かつて、池田町と北見市とを結ぶ国鉄池北(ちほく)線が存在していたのだが
国鉄民営化に伴ってJRから経営分離され、
第3セクターの「ふるさと銀河線」として沿線市町村で存続を試みたものの
時代の流れには逆らえず、20年ともたずに廃線となった
その鉄道駅の跡である。
現地には、跨線橋と、わずかな線路のみ残されていた。
昔むかしの、鉄骨+木造の造りである。
ここだけが鉄道沿線であった名残を感じさせる。
銀河線時代の駅名看板も、だいぶ薄汚れてきていた。
ちょっとした年表が添えられている。
開拓期、人や資材の運搬手段が馬車しか無かった頃に
鉄道の役割はたいそう大きかったのだ。
しかし、自動車の発達、道路網の整備、過疎化、少子高齢化などにより
鉄道本来の長所を活かせる場面は無くなり、
実用交通としての廃止は已む無しという状況に追い込まれた。
これも時代の流れ。致し方ない。
鉄道は「輸送」以外の新しい目的を創造し、
体験型観光の一部として生き残る道を探るような状況であろう。
現在は駅舎ではなく、道の駅 が建っている。
形状を見るに、
なかなか熱負荷の大きな建物のようである。
本別町は「まめのまち」である。
だから、町の公式キャラクターも「豆」である。
名前は、「元気くん」。
道の駅には、元気くんの石像も置いてある。
眉と目と口と手足のある「豆」なのだ。
見ただけじゃわからないって?
だから、これが何なのかわかるように
背面に刻んであるのだ。
大都市圏を除くと、
鉄道はもはや文化遺産に近い。
現存の路線も、
この先どのくらい存続するものかもわからない。
だから、乗れる時に乗っておきたいものである。
「そのうちに、機会があれば」
なんて言っていると、気がついたときには無くなっているのである。
「親孝行、したい時には〜」なんていう川柳と同様かな。
いや、そこまでの恩も義理も無いんだけどね。
(「本別駅跡」おわり)