時々ある。
図面通りになっているかどうかを確認するため、
あるいは、図面が無いから実際にどうなっているかを見るため。
もっとも、実際に図面通りになっていることはまず無いから
そこに天井点検口があって、
脚立の調達ができて、
時間的に許されるならば
(場合によっては、体力も……)
中を見てみる。それが望ましい。
さて、カセット形室内機のある部屋だから
モノはわかるのだけれど、
接続配管や換気ダクトやその他諸々を見てみようと
天井点検口を開けてみた。
なぜかしらん。
少々埃っぽい。
そんな時、空間中に舞う微細な粉塵にフラッシュ光が当たって
こんなハローが出てしまう。
決して何らかの霊現象などではない。
ある程度、甘受するしか無いのだが、
ドレンアップの管がぴったり重なってしまっているのは
少々残念である。
たいてい、好き勝手に縦横無尽しているケーブル類が伴う。
手前には、スプリンクラ用のフレキ管もある。
室内機の天井内の様子を見たいのが主目的であったけれど
他のものも、いろいろ見えるのだ。
スプリンクラ配管を追いかけてみると、
まあよくありがちなんだけれども、
ねじ切りをした部分に錆止めが塗ってあるところと塗ってないところとが
混在している様子がわかる。
天井下地を、あるいは天井仕上材を施工する前の
僅かな時間では塗りきれなかったのかどうか。
後工程がつかえていて、どうしようもなかったのか。
現場監督の工程調整が杜撰だったのか、
そもそも物理的に到底無理な工期を要求されていたのか
単にズボラだったのか。
そのあたりも、今となってはわからない。
ただ「塗ってない」という結果のみが
眼前に厳として存在するのみだ。
古いコンデジの小さなディスプレイではあまり気づかないけれど、
こうやってPCディスプレイに表示すると
白い半透明の丸が矢鱈と目立つ。が、仕方がない、今さら。
スプリンクラのフレキ管と冷媒管とドレン管と各種ケーブルと
換気用ダクトが、入り乱れている。
設計・施工において、
3Dモデリングが徐々に浸透してきつつあるけれど
こういうのをどうデータとして正確に取り込むかねぇ。
点群データにすれば、属性はともかく取り込み可能ではあるけれど
ものすごいデータ量になってしまう。
それにちまちま属性を貼り付けて、整合性を取って、確認して……。
設計も施工も、納期工期が迫ると戦場化してしまって
寸分の余裕も無くなる中、誰がデータを作って確認して管理するものか
現時点ではあんまり出来る気がしない。
2D情報の「完成図」が正確であった試しがないのに
情報量が格段に多くなる3Dデータが正確である保証なんて
あるんだろうか。
ま、今後の技術革新によって可能になるのかなぁ。
3DスキャナとAIによって、
経験ある人間が詳細に調査したのと同じレベルで
データ化できるようになるのかもしれない。
それは、楽でいいなぁ。
外壁貫通部の排気ダクトには
保温材が巻かれてあった。
お、この写真には白丸が写っていないや。
国土交通省仕様だと、排気ダクトには保温施工をしない。
けれども、この建物は寒冷地にあって、
そういう地域では、排気ダクトであっても外壁からある程度は
結露防止のために保温施工する。
古い図面をひっくり返すと、
「外壁から1m」とか、1.5mとか2mとか、
結構いろいろある。
最近では、全熱交換ユニットの本体から外壁側は
すべて保温施工されているようである。
いろいろごちゃごちゃしてはいたけれど、
まあまあ見やすい天井内だったかもしれない。
天井ふところがすごく狭いとか、
機器類配管類がぎっちり詰まっていて遠くを見渡せないとか
点検口を配管が突っ切っていて中を覗けないとか
そもそも天井点検口が無いとか、
「見やすくない天井内」もたくさんあるから、
このくらい見えれば、御の字である。
新築で造る時には、見やすく無くてもまあいいんだ。
法的に必要な、防火ダンパーとか区画貫通処理なんかを
視認できるようにさえなっていれば。
でもね、短くない建物の生涯の中では、
設備関係の改修工事は結構何度もあるんだ。
だから、ある程度の「見やすさ」は欲しいのだ。
「でもそれは、設備屋さんの勝手な都合じゃん」
まあねぇ、そうなんですけどねぇ。
でもそれが巡り巡って、建築屋さんの為にもなるし、
ひいてはオーナーさんの為にもなるのだと
ワタクシは思うんですけどねぇ。
せつびの世界のヒト以外には
賛同者は居ないかもしれないけど。
(「見やすい天井内ばかりじゃないけど」おわり)