2021年09月30日

使ってるの?

裏口から、ふと見上げた軒天井部分に
なんとも大きな制気口がついているではないか。


でも、なにやら変だ。


その表面に何かが貼ってある。
フィルター的な役割だろうか?


21093001.JPG


一部には、フィルターそのものが取り付けられているし。


450mm角の天井点検口と比べて、
この大きさがわかるだろうか。



結構な量の、外気取入口かと思われるのだけれど
これ、使ってるの?


フィルターがついているくらいだから
使っているのかなぁ。


こういう形で貼り付けたフィルターも
ちゃんと機能するのかなぁ。


制気口も天井内のボックスも分割してあって
別々の系統になっているのかなぁ。



いくら裏口だとは言え、
かなり大胆な細工じゃないだろうか。


一般的には、天井内で、ボックス内で
それなりの処理をするのじゃないだろうか。

あんまり表に出てこないように。



そんな事を考えながら、足早に通り過ぎるのであった。

一瞬、撮影する時間を除いては。
(「使ってるの?」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月29日

こういう主張があってもよい

訪問先で、興味深いモノを見た。


いや、大したことじゃないんだ。
(昨日も言った)



こういう表示って
あったほうが良いと思うんだけれども
いかがであろうか?



21092901.JPG



防火戸は「防火設備」と呼ぶけれども
工事区分としては「建築」で「設備」じゃないんだけれども
そういう言葉の定義云々はともかくとして
意味があって設けられているわけだ。

もちろん「防火」のために。



でも、一般の建物利用者にはそういう意識はない。
存在にも気づいていないのが普通であろう。



だもんだから、
非常時には自動閉鎖しなくてはならない防火戸なのにもかかわらず
この前にダンボール箱を積んで置いちゃったり、
プランターなんかを飾っちゃったりしてしまう。


常閉防火戸は常閉でこそ意味があるものなのに
「換気のため」とか言ってストッパーとか木片とかスリッパとかを挟み込んで
ピタッと閉まらないように、隙間が開くようにしちゃったりする。



こうやって「防火戸!」と主張しておけば
「ああ、これが閉まらないとダメなのかな」と
少し意識付けが出来るんじゃないだろうか。


意匠的には目立って邪魔なのかもしれないけれど、
実際に使用している建物でこういう表示が付けられているということは
意識して欲しかったからなんじゃないだろうか。



少なくとも防火、防災に関わるものについては
こういう自己主張があっても良いのではないかと
思うのだ。


「命よりも、見た目っっっ!!」

そういう気合の入った方もおられるから
強要はしたくないとも思う。

個人所有の物件で、
その主義主張を受け入れてくれる人たちだけが出入りする建物であれば
誰にも文句を言われる筋合いはなかろう。



でももし、外部からそれなりの人数がやってきて利用するような建物であるならば
たとい見た目に難が生じたとしても、
こういう主張はあっても良いのではないかと
個人的には思うのだ。



建築基準法や消防法も、そういう思想の元で
「見た目邪魔で目立つけど設けなくてはならないもの」を義務付けている。

たとい法的義務は無くとも、
目立つものを付けたって、構わないのだ。



オシャレなスマートな機器類に、
「わかりやすいように」いろんな操作説明が テプラなどで 貼ってある、
ああいう感覚だ。



異論は、大いに認めます。
ってか、ワタクシのほうがたいがい異論だわな。フツーじゃないんだ。
(「こういう主張があってもよい」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月28日

せっかくの化粧蓋なのにね

歩道を歩いていると、
時々残念に思うことがあるのだ。



いや、大したことじゃないんだ。


たぶん普通の人にとっては全く意味のないこと、
気にも留まらないこと、
存在にさえ気づいていないことなのだ。



それでも、その業界の片隅に在るワタクシとしては
やっぱり気になってしまう、そんなモノだ。



21092801.JPG



どうでしょ?

気になりません?



「別に……」

「歩道、だよね? それが何か?」



そうだよね。フツーは、そうだよね。



でもね、ちょっとだけ、見てみて欲しいんだ。


マンホールの蓋が4個もついているのが、わかるかな。
歩道表面を飾っているインターロッキングの材料を、
蓋にはめ込むことができるようになっている
「化粧蓋」なのだけれど。


ただの鉄蓋よりも、値段が高いんだ。
施工も大変(面倒)なんだ。

そんな「化粧蓋」なんだ。



何のために化粧蓋を使っていると思う?


歩道の仕上に連続性を持たせたい、
そういう要求があったからだよね?



ただの鉄蓋だと、そこだけ仕上材が途切れてしまって
面としての一体感が損なわれてしまうから、
それを緩和するために敢えて化粧豚、もとい、化粧蓋を採用したんだよね?



だったらさあ、
どーして右側の2つは、
せっかくはめ込んだ仕上げの向きを周囲に合わせないのさ。

蓋をはめる際に、周囲と向きを合わせる、
ただそれだけのことじゃないか。

ねえ。



左側の2つに至っては、
はめ込んである仕上材が違うじゃん!

点字タイルもぶっ千切っちゃってるしぃ!

化粧蓋使ってる意味が、ぜんぜん無いじゃんかっ!



決して簡単なわけじゃないインターロッキングはめ込み作業中に
「これでいいのかな?」って誰か思わなかったんだろうか。


思ったんだけど「ま、いーや」と無かったことにした?


左側の模様の材料に余裕が無かったから、どうしようもなかった?


訴えたんだけど、監督さんが「いーから、これでやって」と言った?


完成検査の際に、そもそも誰も気づかなかった?


気づいたけど予算も厳しかったし今更やり直せっていうわけにもいかないから
もういいやって済ませた?



どういう物語がそこにあったのか、
ワタクシには知る由もない。

知ったからと言って、どうにもなるわけでもない。

人生が豊かになるわけでも、今後の業務に活かせるわけでも、
対人関係が円滑になるわけでも、経済的に潤うようになるわけでもない。



そんな「どーでもいーこと」を、あれこれ思い巡らせるのが
好きなだけなのだ。

そういう趣味趣向なだけなのだ。


勝手に「せっかくの化粧蓋なのにぃ」と勿体ながっているだけなのだ。
(「せっかくの化粧蓋なのにね」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月27日

潰れちゃってる

軒下を、たぶん給湯機か何かの排気管であろうものが
伸びてきている。


伸びてきているのだが、
その先がちょうど外壁の面と合わせたかのように潰れている。


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本来の口径が、潰れによって小さくなってしまっているようだ。
排気性能にも、若干の支障が出ているのではないか。



誰が、潰した?



外壁から出っ張っているのがみっともないからと、
敢えて潰した?



外壁ギリギリに走ってきたトラックの筐体が潰した?

いやいや、それだと潰れる方向が違うだろう。

正面から、もしくは上面からの力によるものではないか?



そもそも、誰かがわざわざこれを見つけて
潰そうとするか?


地上2mくらいの高さだから、
通りがかりにうっかり潰されるような場所でもない。



たぶん、だけれども
上から雪塊が落ちてきて、潰れたんじゃないだろうか。



確か、3階か4階くらいの建物だった。
屋上に積もった雪が融解凍結を繰り返して重い塊となり
ある程度成長した雪庇の状態で上から落ちてきた。

その際に、潰されてしまった。



そう考えると、辻褄が合うんじゃないだろうか。



積雪寒冷地で外壁から出っ張るものについては
屋根からの雪庇の落下にも配慮が必要なんじゃないかな。



ところで、「辻褄」って何?

「辻」って、何? 「褄」って、何?



いちいち百科事典や国語辞典や和服入門書を紐解かなくても
(今どき、紐解くような書物も無いのであるが)
スマホでネットですぐに調べられるのは便利ではある。



お手軽な分、記憶・知識としての定着効率は悪いのだろうけれども。
(「潰れちゃってる」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月26日

換気のガラリは目立つかな

建物を、見上げる。



するとそこには、換気ガラリがある。



プルボックスや、電線管や、流体の配管とともに。


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外壁を伝う、茶の色水が一番目立つかもしれない。



配管類は、ごちゃごちゃ管によって
その在ることを主張する。



となれば、結構大きな換気ガラリであったとしても、
それほど目立たないのではないかと
言えなくもなかろう。



もっともこれにステンレスの防風板などが取り付くと
その輝きにおいて、目立ってしまうかもしれない。

では、それを除去しさえすれば
大きな換気ガラリも他の要素に埋もれされることが可能であるはずだ。



建物の内外を連絡する、換気用の開口部は
どうしても必要なものである。


であれば、付くのは当然のこととして、
その上で「付け方」を考えるべきなのである。



防風板に意匠的な何かしらの措置を施したものを
ほとんど見ないのだけれど、
意匠設計と設備設計との狭間に、
建築施工と設備施工との隙間に、
それに対する配慮というものが
埋もれてしまっているからなのであろうか。
(「換気のガラリは目立つかな」おわり)
posted by けろ at 20:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月25日

暖炉風だけど石油ストーブなんだ

ロビーに、暖房機。


21092501.JPG


暖炉のようにも見えるけれども、
FF式の石油暖房機なのである。


上部の扉の中で、モノを温めたりすることはできる。



フツーの製品よりも、オシャレ。

もちろんその分、値段は高いんだけれどもね。



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株式会社トヨトミ製である。

「加熱機能付」と書かれている。



裏側を見てみる。

向かって左側から。


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ガラス面に沿って設置してある温水パネルヒーターをまたいで
給排気管用のカバーがうまいこと設置されている。


だいぶ苦労したんじゃないだろうか。



この暖房機も建具枠もパネルヒーターも
みな黒色で統一されているのだが、
コンセントプレートだけは白い。

モールやボックスまで黒いのに。

床仕上げ色を意識した感じ?



右側面も。


21092504.JPG


給気管と排気管が、隙間から見える。

それにしても、頑張って作ったカバーだなぁ。



「せつび」って、あんまり意匠には関わらないし
どっちかっていうと隠されがちなものなのだけれども
こんなふうに「魅せる」製品が無いわけでもない。


結局は予算が合わないからと
バッサバッサ削られることも多いのだけれど
内装の雰囲気とか、空間の構築とか、そういう枠で
このように設けてみても良いのではないだろうか。



バックヤードまで凝る必要はないだろうけどさ。
(「暖炉風だけど石油ストーブなんだ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月24日

長〜く伸ばした給排気管

FF式の温風暖房機が、あちこちについていた。


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いやぁ、給気管、排気管が、長いこと!

床面から2mくらいは上の方で給排気しているみたい。


雪が、積もるから? きっとそういうことだよね。



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他の室には、それほど立ち上げられていないものもあった。

窓下のラインより上には上げられないから。


給排気トップに接続されていないようだけど……。



別の室には、立ち上げ部分とトップ接続部分のみ見えるところがあった!


21092403.JPG


なるほど、さっきのようなやつは、隣の室で立ち上げてから
給排気トップに接続している、ということか。



それじゃ、この暖房機も同様だね。


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しかし、だ。


燃焼機器のすぐ脇にプロパンガスボンベって、
危なくないかな?


危ないよね!?
(「長〜く伸ばした給排気管」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月23日

低圧用フラッシュバルブ

まだまだ、和風便器は健在である。


さすがに新築の事務所ビルや集合住宅や物販店舗ではまず見かけないけれど
既存の公共施設や学校などではまだまだ現役である。



よく見かけるのは、こんなやつだろう。


21092301.JPG


レバー式のフラッシュバルブがついていて、
ペラッペラの紙巻器が伴っていて、
陶器製の「注意板」なんていうものが取り付けられている、
そんな和風便器ブース。


ある程度の年齢の方であれば、
ちょっとなつかしい感じがするかもしれない。



では、こんなタイプのフラッシュバルブを目にしたことはあるだろうか。


21092302.JPG


さっきのやつと、形が違うのだけれど。



これは、普通のフラッシュバルブ方式で必要となる水圧が確保できない場所に設けられる、低圧フラッシュバルブである。



なぜこんなものを?



と思うかもしれないけれど、
昔はこれが必要だった頃があったということなのだ。



今だったら、水圧が足りるような加圧給水ポンプユニットを選定するのだから
こんなモノは必要ない。


けれど、高置水槽方式(高架水槽、ともいう)の給水システムを使っている建物だと
最上階の水圧がどうしても不足しがち。

それで、このタイプが使用されることがあった。



もちろん、洋風便器でも使用された。


21092303.JPG



現代は、給水システムを高置水槽方式で組むことも少ないし、
高置水槽とする場合でも、
最上階だけは加圧給水システムにするとか
十分な高低差を設けるとか、
対策のしようがあるから、まず使われることはない。


既存のが壊れちゃったから、取替用に……っていう需要しか
ないんじゃないかな。



だから、見かけたら記念に撮っておくと良い。

じきに見られなくなる、一種の産業遺産なのだから。
(「低圧用フラッシュバルブ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月22日

流し台廻り

ちょいと、事務所の流し台にお邪魔しますよっと。


21092201.JPG


ザ・事務所流しっ! っていうくらい、
典型的な流し台廻りに見えません?


シンクと脇のスペースがあって、
シンク下の収納があって、
吊戸棚、LED照明、布巾掛け、電気温水器、混合栓。


設備とは別に、食器洗いスポンジとか洗剤とか電気ポットとかコップとか
什器類もいっぱい。



掃除の行き届き具合とか、整理整頓の様子とか、
そいう方面が気になる方もいらっしゃることと思うのだが
ワタクシはやはり何と言ってもここの主役は電気温水器だと思うのだ。

ここの設備では一番カネかかっているし。



脇に貼ってある銘板を見る。


21092202.JPG


イトミックとか細山熱器とかじゃなくって、TOTO製。


貯湯量約12Lなので、本体の運転重量は15kgを超える。
平成24年国土交通省告示第1447号により、
耐震固定 が義務付けられている。


建築確認申請時に明記しておかなくてはならない事項だ。



この機器の沸き上がり温度は90℃。
「ボイリング仕様」と言って、沸騰させる機械もあるけれど
これは違う。



電源は、単相100Vを使用している。
他に、単相200Vや3相200Vの電源を利用する機種もある。

電気設備の事情に応じて、一番都合の良い電源を選べば良い。



電気温水器の下側を覗いてみる。


21092203.JPG


電気温水器だから、設備機器だから、
こういう覗きは許容されて然るべきだ。


そうじゃなくって、対象が人間だったり他人の住居内だったり
そういう趣味嗜好の方が時々摘発されるようであるが、
それはイケナイ。

ぜひ、「設備」に宗旨変えすべきである。


犯罪ではない上に、人様のお役に立てる可能性があり、
ひいては事業収入に繋がるし、
何より楽しいではないか。

おひさまの下で正々堂々と立ち回れるではないか。
(いや、屋内だから直射日光は当たらないのだが)


まあそれはともかく。



給水管、給湯管、排水管がそれぞれフレキで壁内に潜っている。

本体カバーを下方に伸ばすことによって、
これらの配管類が正面から見えないようになっている。

もっとも、隠さずに見せている管も一般的に多く見かけるけれど。



シンクの水栓は、熱湯専用栓付の湯水混合水栓である。


21092204.JPG


壁付のシングルレバー混合水栓で、
レバーの上下で吐水止水を操作し、
レバーの左右回転で湯水の混合具合の調整をする。

昔は、一番右に振ると水で、
左に振る角度で徐々に湯の温度が上がっていったが
近年は「エコシングル」となっている。
レバーが真っ直ぐの状態では水だけが出て
それより左に回すと湯の温度が上がっていく。

