窓の外を見る。
すると、海から何やら生えてきているのが
見える。
上空から見るとさほどの距離でもないかのように見えるけれども
約15kmある東京湾の幅の半分を橋で、半分をトンネルで結ぶ
東京湾アクアラインが、ちょうど海から生えてくる場所 なのだ。
全部を橋とか、全部をトンネルにしなかったのは、
橋の業界にもトンネルの業界にも恩恵があるように……なんて話も
あったりしたのだけれど。
首都圏の物流を担う大型船舶が行き交う回路の要衝でもあるからして
「全部橋」というのは支障が大きいだろうし、
換気の都合などもあるから、
全部トンネルというのもかなり大掛かりになってしまう。
ということで、結構妥当な線なんじゃないかと思うのである。
莫大な建設費と長期にわたる工期と多大な労力によって
出来上がっているのだけれど、
こんなのもミサイルなんか撃ち込まれたりすると
一瞬でダメになるだろう。
壊したり、殺したり、燃やしたりするのは簡単である。
ブッ放すだけの話。
エントロピーを激増させるのは
自然法則的に進行方向にあるのだから
簡単で当然。
しかし、エントロピーを縮小させるには
多くのエネルギーを必要とする。
そっちのほうに、知恵と労力とエネルギーとを
使うわけにはいかんのかねぇ。
国と国とが当事者だと規模がデカくなるだけで
内戦や紛争、テロ、殺人事件、傷害事件は
日常茶飯事だ。
ニンゲンのサガなんだろうね。
結局、そういう種、そういう生物だということなのだ。
だけどね、それを言い訳にして
ぶっ壊す側にはなりたくないわなぁ。できることなら。
ま、国家指導者がやっちゃうと
一般国民に出来ることは非常に限定されてくるのだけれども。
そして世の中、綺麗事だけでは済まないのも確かなのであって。
海ほたる(に限らないけれど)、
少なくとも人為的にぶっ壊されるんじゃないことを
願うばかりである。
flightradar24 を見ると、
見事なくらいに、ウクライナ周辺を飛行機が避けて飛んでる。
前に民間機が撃墜されているから
そりゃ避けるよね。
(「海から生えてる」おわり)