いろんなブランドの店舗が、そこいら中にひしめき合っているかのよう。
結構な田舎に行っても、たいていある。
そんな、コンビニ。
しかし、歯科医院はそれ以上にあるとも言われて いて
かなり競争が激しいのだなぁと驚いたりして。
いやだが、本日のテーマはコンビニなのだ。歯科ではなく。
何やかや、コンビニは利用する。
あのコーヒーは、コスパがすこぶるよろしい、と思う。
まあ喫茶店という店舗には、そもそも「飲む」という事以上に
「滞在する」という価値があるのだから
金額だけで優劣をつけるべきものでもないのだが。
消費税増税前は、各店で競ってイートインコーナーを作り
集客を図っていたものだ。
そして、そこであのコーヒーを喫すれば
なんちゃって喫茶店として結構なコスパなのであった。
Wifiつながるところもあるし。
けど、軽減税率云々の駆け引きの結果として
せっかくの投資が無駄になった店舗がそこここに。
そして更にコロナ禍が追い打ちをかけ、
デッドスペースと化している店舗を多数みかけるようになった。
各店舗は、そのチェーンごとにひと目で分かる看板や内外装、
商品のラインナップで特徴づけられるのだが、
裏側にまわると、その違いはあまり見て取れなくなる。
右隅にちょこっと写っている三色が無ければ、
どのチェーンの店舗なのか、判別できないのではなかろうか。
店舗調理スペースの排気は、屋上まで立ち上げてある。
外壁からそのまま出してしまうと揚げ物やら何やらの匂いがたちこめて
鰻屋よろしく集客につながるかもしれないけれども苦情も来そうだ。
フツーの換気は、そのまま深形フードから行っている。
狭いところに、FF式の給排気トップがくっついている鉄箱。
その裏の消火器や灯油タンクが示すのは、
灯油焚きの温水ロードヒーティングを行っているということだろう。
現代のコンビニは、駐車場を確保してこそである。
積雪に埋もれてしまって車両が入ってこれなくなると
売上機会の喪失に繋がる。
と言って、ワンオペ、ツーオペのアルバイト店員が必死で除雪したのでは
店舗業務が回らなくなる。
近隣の重機所有業者に除雪を委託しても良いけれど、
ドカ雪が降ったときにはどこでも早く除けてほしいから
この店だけが優遇される理由もなし。
となると、スイッチオンだけで動く温水ヒーティングが適していると言えよう。
積雪期だけの稼働なのだけれども、
必要なものは必要なのである。
屋上には、各種室外機。
冷暖房エアコン用のものだけではなくて、
冷蔵ショーケース、業務用冷蔵庫・冷凍庫の分もあるから
結構な台数が乗っかっている。
これも、敷地に置くか、壁掛けにするか、屋根に置くか、
いろんな制約のもとで何とか最善を考えたのであろう。
屋根に置くと場所を取らずに良いのだけれど、
ドカ雪が降った際にも簡単に除雪しに行けないという難点がある。
雪に埋もれ、しかし陽は当たる、しかも氷点下の日が数日続くと
室外機全体が氷結しかねない。
だからほんとうはすぐ異常を見つけて雪を払ってあげられる位置のほうが
望ましいのだけれど。ま、「せつび」の都合なのだが。
チェーン店の店舗は、ゼロから設計しなくても良いように、
ある程度規格化された標準図的なものがあるのだろう。
けれども、土地の条件により、地域の気候により、
近隣の状況により、必ずしも標準どおりにはいかない部分があって、
そういうのを適切に調整して建てなければならない。
しかも、迅速に、格安に。
だから、多少気になる部分があったとしても、
仕方がないものなのだ。
このたぐいの建物には、完璧を求めるべきではないのだ。
そういう目的のものではないのだから。
多少の当たり外れは、仕方がないのである。
(「コンビニの裏側のせつび」おわり)