埋まった歩道であっても、
とりあえずの除雪車が入って後
多くの人々が歩き続けると
徐々に締め固められて道が出来る。
そうやって出来た道は、
元々の地盤よりもだいぶ高い位置に形作られて
凸凹も結構多い。
道の脇には雪壁も出来上がる。
しかし、そこにロードヒーティングが施されていると
その歩きやすさと言ったらもう比べようもない。
地面がそのまま露出して凸凹もなく
滑ることも転ぶこともなくなる。
すさまじい威力!
しかし、雪(氷)を溶かすためには
融解潜熱の分だけエネルギーを与える必要があるのだから
温水式にしろ電気式にしろ結構なエネルギー使用量になる。
だから、どこもかしこもロードヒーティングをしてしまう
というわけにもいかない。
地球を直接暖めるわけだから
温暖化に寄与しまくり、とも言えなくもない。
と、路肩に何やら穴があいている。
何かの巣? なわけはない。
周りが明るすぎて中が暗く写ってしまっているけれども
この穴の下部には道路の雨水排水桝があった。
きっと、このあたりの公共下水道は合流式で
生活排水の熱が常に供給されるから暖かくって
その熱でもって雪が溶かされて、穴があいているんだろうな。
下水排熱の有効利用ってやつだ。
国は、ゼロ・カーボンを目指すんだという。
世界的にも、少なくとも先進国は、そう宣言せざるを得ない状況に
なってきている。
となると、化石燃料を燃やしてのロードヒーティングは
やめていかざるを得ない。
今後は、自然由来の電力や、未利用排熱などを利用していくような
方向になっていくんだろうか。
ロードヒーティングの場合、
トータルの熱量は必要だけれども
瞬間湯沸器のように大出力が必要っていうわけでもないから
小さな出力である程度時間をかけるという選択肢もあるから
取り組みやすいのかもしれない。
(「ロードヒーティングの威力」おわり)