昔のタイプだと、まっすぐのまま使って
ほんとは水でいいのに無駄に湯を使ってしまうことになったから
少しでもエネルギーの無駄を省くように工夫されたものだ。


その他に、電気温水器で沸かされた熱湯を出すための専用栓が
設けられているやつだ。



熱くなる部分は、樹脂で覆われている。
金属だと火傷しやすいから。



熱いお茶やコーヒーを入れたり、
カップ麺を作ったりする際に利用できる。



メーカーや機器によっては、
温水器本体に熱湯専用栓がついているものもある。


そもそも飲用の湯が必要であれば
電気ポットでいいのでは? ということで
熱湯専用栓を設けないこともある。

湯沸器は、洗い物の際に水だけだと冷たいから必要、
という位置付けだ。


ま、何を必要とするかは、その建物、その室により異なるだろう。
何事も、必要に応じて据え付けるまでだ。



続いて、中身も見るのだ。


電気温水器ではなくて、流し台の。



前面の扉を開けてみよう。


21092205.JPG


洗剤とゴミ袋とティッシュペーパーがたくさん入っているが
そんなモノたちにはあまり興味はない。

ぎっちり詰まっていると「邪魔だなぁ」と思うくらいのもので。


それより、この中で見たいのは配管類である。



電気温水器からの排水が、専用トラップを介して
流し台シンクの排水管に接続されている。

その加減と納まりとを観察したいのだ。



そして、その接続管の更に下には
ミニドルゴが取り付けられている。


21092206.JPG


うん、なかなかイイじゃない。



この部分の排水管が、どのようなルートで屋外まで導かれているかは
ここを見ただけじゃわからないけれども
排水管の流れには「通気」が大事なのである。


排水管内には、空気が入っているのだ。
そこに排水が流れるためには、
管内の空気をうまく移動させてあげなくてはならない。

特に、流れるモノの上流側から
空気をうまく取り入れてやることが大切になるのだ。

そのために設けられるのが、通気管。



配管をそのまま伸ばして屋外に開放するのが本来であるが、
近年は空気取り入れだけを行うことができるドルゴ通気弁が
よく使用されるようになった。

パッキン類の信頼性が高まり、臭いが出てこないようになってきたし
低位ドルゴなんていう便利な製品も出てきたので、使いやすくなった。



小規模事務所とか住宅とかマンションとか
通気なにそれ美味しいの? っていう感じで全く設けられていないところも
良く見かけるのだけれど、やっぱり通気は欲しいよね。



海外の集合住宅における開放式の通気の場合、
SARSや新型コロナなどの感染を拡大させた事例が報告されているようだから
(まあ、トラップ切れも原因の一つらしいが)
ドルゴ通気、使いどころじゃないかな。

値段もそんなに高くないし。



そうそう。



シングルレバー混合栓を使う場合、
ウォーターハンマー(水撃)防止器も欲しいところ。
「防止しろよな」って 建設省告示 にも書いてあるし、ね。
(「流し台廻り」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月21日

ストーブもいいけど換気には注意を

すんごく暑かった夏も、今週の秋分を経て徐々に収まり
一日のうち昼間の時間が短い季節へと移っていく。


朝晩寒さを感じるような季節になってくると
暖を取りたくて、ストーブなど燃焼機器を引っ張り出してくることに
なるかもしれない。


こんなやつとか。


21092101.JPG


灯油タンクを自前で持っている、石油ストーブ。



これなら、ストーブ本体と着火源としてのコンセント電源があれば済むから
お手軽に暖を取ることができる。



できるんだけど。



特に近年の比較的新しい建物であれば、要注意だ。



こういうストーブは「開放式」と言って、
室内の酸素を使って灯油を燃焼させ、
燃焼後の廃ガスはそのまま室内に放出するタイプなのである。


燃やせば燃やすほど、室内の酸素を消費していくものなのである。


だから、常に室内に酸素が供給される環境に置かなくてはならない。

「酸素発生装置」があるわけじゃないから、
新鮮な外気を取り入れて酸素分を補給してやる、ということになる。



たとえば、時々窓を開ける。


たとえば、換気をしっかりする。
ただし、排気用の機械を動かすだけじゃ、心配だ。
ちゃんと外気が取り入れられる状態でなければ
酸素が供給されないから。



室内の酸素が減ってきたら、どうなるか。


燃料中の炭素原子が酸素原子としっかり結びついて
二酸化炭素になりたいのに、
酸素が足りなければ一酸化炭素しか作れなくなって
廃ガス中の一酸化炭素濃度が上昇する。


一酸化炭素は血中のヘモグロビンと結びついてしまって
酸素を運ぶ邪魔をする。
それによって一酸化炭素中毒になる。


それで死亡する危険性が、かなり高くなるのである。



古い古い、隙間だらけの建物だったら、
自然に隙間風換気が行われるから、少しマシではある。



築100年近い古民家に済んでたじっちゃばっちゃが
新築の住宅に引っ越した際に、
「今まで平気だったけん」と同じようなストーブの使い方をすると
危険だよ、ということなのだ。



というわけで、
燃焼機器を使う際には、くれぐれも換気に注意していただきたい。


暖房用でも、給湯用でも。



灯油やガスで暖房するなら、FF式の機器にすれば、
屋外の空気を使って燃焼させ、廃ガスもそのまま屋外に放出するので
給排気管の施工がちゃんと出来ている限りにおいて、安全だ。


排気だけ行うFE式の機器だと、燃焼用酸素の不足はどうしようもない。
安全装置が働いて自動停止するように作られてはいるが、
換気が不全だと、頻繁に停止して「故障かな?」と勘違いすることになる。

あんまり頻繁に止まるので、安全装置を切ってしまった結果起きたのが
昔のパロマの給湯機事件だ。

直接的には機器メンテナンス担当者の責任ではあるが、
燃焼空気への配慮が無かった建築設計にも責任の一端はあったはずだ。
FEの機器を据えながら、ちゃんとした給気を設けなかった故に生じた
設計不良が本質的な原因なのだから。
そういう報道は、ほとんど無かった気がするけれども。



というわけで、だんだんと燃焼機器のお世話になってくる時期に向かっていく。
(ま、給湯は年中使用しているだろうけど)

換気には、ご注意。
(「ストーブもいいけど換気には注意を」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月20日

よっぽど結露するんだね

工場の片隅の、ちっちゃなトイレ。


給水管に、ガッツリ保温してあるんだな。


21092001.JPG


あんまり見た目など気にしない場所だから、
きれいにカバーをかけた仕上げじゃなくって
保温材+アルミ箔+金網 くらいの
通常であれば天井や壁内に隠蔽になる部分に使われる仕上げで
済まされているのだけれど。



床下から便器のロータンクに接続される給水管と
水抜栓の軸部分にも、保温材が巻きつけられている。



通常であれば、保温無しで済まされることも少なくない部位。


建物が出来上がった後、使っている際に
よっぽど結露がひどかったんだろうか。


すぐに床面がべしょべしょに濡れてしまうから、
それを何とか避けようとして保温材を後付けしたんだろうか。
(「よっぽど結露するんだね」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月19日

木造の天井内は梁との闘いだ

木造の建物が増えてきた。



住宅はかねてより木造が多かったのだけれども
中大規模の建築物にも採用されるようになってきた。



木造耐火建築物なんかも定義されて、
大規模な庁舎や、高層の共同住宅なども
企画されるようになってきた。


国の政策 として、木造化率を高めようとしているということだ。



林野庁でも 説明 されている。



さて、そうなると建築設備においても木造建築物とのコラボが
多数生じてくるわけである。



従来であれば、木造戸建住宅、
あるいはせいぜいアパート程度の小規模共同住宅くらいでしか
採用の無かった木造。


ほぼ「設備設計」など行われず、プロット図だけを元に
水道屋さんや電気屋さんが状況に合わせて施工していた。



けれども、中大規模の木造建築物が建てられるようになると
それに伴って「設備設計」「設備施工」が
今までRC造やS造との付き合いしかなかったようなワタクシのような者にも
関わりを持ってくるようになってきたのである。



RC造とは、機器類や配管類の納まりが大きく異なる。

月刊建築技術6月号でも 記事 になっていた。



何が違うって、一番大きいと感じるのは、梁との付き合い方であろうか。


21091901.JPG


RC造やS造であれば、梁貫通という手法が通用する。
構造の梁成に応じて、ある程度の貫通孔を設けて
そこに配管やダクトを通すことができる。



しかし木造の梁の場合には、基本的に貫通ということができない。


よって、梁下に通すか、梁を横断しない形の納まりにするか、
どちらかになる。


梁下に通す場合には、天井高にも影響してくる。


RC造マンションやS造事務所ビルのように、
梁貫通でダクトを通しまくって階高を抑えるなんていうことは
できなくなるのである。



上の写真、梁下ギリギリを狙って、冷媒管とドレン管とを通している。
電力ケーブル類は、梁下をまたいで通している。



梁の形状は、コンクリートに比べると縦長だ。


梁の間隔も、RCやSよりも狭く、本数が多い。
よって、納まりの制約も多くなってしまうのだ。



木造ゆえ、下地も軽量鉄骨ではなくて木材だったりする。

となると、PSの造作も木材で行われることになる。


21091902.JPG



ドレン管と冷媒管が通るだけの、ちっちゃいパイプシャフトだけれど
とにかく何らかの囲いを設けるにもこんな感じになる。



機器を吊る場合にも、RCスラブやデッキプレートからの
インサート金物やアンカーからというわけにはいかないから
木材に打ち付けた鋼材から吊り棒を吊ることになる。



とにかく、梁成が納まりを支配することになる。


21091903.JPG


木造架構の構造計算とのやりとりが、RCよりも大変である。



梁成が小さい部分や、天井が下げられる部分だと
少〜し納まりが楽になるけれども。


21091904.JPG



これからは、確実に木造の建物の規模が大きくなる。
高層建築物も、増えてくる。


だから、設備業界も追いついていかなくてはならない。

設計者も、施工者も。



RC造やS造とは、全く別の論理がそこにあるのだから
油断しているとなかなか大変なことになってしまう。



なんて、周回遅れのような記事を書いているようじゃ
ワタクシも底が知れているということなのだけれど。

(一応、今までもいろいろ木造には触れちゃいるんですけどね)
(「木造の天井内は梁との闘いだ」おわり)
posted by けろ at 23:34| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月18日

床吹出口の配置

床吹出空調、っていうのがある。


フリーアクセスフロアの空間に空調空気を通して、
床面から吹き出す。

排気は天井面から取る。


そういう、空調方式。



とある打合せ先にも、あった。


21091801.JPG


ここに設けられていたのは、
四角いタイプ。


なんだけど、配置が結構ランダム。



テーブルやら椅子やらあったから
全体像を写すことは出来なかったんだけれども
かなり、ランダムだった。



家具や什器の配置計画を元に
これら吹出口を割り振ったのか、
それとも、ほんとにランダムに、テキトーに割り付けたのか。


そのへんの経緯は、わからない。


ただ、規則性なく、フリーダムに配置されていたことは確か。



だいたいもって、床下に配線を通すことによって
机などの配置を自由に変更できることがメリットのフリーアクセスなんだから
吹出口の位置もそれに合わせて自由に変更できるはずなのだ。


けれど、あんまり意識されないから、
コンセント電源とLANケーブル位置を整えておしまい、
という結果になってしまったのではないだろうか。


すべてが推測、いや妄想に過ぎないのだけれど。
(「床吹出口の配置」おわり)
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2021年09月17日

道路工事の舗装仮復旧

道路って、やたらと掘ったり埋めたり、掘ったり埋めたり、
いっつもそればっかり。

公共工事費の、税金の無駄遣いだ!

土建屋の利益確保のための忖度だ!
(「忖度」なんて言葉が誰でも読めるような時代になってしまった……)

特に年度末に道路工事が目につくぞ!
余った予算を、血税を無理に消化しようとしてるんだろうっ!
けしからんっっっt!!!



一般の人々にとって、
建設業っていうのはそういう目で見られがちではある。



確かに、あちこちで道路を掘っている。
どうして何度も何度もおんなじ所を掘ったり埋めたりしてるんだろう。


ま、そう感じてしまうのは仕方がない。



ちゃんと工事看板を見ていれば読んでいれば
それぞれが水道工事であったり、下水道工事であったり、
ガス、電話、電力、共同溝、道路そのものの補修など
目的が異なっているのに気づくはずなんだろうけれど
一瞬通り過ぎる際にそこまで気にすることは普通は無い。


せいぜい、「前にもここ掘ってなかった?」
漠然とした印象が残るだけであって、
結局上のような感想が出てきてしまうのも致し方ないのかもしれない。



これらのインフラが常にメンテ・更新されていて
正常に保たれているからこそ都市生活が成り立っているのであるが
そういうのは普段目にすることはないから意識されない。



景観云々を重視して無電柱化促進を喜ぶ人であっても
それゆえに生じる道路工事には文句を言っていたりすると
本来的には自己矛盾なのであるが、
それらの関係性を理解していなければ別物として意識してしまう。

ある意味、仕方のないことと言えようか。



ちゃんと現実をしっかり見て、正しく理解したうえで批判しようよ。
ただイチャモンつけてるだけじゃ、
無意味だし時として害悪でさえあるんだ。


なんて、言うのは簡単なのだけれど
あまり自分自身にとって馴染みの無い分野については
「正しく理解して」批判するなんてことは、大抵出来ない。



世の中、そんなものだ。多分、ワタクシ自身もそんなもんだ。

報道でガンガン批判されていることの一部には
そういう不当なものも含まれていることだろう。

下手に反論しようものなら、更なる集中砲火を浴びることになるから
不用意に釈明さえできなかったりしそうだ。


故あっての正当な「炎上」ももちろんあろうが、
不当な「炎上」も、多々あるのは皆様ご存知の通り。

ひょっとすると、ご経験された方もおられよう。


特に、自分の普段関わっていて詳しい分野について
自称「専門家」たちが発する無責任な放言や
自称なだけで殆ど素人だろお前、っていう偉い方々の御高説に
あるいは本当に無知なタレントたちによるしたり顔の言説に
辟易とすることは無いだろうか?



ま、でも世の中そういうものなんだから、仕方がない。
そうである前提で過ごすしかないのである。


それでも、何とかして印象を良くしたいと
なるべく負のイメージを薄くしたいと、
各界で涙ぐましい努力が今現在も続けられているわけだ。



さて、掘ったり埋めたりを繰り返すと言われる道路工事。
実際には「道路」じゃなくて「水道」だったり「下水道」だったりする工事。


こんな仮舗装表示を見つけた。



21091701.JPG


発注者のイメージキャラクター なんだろうね。


どうかな。


少しは、イメージ変わるかな。


仮囲いやバリケードも、そういったイメージアップ戦略の一部なのだ。
工事費積算の項目に、そういう費目があるくらい、
業界全体として(発注者も含めて、である)長年取り組んできた成果が
現れていたり、まだまだだったり。
(「道路工事の舗装仮復旧」おわり)
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2021年09月16日

しっかり囲われた室外機

とある店舗の店先に、
なかなかしっかりとガードされた室外機があった。


軒先から落ちてくる雪塊から、
東芝の室外機を守っているもののようだった。


21091601.JPG


かなり頑丈に見えるものである。
頑丈ゆえに、メンテナンスをしようと思うと、大変だな。



設置高さはだいぶ低いから、
積雪のたびに除雪もしっかりやらなくてはならないだろう。



屋根のすぐ上に出ている、
古いタイプのFF暖房機用給排気トップ。

これは、落雪にやられなくて済んでいるようだ。
だとすると、この室外機ももうちょっと軽い囲いでも
大丈夫だったのかもしれない。


木板の外壁に、冷媒管用のスリムダクトが貼り付いている。
その一部を欠いて、ドレン管が真下に伸びている。


せっかくスリムダクトがあるんだから、
中を通しても良かったんじゃないかな。


ま、そのへんは結果論で外野が勝手なことを言っているに過ぎない。



いろんなところに、いろんな室外機の設置状態があって
面白いものだ。


「せつび」と関係ない職業であっても
「室外機マニア」なる方々は少なからずおられるようで
ツイートに反応が多いのは室外機の画像である。


マンホール画像も結構多い。ボットも反応してくるし。



しっかり囲われていても、囲われていなくても、
それぞれに理由があって、
見た目と、保護と、機器能力の低減などのトレードオフ関係を
いろいろ考慮した(あるいは特に考えなかった)結果として
いろんな状態となるのだ。
(「しっかり囲われた室外機」おわり)
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2021年09月15日

こんな最中は……

衛生陶器を作っているLIXIL(旧INAX)と和菓子屋さんとのコラボで
トイレ型のモナカを発売 したんだとか。



愛知県(某ライブで大顰蹙のあった)常滑市にある
INAXライブミュージアム と、
製造している 和菓子店 とで販売されているらしいのだけれど。



ご自身で、トイレ形の皮に餡子を詰めてお楽しみください。
※入れるときは決してトグロを巻かないようにご注意ください。


……。


「押すなよ、絶対に押すなよ!?」


っていうノリだよね?



戦後すぐに創業した歴史ある和菓子屋さんの 公式ページ にまで
しっかり紹介されていて。



トグロを巻いてセット するととても効果的になる!?



うん、こ んなモナカは、改まった挨拶の菓子折りには使えないのだ。

お詫びにこんなモノをお持ちした日には……。

修羅場にしか、ならないのだ。



結婚申込みに相手方の実家に挨拶に行く時には……?


親が設備屋さんなら喜んでくれる、かもしれない。保証はできない。
(「こんな最中は……」おわり)
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2021年09月14日

ヒーティングヘッダーだ

立体駐車場の屋外階段(避難階段を兼ねる)の脇に、
ロートヒーティングの装置が据えてあった。



そう書いてあるわけではないけれど、
それ だよね?


21091401.JPG


地面に長方形の蓋がいくつもあって
開けられるようになっているじゃないか。


きっとこれを開けると、
ロートヒーティングのヘッダーが入っていて、
各系統行きの樹脂管が
所狭しと並んでいるはずなのだ。


これくらいの寸法の蓋を要するところを見ると、
20系統くらいはあるのかな?



そのための熱源は、たぶんビニルシートで覆われている
あの四角い箱なんだろう。


だって、手前にあるガスメーター以降のガス管が
接続されているじゃないか。

そして、いかにも温水の往き還りとおぼしき
2本の配管が接続されているじゃぁないか。



足元も見てみるよ。


21091402.JPG


ロートヒーティングするくらいだから、
雪が積もるはずなのだ。

だから、まとめて雪が降った際に埋もれてしまわないように
架台で少し高い位置に持ち上げてあるのがわかる。
30cmくらい?



今はこの装置にとってのシーズンオフだから、
シートで覆って養生してある。

ゴミや葉っぱや虫などが入り込みにくくなるから
こういう手入れは必要だ。

ノーメンテだと、絶対に装置寿命が短くなる。



積雪地の都心部に行けば、
こういうものがたくさん見られる。


気にして探さないと、
見過ごしてしまうのだろうけど。



見慣れた全国チェーンの店が並び
どこに行っても同じような建物ばかりに見えるかもしれないけれど
実はその土地土地の気候に合わせて
建物そのものも、そこに据えられる設備類も
ちゃんと違うものになっている。


そんなところを探して見つけることができると、
「同じような建物」では無いことに時めくのである。



ただただ時間に追われ、
取引先との打合せだけで終えてしまうよりも
そういうちょっとした違いを発見しつつ移動するのは
楽しいことではなかろうか。

たとい足早に通過するだけであったとしても
それらを「観る」ことは出来るはずなのである。
(「ヒーティングヘッダーだ」おわり)
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2021年09月13日

外壁に並ぶ設備は必要なのか

外壁は、建築的には外界と室内とを隔てる役割を持つもの。

雨風をしのぎ、
日射を遮り、もしくは取り入れ、
断熱材によって、熱の出入りを緩和して
主として人間が過ごしやすいように
外界から室内を遮断するための存在である。



これらの機能を果たすために、
コンクリートあるいはボードが屹立し、
適度に窓ガラスが配置され、
防雨、防湿の措置が取られ、
断熱材が、近年であればかなり厳重に施工される。



