2022年01月11日

設備と管理 2022年2月号

本日は「設備と管理」2022年2月号の発売日。


22011101.png


今回は、ユニットバス廻り。



見慣れすぎていて「何それ」とお思いかもしれない。

「どこにでもあるじゃん」

その通りなんだけれども。でもね、でもね。



ま、詳しくは記事にて、ということで。
(「設備と管理 2022年2月号」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | 設備と管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月10日

スイッチ類の並べ方

照明とか換気とかエアコンとか
そういうスイッチはどういうふうに並べます?


絶対こうしなきゃならない、なんて法律は無いので
結構場所によっていろいろな気がする。


電気設備工事と機械設備工事とで手が違ったりするから
なおのこといろいろなパターンがある。



部屋の照明器具、24時間換気、スピーカー、エアコン、
この4種類のスイッチがあるなら、
どう並べたいだろうか?



あるところで見かけた例は。


22011001.JPG


左上が換気、右上がスピーカー、
左下がエアコン、右下が照明。



それぞれの設置高さをどうするか、
スイッチどうしの離れをどうするか、
エアコンのように大きさの違うスイッチを
どう配置するか、
いろいろ好みや考え方があろう。


端で合わせるのが好き?

センターで合わせるのが好き?



好き好きかもしれないけれど。



よぉく見ると、
微妙に高さが違ったり、
プレートが傾いていたりすることも
結構あるものだ。


観察してみてはいかがであろうか。
(「スイッチ類の並べ方」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月09日

年季の入ったピット配管たち

トイレにある、床点検口。
分厚いスラブに開けられた開口部に
結構な重さの蓋が乗っかっていますよ。



よっこいしょっと。


22010901.JPG


蓋を開けますよ。
そして、ちょいと中の様子を拝見しますよっと。


それにしても、重たい蓋だこと。



蒸気用の鋳鉄製放熱器が据えてあっただけのことはある。


22010902.JPG


ちょうと末端の放熱器だったんだね。
管末トラップが吊ってある。


配管の状態から言って、
一度は更新されたもののようだ。


ちょこっと錆が出ているとはいえ、
たいへん美しい状態であるからして。


新築時の配管のままだったら、
もっともっとボロボロに朽ちていたに違いないから。

見るからに、湿潤環境のピットだし。



スラブ面を見てみよう。


22010903.JPG


さすが、トイレ。

だいぶ珍しい存在になりつつある和風便器の下部が
顔をのぞかせている。


支えている鋼材は、だいぶ、だいぶ錆びている。



排水管は、たぶん何度か改修されているね。
フレキ管と塩ビ管とが接続されている。


たぶん元々は鉛管と鋳鉄管であったはずだ。



ちょいと横の方も見てみようか。


22010904.JPG


手前はループ通気管かな。
ねじ部の錆止めが、しっかり塗ってあるのがハッキリわかる。

被覆のかかった吊り棒は、比較的新しいものなのだろう。


奥の給水管かな。保温外装が朽ちて剥がれつつある。
長年の湿潤環境に耐えかねてしまったか。


奥の方には、鉛管や鋳鉄管が見える。
新築ではまずお目にかからなくなった。



地中梁? の上部から伸びている鉄筋は一体
なんじゃらほい?

こんな設計であるわけないから、
一体構造図はどうなっていることやら。
構造屋さんにご検討願おう。



別の面を見てみると。


22010905.JPG


古いの、新しいの、補修したやつ、朽ちかけたままのやつ、
などなど、いろんな状態の配管が混在している。


古い施設あるあるだ。


設備大規模改修か何かで一気に全部更新する場合もあるだろうけれど
なかなかそういうのは難しいから。


何度手間にもなってしまうけれど、
給水管のみ改修とか、暖房管のみ改修とか、
予算やら何やらの都合を見ながら
なんとかかんとかやっていくしかない事情も多かろう。



左側には、ずいぶんゴッツい鋼材が吊られている。

これは……。


22010906.JPG


伸縮継手用の固定架台なのだ。



複式の伸縮継手本体を、ここで固定している。

これに接続されている配管の右側、左側にずっと伸びた先で
配管が固定されているはずだ。


内部流体の温度が大きく変化する金属管の場合、
温度変化によって伸縮してしまうから
それをこの継手で吸収する。


それなりにゴッツく、それなりに費用がかかるから
結構省略されてエルボ返しなんかでお茶を濁されることも
少なくないけれど。

この施設では、しっかり使ってあるのであった。



撮影するアングルによっては、
なかなかにぎやかな見た目に写るかもしれない。


22010907.JPG


新旧入り乱れたごちゃごちゃ感が、
美しくはないだろうか!?



ピット内のブロック壁が一部壊してあるのは
なぜでしょう。

何のためでしょう。

ピット内には、こんな不思議も隠れ潜んでいる。



お、これはだいぶ新しめの排水管だ。


22010908.JPG


低位ドルゴがついているもん。


少なくともこれが発売されるようになって以降の
施工なのだから。



ピット内にある程度の気積があれば、
たぶん大丈夫だよね?


床点検口も密封蓋ばかりじゃないだろうし。


どうだろう?



それにしても。


「完成図」とは、全然違うね。

改修履歴がちゃんと図示されているようなこともないし。

だから、調査が必要なんだ。本来は。



「調査なんて要らないから。既存図を信用して図面描いて」


そういう依頼もまた、
すごく多いんだけど。


だから、現場の設備屋さんは、
たいへんなんだ。

申し訳ないとは思うんだけどね。

「設備設計」には、
あんまりカネをかけたくないっていうんだから、
文句はそう言う立場の人に言ってほしいな。
(「年季の入ったピット配管たち」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月08日

片隅に軸流ファン

倉庫の片隅に、
見慣れないモノがあった。



正確に言うなら、
モノとしては見慣れているのだけれども
これがこういう場所にあることに見慣れていない、
というべきか。


フツーだったら、機械室とかの天井に吊られていて
キャンバスダクトやら亜鉛鉄板ダクトやらが
繋がっている状態なのだ。



22010801.JPG


けど、ここでは
小さくない軸流ファンが、
キャスター付きの可搬台に載せられて
片隅に置かれている。


しかも、2台。



換気したいなーって思った時に
これをゴロゴロ引いていって
ところどころに設けられている三相コンセントにつないで
ゴーって換気しようっていうことなんだろう。


蛇腹ダクトをつなぐでもなく、
ただ空気を動かしたいということであれば
まあ、でっかい扇風機代わりってことかな。



常設でなくても良いなら、
人力で運んでいく手間を厭わないなら、
ところどころに三相コンセントを設けておくような施設ならば、
こういうのもアリだろうな。



こういうファンだったら、
いくらでかくても
「設備工事」っていうよりは「備品」になっちゃうだろう。
(「片隅に軸流ファン」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月07日

ガラス熱性能の進化

いやあ、隔世の感があるねぇ。


22010701.JPG


ガラスって言ったら、
ペアでも3.5、単板なら6.5なんていう感じだったのにさ。


でも、とってもイイことだよね。



とは言え、熱性能だけで考えるならば
しっかり断熱された外壁には全然及ばない。



じゃあ、窓の存在意義って……?



もちろん外部を見ることができること、
そして、採光。


現代であれば、冬期の日射取得、であろう。



夏期にはしっかり遮蔽して、冬期には熱取得のゲートとして
窓を利用する。活用する。



そういう時代になったんだなぁ。
(「ガラス熱性能の進化」おわり)
posted by けろ at 14:00| Comment(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月06日

大人と子どもの小便器

とある、トイレ。

壁に沿って、小便器がずらっと並んでいる。


22010601.JPG


そんなに安っぽくもないけれど、
よく見るとかなりコストを節約した感じの造りである。


機能重視。

とにかく人数を捌くことが第一。

でも、たいていはこれで十分なのだ。



日本の新築のトイレは、
ついつい頑張って、コストのかかる造りになってしまうことが
多いような気もする。



トイレは、幼い子を連れた親も利用する。



床面の清掃性を高めるために壁掛形としてある小便器だけれども
床置きの小便器と違って小さな子どもが使用するには、
位置がちょっと高すぎる。


よって、子ども用の小便器も設置されていた。


22010602.JPG


黄色いグリップと、ペンギンっぽい足型がカワイイ。



なぜか、ビニール傘が
置き忘れられていた。



お子さんのことで手一杯で
傘にまで意識が向かなかったんだろう……か?


そのあたりの事情は、わかりようがない。
(「大人と子どもの小便器」おわり)
posted by けろ at 10:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月05日

防油堤は貯雪庫じゃない

年末年始、全国的に荒れ気味の天候になる日が多い。

冬らしくてイイのか、勘弁してくれなのか、
その土地土地の状況にもよるだろう。



次々に低気圧がやってきて、
そのたびに大陸からの寒気団が南下してくると
たいていの日本海側では雪になるものだ。


低気圧の進行方向次第で、
ほんのちょっと風向きが変わるかどうかで
雪の積もり方は場所によって大きく変わってきて
ある時はこの地がドカ雪に、
またある時はこの地では晴れているのに隣町でドカ雪に、
そんな局地的な違いが出てくるものだ。



「○○地方は〜〜〜」なんて気象情報で語っていても
その〇〇地方の中でもずいぶんと状況は異なる。


「おお、京都もずいぶん積もったねぇ」


ニュース映像に「京都府」とテロップがついているから
よく見たら「舞鶴」だと。

ま、舞鶴なら、さもありなん。
京都市内とは、そもそも違う地なのだ。



さて、とある雪の日。



ロードヒーティング用の熱源機に燃料を供給すべく
大きな灯油タンクが据えてある場所があった。



灯油の指定数量未満の 950L タンクなのだろう。
防油堤とともに、ちょっとしたスペースに置かれている。

防油堤は、更に半分の 490L タンクなら無くても済むが
ある程度の灯油使用量があるならば
給油頻度を考慮すると大きくしたかったのであろう。



この防油堤、万が一タンクや接続配管から灯油が漏れた場合に
それを捕集して周囲に流れ広がらないようにするためのものである。

そうなのだが、液体を受ける構造になっている以上、
漏洩灯油以外のものも必然的に貯めてしまう。



雨が降れば、天水桶と化す。

なみなみと水を湛えてしまっていると、
いざ油が漏れた際には油のほうが軽いから
油が溢れていってしまう。

そうならないように、雨の度毎に水抜きが必要だ。



雪が降ると……。貯雪庫と化す。


22010501.JPG


降り始め、積もり始めの雪は
水ほど密ではないからして
防油堤としての機能はある程度残されよう。


しかしこのまま放置しておけば、
融解・凍結を繰り返して
いつしかアイスブロックが出来上がっている、
なんていう事態にもなろう。



タンクの脚なんかもあるから、
あんまりガチガチに固まってしまってからだと
そう簡単に除去できなくなってくる。

だから、早めに取り除かなくてはならない。



ならないけれど……。


それには人手が必要で、
それを誰がやるかとなると、普段のルーチンではないからして
なかなかに難しい面があったりする。


かくして、そのまま貯雪庫や製氷皿として
機能してしまう防油堤は、決して少なくないはずなのである。



これを防ごうと思えば、
屋根でも掛けるしかなくなるのであるが
建築面積に算入されてしまうし、そもそもカネがかかるし
屋外タンクにした意味が薄れてくるし。


この計画でも、建築確認申請は問題なく通る。


だから、そのままになる。


ま、ケンチクにはそういう事が多々あるから
そのうちの一事象でしかないのだ。



氷の塊で埋まった防油堤から灯油が大量に漏れ出して
周囲で著しい火災が生じて甚大な被害を齎すようなことがあると
消防法や関連法規や条例や所轄消防の指導が変わってきて

「防油堤には水や雪などが貯留しない構造にすること」なんて
規定が増えるのかもしれない。


ハード(施設)で備えるのか、
ソフト(メンテ)で備えるのか。


その違いなんだけど。



ま、極力リスクは減らせたほうが望ましには違いない。

できる限りは除排雪に努めるほうが良かろうて。
(「防油堤は貯雪庫じゃない」おわり)
posted by けろ at 16:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月04日

正面じゃないからこそ

外壁の出っ張った部分に、
まあまあ大きなガラリが、2個。


どっちかが給気で、どっちかが排気なのか。
どちらも給気、どちらも排気か。
見ただけじゃ、わかりかねる。


22010401.JPG


更に奥の下には、
室外機が並べられている。

皆、防雪フードを甲冑のごとくに纏い、
冬にやってくる風雪に備えている。


そこから大胆に延びる、
冷媒配管用のカバー。

「スリムダクト」は商品名だが
一般名詞化していたりする。



正面玄関のすぐ横には、
こういう細工は設けない。

これらは意匠的に忌避されるモノたちだから。



でも、建物の側面や背面であれば
これらが陣取っていても
あまり文句を言われることは多くない。


こいつらをキレイに隠す必要があるような類の建物じゃなければ
脇に置いておけば十分なのである。



高級ブランドが売られている小洒落た商業ビルだとか
高級レストランが出店しているとか、
国家の威信をかけた迎賓機能のある施設とか、
そういうのじゃない限りは、これでイイのだ。


正面じゃないからこそ、
コソコソせずに設備は存在できるのだ。



別に、きらびやかな表舞台は、
望んじゃいないのだ。
(「正面じゃないからこそ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月03日

雨水管を屋内に通さないなら

陸屋根の場合には、
屋上面にルーフドレン金物を配して、
そこに向かって勾配をつけて雨水を捕集する。


そして、それを雨水管を通じて屋外のしかるべき場所まで
通していくことになる。


この雨水管をどこに通すのか、
常についてまわる課題であったりする。



他の配管とともにパイプシャフト内に通したり、

直近にそういうスペースが無ければ、
柱型の仕上げボードを少し大きく囲って
そこに立て管を通したり、

バルコニードレンならば、
そのまま縦に露出で通すことも多かろう。

バルコニーじゃなくても、
立体駐車場くらいであれば
露出で通していてもあまり目障りではないだろう。



ちょっと変わった造りのものを、見かけた。
築後相当の年月を経た建物のように見える。


22010301.JPG


屋根を一部出っ張らせて、
そこにルーフドレン金物を取り付けて、
そのまま配管を露出で外壁に通す、と。



コーナータイプのドレンを設ける例は
まあまあ見かけるけれど、
これは結構大胆である。


別に、良いとか悪いとか、
そういうことではない。

これも一つの在り方なのだ。



せっかくなら、
外壁のボーダー模様に合わせて
配管を一部青く塗っても良かったのでは?

なんていうのは、野暮ってもんだ。


そんなことは求められちゃいないのだ。
この設備には。
(「雨水管を屋内に通さないなら」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月02日

これだけ錆びても耐えている

屋外に設けたれた「せつび」は、
常に外界の温熱変化や風雨に晒される
厳しい環境下に置かれている。


雨水中に含まれる酸性の物質や
比較的海岸近くであれば空気中に漂う塩分などが
金属製のボディを蹂躙していく。


また日射中の紫外線は、樹脂製の部分を脆化していく。



これらの「劣化」は、それほど急激に進んでいくわけではないが
着実に、条件によっては加速度的に、
「せつび」を蝕んでいく。



ああ、今日もここに、その生き証人たる盤があるではないか。


22010201.JPG


外壁面に取り付けられた、
開閉器盤とおぼしき、それ。


おそらく正面扉の銘板にそう記載されていたのではないかと
思われるのだけれども、
銘板自体が相当に蝕まれてしまっており
もはや判別が出来ない状態となっている。



上部でも下部でも腐食が亢進しており
穴すら空いている状態。

ここから内部に侵入した水分などが
内側からも更に腐朽を促進していることであろう。



だがしかし、まだ生きている!

まだ何とか、耐えている!

開閉器本体がショートせずに済んでいる!

辛うじて。



よくここまで艱難辛苦に耐え、頑張ってきたものだ。

そろそろ、限界が近いよね。

よく踏ん張った。

そろそろ、更新されるべき時が来たのだ。



ただね、物事予算ありきなんで、
次年度予算が無事確保できるまでは
何とか、もうひといき、耐え難きを耐えてもらえないだろうか。


この冬を、
乗り切ってもらえないだろうか。
(「これだけ錆びても耐えている」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 電気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月01日

ニセコ町民センターのせつび

皆さま、新年明けましておめでとうございます。


……と書いてはおりますが、
年賀状と同様に、新年に放映される各種番組同様に、
昨年内に書いて予約投稿しているものであって
新年にあたり心機一転筆を執った(キーボードを叩いた)ものではないので
悪しからず。

世の中、そんなもんです。



業界新聞にも各界のお偉いさんたちによる
数多の挨拶文や対談記事が溢れているけれども
全部、ぜぇ〜んぶ、昨年内に行われ、昨年内に原稿にされ、紙面組みされ、
印刷までされて、元旦に届くってやつです。

ま、気分ですよ、気分。



というわけで、栄えある新年早々の記事の題材となるのは、
「ニセコ町民センター」であります。

理由は、特にありません。
単に、たまたま順番がそうだったというだけなのです。

でも、運も実力のうち、って言うじゃないですか。

今や国際リゾートエリアとなっている、
北海道ニセコ町の町民センターがたまたま元日に記事に当たるというのも
何かの縁。


コロナ禍が開けた後には、今まで以上に世界のリゾート地として
賑わい発展するに違いありません。



……というわけで、本年最初の記事に移っていこう。



町名がカタカナである、ニセコ町。

今は国会議員となっている逢坂氏が町長を務めておられた頃から
結構いろいろと先進的な試みを進めている、そんな地である。



ここの役場近くに、町民センターが建てられている。


22010101.JPG


いかにもカネをかけました、というような造りではない。
いやむしろ、コスト削減に努めました的な造りに見えるのではないだろうか。


ハコモノに「魅せる」という側面を求める向きもあるけれども
本来の設置の目的を考えるならば、必要な機能を果たすことが第一であって
見てくれはその次である。

予算の都合や、供用年数などを勘案して、
シンプルに造り上げるのも一つのあり方であるし
限られた予算の使い方としては妥当なものと言えるのではないだろうか。



生憎の曇天であったが、青い空には映えそうな外観ではないだろうか。
また、深い雪に覆われる冬期にあっても
やはり映えそうではなかろうか。



1階のロビーはガラス面になっていて、
冬期の外皮負荷は相当なものになるであろう。

もちろん高性能のガラスを使用するにしても、
断熱材がガッツリ入った外壁と同等にはなりようもない。


よって、外皮負荷処理のために
放熱器が並べられていた。


22010102.JPG


パネルヒーター的な放熱器が並ぶことも多いかと思うが、
ここでは床置露出のファンコンベクターであった。


でかいし目立つけれども
その分、能力的には確保されるのであろう。


機器と機器との間の部分は、ガラスが結露しないのかしらんと
思わなくもない。

厳冬期に行ってみないと、実際のところはわからない。

薄い温水パネルヒーターを隙間なく通したほうが
見た目的にも機能的にも良いような気もするけれど
見た目だけではなくてコストとの兼ね合いもあろうから
あんまり紋切り型に判断することもできまい。



屋内部分の放熱器も、同様の床置ファンコンベクターであった。


22010103.JPG


敢えて天吊にしなかったのは、
足元の冷えを緩和する意図があったからなのかどうか。

床暖房にすると、コストが跳ね上がるしね。



床置露出のファンコンベクターの欠点は、
上に荷物を置かれたり、座られたりすること。

そのため、ケーシングが凹んだり、傷ついたりしやすい。

たいてい上面に「ここに座らないで下さい!!!」的な
ラミネート加工された紙が貼ってあったりする。

ここでは見かけなかったけれど、
ニセコの人たちはマナーが良いのかもしれない。


国際リゾート地と化してから、
外国人の居住人口も結構多いらしいけれど
うまく共生できているのかもしれない。

道の駅の野菜売り場に、
いかにも地元在住っぽい西欧系外国人が
レジ袋を持参して買い物に来ていた。

北海道の田舎としては珍しいのかもしれないけれど
ここではあまり違和感がない。



この町民センター、内装コストは結構節約してある感じだった。

天井ボードは、最低限しか貼られていなかった。

だから、露出ダクトも結構あった。


22010104.JPG


全部真っ白に塗ってしまえば、
それほど目立つものでもないのだ。



配管やケーブル類も、然り。


22010105.JPG


部分的に設けられた天井仕上げが、
ケーブルラックを兼ねている。

ダウンライトもそこに埋め込んである。

こういう在り方も、一考に値するのではないだろうか。



屋内消火栓設備の替わりに、
パケージ型消火設備が据えられていた。


22010106.JPG


これだと、消火水槽も消火ポンプも配管も要らない。


限られた予算の中で、必要十分なだけのものを設置する。

そういう考え方のもとで造られたのかもしれない。



あんまりあちこち撮ることはできなかったけれど
なかなか興味深い施設であった。
(「ニセコ町民センターのせつび」おわり)
posted by けろ at 01:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。