側面にある壁は、いろんなモノのために使われている。
まず目につくのは、室外機である。
それらを並べて設置するのに、とても都合が良さそう。
でも、それだけじゃ済まない。
電力の盤、換気用のダクト、換気用のフード、
暖房機か給湯機用のFF給排気トップ、
冷媒管やドレン管が納まっている樹脂製のケース、
通信線か何かの導入口など
表にあると何か目立ってやだな、ってものが全部
こちらの面にまとめられている。
設計の段階では、
これらのモノをこのへんに並べることは
だいたい図示してあるのだけれども
立面上でどのように並べるか、
いろんな設備などの位置関係を詳細に決めることはあまりない。
施工する方が、それぞれの美学に基づいて
また各職種間の微妙な力関係だったり、
単に先に乗り込んだ方が優先みたいな感じだったりして
最終的にこういう配置に決めることも多い。
すごくイイ感じで並んでいれば、
「スゴい」ってなるし、
ごちゃごちゃした感じになっちゃってたら
それはそれで「せつび」っぽくって良いし、
いかにも無理矢理つけました感が溢れていると
「やっちゃったな」と
ごく一部のギョーカイ人からは
ちょっと茶々が入ったりすることもあろう。
それぞれが、唯一無二の仕事なのだ。
たとい、人類の大多数が
ほとんど関心も示さず、
その存在にも全く気づかないとしても、だ。
(「側面の壁というものは」おわり)