2021年12月11日

せつびの百葉箱

外壁に、ひっそりとついている
だいぶ朽ちかけた、木箱。


21121101.JPG


巣箱じゃない。



錠がかかっている。

こんなにご丁寧に、何を納めてあるのやら。



ここのはたぶん、
屋外温度計測用のセンサーを入れてあるはず。

日射は遮って、通風は確保する。
雨や雪も直接かからないように。

そのための百葉箱である。


気象観測所にある百葉箱も、
もともとアナログな温度計、湿度計などを納めておく場所だった。

それの建物版、っていう感じ。



今だったら、百均で窓に貼りつける温度計なんかが買えるから
外気温を知りたいだけならこんなモノはいらない。


でもこの中にあるセンサで外気温を測定し、
それに基づいて冷暖房の自動制御をかけたり
室内温度や冷温水温度などと一緒にデータを蓄積したり、
そんな事のために取り付けられているのである。



もっとも、こんなモノを使っていたのは
だいぶ前の時代だ。

現代の新築建物には、
まず見られまい。



見ての通り、だいぶ朽ちかけている。

やがて、朽ちきってしまうだろう。

そうしたら、センサーもろとも撤去・更新されるのだろう。
最新タイプのものに。



躯体に比べると、設備類の寿命は短い。

もののあはれを感じ取るなら、建築よりも設備だ。



建築仕上げも躯体も、いずれ衰えて、劣化して、傷んでいくのには
違いないのだけれど。



なるべく手をかけて、それを遅らせてやるのは良いことだと思う。

普段あんまり気にしてもらえないけれど、
建物や設備の様子は時々見てあげて、
なるべく補修、塗装、などをして欲しいものである。


カネとテマとがかかるから、
放っておかれがちなのだけれど。
(「せつびの百葉箱」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする