、個別分散式など、似たような議論があるものであって
建物の枠を超えた地域冷暖房の是非など、
関連要素が領域が利益相反が非常にたくさんあって
やっぱり、だからして、それぞれの道の研究者が必要とされ
「メシの種」としても機能しているように思われて。



そんな一端を垣間見る、外壁。


22061901.JPG


「地下駐車場」の上の層には
縦長のガラリが一つのみあって
あとはひたすら壁面であるのだけれども

更にその上の層には各所に窓があって
個別の換気フードがこれでもかと並んでいる。

窓開口部ごとに2つまたは4つ、
給排気セットの換気フードがあるくらいがフツーのところ、
更に各所の個別換気があるのだろう、
大小たくさんのフードが並んでいる。



換気だけでもこうなのだから、
空調や給排水はどうだろ。


外面を見ただけでは全くわからないから
まあ人間みたいなものだと言えなくもない。



「ソトヅラが第一っ!」


そういう存在意義もあるだろうし、


「内臓の健康こそ真の健康っ!」


という主張も頷けるものではあるし、


結局のところ、それぞれの価値観なのである。



それらを裏付けるべく、いろいろな理論展開、測定、検証が
繰り広げられるのだけれど、
ほんまに「科学的に」解明するのは
意外に困難が伴うものだったりする。


分散と集中、

どっちが、好き?
(「分散と集中」おわり)
posted by けろ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月18日

厳重な紙巻器

公共のトイレでは
ペーパーを盗んでいく輩が
一定程度出没するようだ。



棚の上に積んでおくと
1ロール、また1ロールと減っていき
どこかの誰かの自宅用に使用されてしまうようだ。



残念なことではあるが
「そういうものだ」と捉えて
それなりの対策をせざるをえない。


「性善説」というのは理想でしかなくて
結局のところ荀子の説が真っ当である気がするのだ。



学校で「『性悪(しょうわる)のジュンコ』と覚えれば、一生忘れない」


と習ったのだが、見事にそうなっている。

良いのかどうだか……。



で、紙巻器の予備ロールは
厳重に守られることになる。


22061801.JPG


鍵付きのステンレス板で
ガッチリと。



民度がぁ〜っ。



っていう議論もあるんだろうけれど
それでも恵まれているのだ。我が国は。


今のところは、まだ。
(「厳重な紙巻器」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月17日

上に載せるだけ

倉庫や工場は、
その使用目的に合致していることが第一に必要なことであって
「見た目」は二の次であることが多い。



大阪市の清掃工場のような例外 は存在するけれども
普通はいたってシンプルな、
何の変哲もないカベ、ヤネで構成されている。



だから、受変電設備も、熱源機器も、
ぜんぶ上に載っけてしまえばよい。


22061701.JPG


わざわざ、電気室や機械室を創ることもないだろう、と。


小部屋の換気はそれぞれ設けられているようで
丸い防風板が並んでいる。

大空間用の給排気は、
どこか違う面から行っているのであろう。



事情が許すなら、
これも「有り」なのだ。
(「上に載せるだけ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月16日

ダクトスペース要らないもん

「ダクトスペース」って何? それ美味しいの?

と言わんばかりの各階平面図に遭遇することはある。



設備システムをどう考えるかなんて
気にしな〜い。

配管? ダクト? ケーブル?

テキトーに通してよ。



でもそれはそれで、建物として成立すれば
良いのである。



眼下に、そんな建物が見えた。


22061601.JPG



後から、飲食テナントが入ったのだろう。

元々のダクトスペースが足りないから
外壁を這わせたのだ。


22061602.JPG


これでいいのだ。



飲食テナントがたくさん入ったら、
ダクトもたくさん這わせれば、いいのだ。


22061603.JPG


何の問題も、無いのだ。



駐車場に面していて
丸見えではあるのだけれども
誰もこんなモノ、見てやしない。


気づきもしない。


だから、オッケー。



こういう状態も可能であるから、

「ダクトスペースは、延床面積の何%くらい必要か」

という命題は、無意味なのだ。



そもそも、飲食テナントがこんなに入るなんて
想定してなかったもん。



そういうことだって、あるのだ。
(「ダクトスペース要らないもん」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月15日

支障無ければ塩ビ管だよね

古い空調機が更新され、
その後にまただんだん古びてきたであろう
そんな空調機械室内。


同時期に設置されたか、空調機トラップが接続されていた。



22061501.JPG



空調機出口や、トラップから少し先の配管は
鋼管となっているのだけれども
トラップ前後のある程度は
塩ビ管である。



「雑排水管は、白管」

建設省の共通仕様書でそうなっていたから
当たり前のように鋼管が使われていたのだけれど、
これ、結構錆びるのである。


ボロッボロになっているドレン管も
結構見かけるのだ。



となれば、全体を、もしくは部分的に、
配管を更新してあげなくちゃならない。

水漏れしてしまうから。



でもさ、そのまま鋼管で置き換えるのは
芸がないだろう。

またぞろ、ボロボロに錆びてしまうかもしれない。



じゃ、塩ビ管でいいよね。



ボイラー室だとか、不燃材料しか使いたくないような場合なら
耐火二層管を使うという手もあろう。

ただの空調機械室で
区画貫通も何もなければ、
塩ビ管でいいじゃん。



切るのもつなぐのも簡単だし、材料も安い。軽い。



なんでわざわざネジ切ってつなげる鋼管が
標準だったのかなぁと。


ダイオキシン問題が騒がれていた頃は
「塩ビ」を避ける風潮もあったけれど
最近はそうでもないね。


じゃ、塩ビ管でいいよね。

そういうことに、なっているようだ。
(「支障無ければ塩ビ管だよね」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月14日

ファンルーム全体がチャンバーなのだ

ファンにはダクトがつながっている、ことが多い。


でも、何事もそうであるように
例外もあるのだ。



22061401.JPG


このファン、吹出側はチャンバーで受けて
キャンバス継手を介して
そこから丸ダクト2本に分岐させて
どこかしらに空気を送っている。


だがしかし。

吸込側にはダクトが接続されていない。



両吸込形の遠心送風機である。

シロッコファンの羽根が見えている通り、
そのまま露出になっている。



このファンが設置されているファンルーム全体が
大きなチャンバーとして機能するようになっている。


まあエアハンとかも、
一種でっかいチャンバーと言えなくもない。


こういう「納まり」も、アリなのだ。



ただし、室内の正圧や負圧の程度が大きいと
ドアの開閉に支障を来すから気をつけたほうがいいかも。
(「ファンルーム全体がチャンバーなのだ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月13日

屋上庭園の鑑賞

ときどき、一般利用者が屋上に出られる建物に
出逢うことがある。


天候が荒れていなければ、そして時間が許すならば
なるべく出てみることにしている。


そこから、地上に居たのでは気づけない
何らかの眺望を望むことができるはずであるし、
単に○○だから高い所が好き、ということもあるし、
何より、室内からは見られない「せつび」たちが
そこに待っているからなのである。



最上階、もしくは塔屋から屋上に出ると
たいていその側面に配管類やケーブル類の取り出し口が
設けてあるものだ。


「ハト小屋」と呼ばれるそれに、
実際にハトが飼われている様子はついぞ見たことが無いのであるが、
キャットウォークには人間しか歩かず、
犬走りに猫が歩いているようなもので
その名詞自体にはさしたる深い意味は無いのである。


22061301.JPG


限られた空間に、詰め込みうる限りの「せつび」を貫通させて
室内と室外との連絡を確保している。


配管ラッキングの仕様が2種類あるのは、
施工時期の違いなのであろうか。

手前側の室外機の基礎は
屋根面の仕上げに比べて確かに新しそうでもある。



機器の名称がその外装鋼板に詳しく書かれていることもあるし、
このように「機番」のみの表示で済まされているもの、
何らの表示も無いもの、
現場によってさまざまである。


22061302.JPG


個人的には、表面に大きく表示するのは機番のみで
名称や系統など、設計やメンテなどの調査に携わる人間向けに
詳細をどこかに小さくて良いから明記しておいて欲しいと思う。

メーカーの仕様シールなども、
数十年劣化しづらいものにして欲しいと常々思う。
(徐々に改善されてきていると感じているが)


上の写真では、ダイキンのマルチエアコンと、
イトミックの給湯機とが並べられている。

エコキュートか何かであろうか。
接続配管のバルブハンドルの色が
往きと還りとで分けてあるのが面白い。



排気ファンが上部についているタイプの室外機のみ
防雪フードが被せてある。


22061303.JPG


横向きの部分は対策不要との
誰かの判断があったことであろう。



更に先には、排気ファンが置かれている。


22061304.JPG


「防雪フード」を設けるとはいえ、
室外機もファンも基礎の上に直置きだ。

それほどの積雪は無い地に違いない。



ハト小屋から何本も伸びる配管類の様子が
この角度だとわかるだろうか。


22061305.JPG


右端は、ダクト用のハト小屋だ。
もっぱら排気ダクト用のものと見受けられる。


もうちょっとハト小屋に近接して置くはずだったファンが
思いの外離れてしまったのかどうか。

横引きダクトが、ちょっと長めである。

まあ、あまり狭いと風量調整ダンパーも
取り付けづらかろう。


22061306.JPG

「チャンバー」というよりも、
「ダクト短管」のような、
サクションチャンバーがちょっと楽しい。


ちょっとだけ、
ほんのちょっとだけ、
ハト小屋側面の開口と
チャンバーから伸ばしたダクトとの
高さがズレちゃったんだ。

ほんのちょっと、なんだからね。


どこかから、そんな声が聞こえてきたりして。



どうせなら、
チャンバー側面に
点検口の一つも欲しかったんじゃないだろうか。


他人事ではあるけれど。



屋上から、いろんな景色が見えたし、
近景も遠景も楽しめた。

庭園に植えられた植物もまた
心和ませるものがあった。


それでも、鑑賞すべきは「せつび」じゃないかな!
(「屋上庭園の鑑賞」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月12日

フードとガラリ、どちらがお好み?

とあるビルの外壁の表情が
少し周囲と違う。


22061201.JPG


各窓の上部が全部、
換気用のガラリになっている。



各室、個別の換気を取る場合には
部屋ごとに給気・排気が必要となるのだが
丸い、あるいは四角い、
フード付きベントキャップや防風板付きベントキャップが
ずらっと並べられることが多い。


けれど、このようなガラリにしておくと
表情がかなり異なった感じになる。


これはこれで、良さそうだ。


何より、換気設備の改修や増設が
比較的やりやすい。



ただしこのガラリ、
風雨・風雪がまともに当たるので
内部のガラリチャンバーに水が入って来やすい。

外側に向けてチャンバー底部の勾配をつけるなどの
対策をしておかないと、室内漏水の原因となる。


よしんばそのような対策をしたとして、
ガラリ下部からの水垂れによる汚れが
外壁沿いに付くことにもなる。
(ベントキャップでも、よくあるけれど)



あとは、好みと、費用との兼ね合いであろうか。



とにかく、ベントキャップにするのが圧倒的に安く済む。

ガラリにすると、建築工事も設備工事もちょっと余計にかかる。

でもいずれにしても、これらは「各室個別換気」という
比較的安価な換気計画によるものである。



都心の洒落た高層ビルでは、こんなふうにはなっていない。
中央式の空調・換気設備が設けられていて
目に見える外壁には換気口らしきものは見当たらない。

しかし、機械室スペースにしてもダクトにしても
安価なビルに比べると桁違いにカネがかかる。

でもその分、外壁の表情は意図したように計画できる。



ワタクシの好みは、
上の写真のガラリタイプかなぁ。


費用は比較的安く済むし、
でもズラリ並ぶ換気フードのクドさはなくて
改修の自由度も高い。


あとは、外壁清掃を
こまめにやっていただこう!
(「フードとガラリ、どちらがお好み?」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月11日

ウサギはなぜここに

駐車場脇の棚に、4羽のウサギ。

1羽は、耳が取れてしまっている。

その耳は、キノコと化したのかどうか。


22061101.JPG


キミたちは、なぜココに?

置かれた場所に、何の脈絡も無いのだけれど。



「せつび」には、存在理由がある。

何らかの用をなす為だけに、存在している。



けれど、じつは世の中の多くのモノには
必ずしも存在理由や目的があるとは限らないものだ。


いや、きっと、
誰か一人のためにならば理由が存在していて
だからこそ、このように置かれているに違いない。



この木製の台だって
ウサギたちのためだけに作られたものでは
あるまいか。



こんな、どーでも良い日常に
くらだない感想を抱けるということは
平和であって、ありがたいことなのだ。



人類の歴史において、
常にどこかで血が流されていて
真に「平和」などというものは存在したためしが無いのではないか。


たとい大きな戦争が無かったとしても、
イジメや暴力は絶えることがなく
殺人事件も当たり前のように起こり続けている。


交通事故で命を落とす人たちも
あまり意識していないだけで
相当数にのぼるのである。
令和3年度の死者数は 5年連続で最少 を更新していて、
それでも 2,636人 になるという。
単純計算で、1日あたり7人ちょっとだ。


いやいや、そもそも日本の2021年の死者数は
1,439,809人と公表 されている。
毎日3,944人が亡くなっている計算になる。
世界中で勘定すれば、ものすごい人数になる。



そんな中で、今日生きていることは
たいそうありがたいことなのである。
(「ウサギはなぜここに」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする