2022年01月01日

ニセコ町民センターのせつび

皆さま、新年明けましておめでとうございます。


……と書いてはおりますが、
年賀状と同様に、新年に放映される各種番組同様に、
昨年内に書いて予約投稿しているものであって
新年にあたり心機一転筆を執った(キーボードを叩いた)ものではないので
悪しからず。

世の中、そんなもんです。



業界新聞にも各界のお偉いさんたちによる
数多の挨拶文や対談記事が溢れているけれども
全部、ぜぇ〜んぶ、昨年内に行われ、昨年内に原稿にされ、紙面組みされ、
印刷までされて、元旦に届くってやつです。

ま、気分ですよ、気分。



というわけで、栄えある新年早々の記事の題材となるのは、
「ニセコ町民センター」であります。

理由は、特にありません。
単に、たまたま順番がそうだったというだけなのです。

でも、運も実力のうち、って言うじゃないですか。

今や国際リゾートエリアとなっている、
北海道ニセコ町の町民センターがたまたま元日に記事に当たるというのも
何かの縁。


コロナ禍が開けた後には、今まで以上に世界のリゾート地として
賑わい発展するに違いありません。



……というわけで、本年最初の記事に移っていこう。



町名がカタカナである、ニセコ町。

今は国会議員となっている逢坂氏が町長を務めておられた頃から
結構いろいろと先進的な試みを進めている、そんな地である。



ここの役場近くに、町民センターが建てられている。


22010101.JPG


いかにもカネをかけました、というような造りではない。
いやむしろ、コスト削減に努めました的な造りに見えるのではないだろうか。


ハコモノに「魅せる」という側面を求める向きもあるけれども
本来の設置の目的を考えるならば、必要な機能を果たすことが第一であって
見てくれはその次である。

予算の都合や、供用年数などを勘案して、
シンプルに造り上げるのも一つのあり方であるし
限られた予算の使い方としては妥当なものと言えるのではないだろうか。



生憎の曇天であったが、青い空には映えそうな外観ではないだろうか。
また、深い雪に覆われる冬期にあっても
やはり映えそうではなかろうか。



1階のロビーはガラス面になっていて、
冬期の外皮負荷は相当なものになるであろう。

もちろん高性能のガラスを使用するにしても、
断熱材がガッツリ入った外壁と同等にはなりようもない。


よって、外皮負荷処理のために
放熱器が並べられていた。


22010102.JPG


パネルヒーター的な放熱器が並ぶことも多いかと思うが、
ここでは床置露出のファンコンベクターであった。


でかいし目立つけれども
その分、能力的には確保されるのであろう。


機器と機器との間の部分は、ガラスが結露しないのかしらんと
思わなくもない。

厳冬期に行ってみないと、実際のところはわからない。

薄い温水パネルヒーターを隙間なく通したほうが
見た目的にも機能的にも良いような気もするけれど
見た目だけではなくてコストとの兼ね合いもあろうから
あんまり紋切り型に判断することもできまい。



屋内部分の放熱器も、同様の床置ファンコンベクターであった。


22010103.JPG


敢えて天吊にしなかったのは、
足元の冷えを緩和する意図があったからなのかどうか。

床暖房にすると、コストが跳ね上がるしね。



床置露出のファンコンベクターの欠点は、
上に荷物を置かれたり、座られたりすること。

そのため、ケーシングが凹んだり、傷ついたりしやすい。

たいてい上面に「ここに座らないで下さい!!!」的な
ラミネート加工された紙が貼ってあったりする。

ここでは見かけなかったけれど、
ニセコの人たちはマナーが良いのかもしれない。


国際リゾート地と化してから、
外国人の居住人口も結構多いらしいけれど
うまく共生できているのかもしれない。

道の駅の野菜売り場に、
いかにも地元在住っぽい西欧系外国人が
レジ袋を持参して買い物に来ていた。

北海道の田舎としては珍しいのかもしれないけれど
ここではあまり違和感がない。



この町民センター、内装コストは結構節約してある感じだった。

天井ボードは、最低限しか貼られていなかった。

だから、露出ダクトも結構あった。


22010104.JPG


全部真っ白に塗ってしまえば、
それほど目立つものでもないのだ。



配管やケーブル類も、然り。


22010105.JPG


部分的に設けられた天井仕上げが、
ケーブルラックを兼ねている。

ダウンライトもそこに埋め込んである。

こういう在り方も、一考に値するのではないだろうか。



屋内消火栓設備の替わりに、
パケージ型消火設備が据えられていた。


22010106.JPG


これだと、消火水槽も消火ポンプも配管も要らない。


限られた予算の中で、必要十分なだけのものを設置する。

そういう考え方のもとで造られたのかもしれない。



あんまりあちこち撮ることはできなかったけれど
なかなか興味深い施設であった。
(「ニセコ町民センターのせつび」おわり)
posted by けろ at 01:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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