2022年03月09日

必ずしも隠さなくったって

それは、結構な年数を経た、
決して新しくはない建物。


いや。
はっきり言おう。


古い建物なのだ。



設備システムも古く、
さすがに躯体同様の耐用年数はないからして
暖房用の温水配管が更新されていた。



ただし、露出で。



22030901.JPG



天井仕上げの下に
温水主管を露出で配してある。



躯体から適宜取られている支持も
そのまま露出である。



90°とか45°ではない微妙な角度の変化は
フレキシブルジョイントで済まされている。



そして、天吊形のファンコンベクターへの分岐管は
樹脂管である。



「キレイに」仕上げようと思うと、
ピット内なのか天井内なのか、
隠蔽部分の主管をやりかえ、
それに伴う建築の「もらい工事」もやって
「キチッと」することは可能である。


ただ、そのために費やすコストを極限まで削ぎ落とそうとすれば
「見た目」にはこだわらずに「機能」を果たすことのみに特化して
こういうあり方も選択肢としてあるだろう。



どうだろうか?

こういうのは、お嫌いだろうか?



ワタクシにとっては
大層好みではあるけれども。



だって、いちいち天井内とかピット内とか潜らなくっても
設備システムがはっきりわかる。


ホントかどうだか当てにならない「竣工図」よりも
現物がそのまま見えている方が余程正確に決まっている。

「なぞ」が少なくて済む。



確かにね、見た目はアレだけどさ。



床置形の放熱器は、
こうなる。



22030902.JPG



上から、樹脂管でおろしてくる。



調べてないけれど、たぶん、元々はピット配管だったんじゃ
ないだろうか。


今どきのような全面ピットじゃなくって、
外壁沿いの配管スペースのみ設けられた、浅いピット。



その更新はかなり大掛かりになるし、
作業の時間もかかる。


全部露出でやってしまえば
費用も期間も縮小できるのだから
「見た目」以外は悪いことはなかろう。



何なら、新築でやっちゃっても
構わないのでは?


提案には勇気が要るけど、ね。
(「必ずしも隠さなくったって」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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