個室タイプだから、落ち着いて利用できて、
落ち着いて撮影できる。
ふぅ。
粗相をしてしまう利用者が一定数いるのか、
ライニングに清掃用の水栓が設けてある。
もちろん、勝手に水を出されたら困るから
ハンドルは外してある。
必要な際にはスタッフがハンドルを持ってきて
水を使うのだ。
跳ね上げ式の手すりは、
スイング式のように場所を取らないけれど
手を挟むリスクはつきまとうので
一応「気ぃつけや!」とシールが貼ってある。
さてこのトイレ、
側面に特徴的な表示が……。
フツーに手すりと紙巻器とリモコンとがついているのだが
その右、緊急呼び出しボタンのところに
何やらシールが貼ってある。
洗浄ボタンか何かと勘違いされて押され、
スタッフが駆けつけざるを得ない事態が
何度もあったんだろう。
お気の毒、かもしれない。
緊急呼び出しボタンなのだから、
緊急時には迷いなく、探すことなく、
躊躇なく押してもらって良いのだけれども
うっかり押されてはたまらない。
そんな切実な思いが具現化された
そんなテープに見えた。
大変だなぁ。
窓のないトイレだから、
換気扇がついている。
(建築基準法施行令第28条による義務でもある)
天井面に設ける、
天井埋込形換気扇である。
お約束のようにフェースがナナメなのは
ご愛嬌なのだ。
この換気扇は、
建築基準法施行令第20条の8第1項に基づく
常時換気(24時間換気)でもあって、
壁面上部にスイッチがついていた。
ホルムアルデヒド発散対策として、
新築建物の居室に設ける義務がある機械換気設備だ。
換気計画によっては廊下やトイレ部分も
「居室」としてカウントされる場合がある。
飽くまで「計画次第」だ。
この建物では、トイレも対象面積に入っていることになる。
常時運転されている前提なので
スイッチは入れっぱなしである。
ついうっかり切ってしまわないように
ON-OFFスイッチ部分にはカバーがかかっていて
「24時間換気」と表示されている。
このカバーを開けると片切スイッチが入っていて
OFFにすることができる。
カバーによって「うっかり」を担保しているのだ。
これは緊急用でも何でもないから、
カバーをかけて、
更に壁の上方に設けることによって
敢えて操作しづらくしてあるのだ。
呼び出しボタンと換気スイッチ、
どちらも「うっかり操作」を防止したいものではあるが
「緊急用」についてはなかなか悩ましいものだ。
目立たせるテープで訴えるしかないのかな。
(「うっかり操作してしまうから」おわり)