「ケンチク」的には以上がすべて、なのかもしれない。



しかし、室内環境を整えて快適に過ごせるようにするには
「せつび」の出番が必要となるのだ。



室内の温度が快適範囲から外れているのならば、
暖め、あるいは冷やす。

現象としては、どこからか室内に熱エネルギーを運んでくる、
もしくは室内の熱エネルギーをどこかに捨ててくる、
そういう事になる。



湿度が不快域にあるのであれば
加湿し、あるいは除湿する。

室内空気中に水分子を気体の形で補給するように
さまざまな方式による加湿装置を設け、
あるいは余計な水分子を除去すべく、
排気、吸着などの手段を講じる。



臭気、二酸化炭素濃度、粉塵濃度に不都合があるならば
換気という手段により空気そのものを入れ換え、
もしくは浄化して、それらを許容範囲内に収めるようにする。



これらの機能を果たすために、
外壁を貫く、さまざまな「せつび」が存在していて、
熱を、物質を、空気を、
さまざまな方法によって運搬している。



とある施設の外壁。


21091301.JPG



窓の上に並ぶ丸い板は、
換気口に設けられた防風板である。

目視でその別を判定しづらくはあるが、
給気口あるいは排気口として、
外界と室内との空気をやり取りするための貫通孔である。



窓と窓との間の下部には
おそらくFF式温風暖房機用と考えられる
給排気トップが並ぶ。


室内空気質調整のための換気に資する孔ではなくて、
燃焼式暖房機用の燃焼空気を取り入れ、
燃焼後の廃ガスを排出するための孔である。


あの小さな部材のうちに、
外気取り入れ口と排気口とが設けられていて
しかもそれらがショートサーキットしない造りになっている。



更には、壁掛で並ぶ、エアコンの室外機。


室内に設置されている室内機とセットとなっていて、
それらの間を、HFC冷媒用の配管で接続してある。

室内を暖房する際には、
屋外空気中の熱エネルギーをこの室外機にて回収し
室内に送り込む。

寒い、冷たい外気から更に熱を搾り取って、
外よりは暖かいであろう室内を更に暖めようとする。

熱を低いところから高いところに運ぶので
「ヒートポンプ」と呼ばれる。

冷房の際には逆で、
室内の余計な熱エネルギーを冷媒で回収して屋外に運び
大気中に捨てる働きをする。



「こういう換気フードを、見せたくないんだ」

「室外機を並べちゃったらみっともない」



そう考えるなら、室内と屋外とを結ぶシステムを変えて
外壁に並ばないような方式にしなくてはならない。


あるいは、屋上へ。

あるいは、裏面へ。

あるいは、少し離れた換気塔へ。


もしくは、空気熱源ではなくて、
水熱源のヒートポンプにするとか。



外壁に、何らの「せつび」も見えないとすると、
それらは別の場所で、別の形で屋外と室内とを連絡している。

当然、費用は余計にかかるのだから、
建設費を安く上げたいなら、目につく設備が並ぶようになるし、
カネに糸目をつけなければ、それらが目につかないようにもできる。


設備の沙汰も、金次第なのである。
(「外壁に並ぶ設備は必要なのか」おわり)
posted by けろ at 10:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月12日

フラッシュバルブが大きく見える

多目的トイレにあった、小児用小便器。


21091201.JPG


ちっちゃな小便器に対して、
フラッシュバルブは普通のサイズ。


いやむしろ、押し釦が押しやすいように大きくなっていて
普通のものよりも少々大きなものになっている。



だから、相対的に、
すごく大きなフラッシュバルブに見えてしまう。



普段あまり意識していないようでいて、
モノの形や大きさはある程度把握していて
それは絶対的なものというよりも
相対的な捉え方をしているのじゃぁないか、

そう思ったのである。
(「フラッシュバルブが大きく見える」おわり)
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2021年09月11日

設備と管理 2021年10月号

いろいろな理工学関係の書籍を出版している 株式会社オーム社 で
設備と管理 という、設備系の雑誌を発行している。


tit_setukan.png


そこに、ワタクシ けろ の記事が掲載されることになった。



決して多くはない、当ブログの読者の方々にとっては
驚き以外の何物でもないのではないだろうか。

こんなのが、載るの? って。 すいません。
とにかく先にお詫びしておこう。


ご覧の通り、学術的でもなく、高尚でもなく、
ただただ「せつび」を眺め、愛で、楽しむだけの
ブログを書いているに過ぎないのだけれど、
お声がけ(メールで)を頂戴した次第。

で、なんか興味が湧いてしまって、受諾してしまった次第。

いろいろ見てブログを書いているのも楽しいのだけれど、
雑誌に記事を出してみるのも、別の楽しさがありそう。

そういう面もあった。



このブログ文面はPCモニターで見る前提であって
一文が短く、改行が多く、細切れである。

この記事のような体裁では、
誌面としてはいささか不適当であるので
文体も含めてブログとはちょっと違う構成になっている。



文章も写真も、原稿用の書き下ろしなので
ブログとは異なるものが掲載される。


よって、ブログ読者の方々にとっても
「見たことある写真」ではないはずである。

(まあ普通に見られる設備ゆえ、
 似たようなものはあるだろうけれど)



10月号が、10日発売のはずだ。


拙稿はともかく、
設備に関わる方々にとって有用な記事が多々あるのだから
購読されると大変参考になるはずである。


今どきだから、Amazonほかで、電子版 も購入できる。

「置場に困る」という方にとっては、電子版はすこぶる助かるはずだ。



専門雑誌ゆえ、大量出版のものと比べて少々値が張るところではあるが
公的機関によって行われる半強制的に参加せざるを得ない講習会、
しかも本省のちょいと偉い人がテキストをただ朗読しているだけの講習会、
下手すると、朗読している動画を会場で皆で見るだけの講習会の参加費に
数千円を取られることを思えば、それほど高いとも言い切れまい。

毎号でなくとも、特集記事で気になる号だけの購入というのもアリかも。
(ワタクシは、そんな購読者であったのだけれど。すみません)


ちょっと(じゃないね)宣伝めいたことも書かせていただいた。

せっかくお声がけいただいたのだし、少しは貢献させていただかねば。



他の記事には、それぞれ立派な方々のお名前が記されているのだけれど、
拙稿については「せつび観察家 けろ」の名義にさせていただいている。


業界の片隅で、ひっそりと設備に関わるワタクシとしては、
このくらいが丁度よいのではないだろうか。

編集長に無理を申し上げ、ご了解いただいたところである。



というわけで、紙版でも電子版でも、まずはご購読いただければ。


拙稿に関して、ご覧になった方がどのような感想を持たれるのか、
少し気になるところではある。

ま、気にしたからと言って、
皆さんのご感想をワタクシがどうこうできるわけではないからして
このブログ記事のごとく、
己の興味関心の趣くまま書き綴るしかないのである。
(「設備と管理 2021年10月号」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備と管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする