2021年11月28日

掃除用流しって、健気じゃぁないか

「掃除用流し」って、
必要であるのだけれども
たいていどこか隅の方だったり掃除用具置場内だったり
狭いところに押し込められていて、
どっちかと言うと陰キャなのである。


きれいな水は流してもらえず、
鼠色に汚れた雑巾水を流されたり
すえた臭いのするゲロ掃除後のモップを洗われたりして
あんまりキレイなイメージは持たれようがない。



周囲には所狭しとバケツ、洗剤、モップ、ちりとり、ゴム手、
その他何でも置かれまくって文字通り足の置き場もない。


21112801.JPG



洗面器のように誰かがその前で化粧直しをすることもないし、
洋便器のように上に座って考え事をしたり、スマホを眺めたり、
つらさをじっと堪える人も、来ない。



たまに、忙しそうな掃除係の人が
テキパキと、あるいは気だるそうに、
自らの仕事をただ黙々と果たしに来るだけだ。


でも、文句も言わず(ただの陶器だ。言えるわけもない)、
ただ、そこに在る。

便所改修に伴って撤去される、
あるいは建物自体が解体される、その時まで。


こういうのを、「健気」って呼んでもいいのかどうか。



でも敢えて言おうじゃないか。


「健気だね」と。



次々とデザインも機能も洗練されていく他の衛生器具と違って、
変わらない、SK22A。
(「掃除用流しって、健気じゃぁないか」おわり)
posted by けろ at 13:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする