2021年08月31日

札幌芸術の森美術館

北海道の道都、札幌市の南区に
芸術の森 という場所がある。



工芸、陶芸、クラフト、美術、音楽など
いろいろな芸術の拠点として造られた場所である。


隣接地には 札幌市立大学デザイン学部 のキャンパスも立地していて
総合的なアート・エリアとなっている。



当然の如く美術館も存在している。

札幌芸術の森美術館
札幌芸術の森野外美術館
佐藤忠良記念子どもアトリエ

などの展示施設があるのだが、
ゆえあって 美術館 のほうに行ってきた。



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前面に水面を配した造りで、
「森」と呼ぶだけあって豊かな緑と(時々クマも出没するという)
青い空、白い雲、美術館それぞれが水面に映り
透明感を醸し出している。



池に沿って歩くことができるようになっている。


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手は入れているようだが、築年数に応じた古さを感じなくもない。



メインエントランスを入って、展示室に向かう通路は
両側をガラスで覆われた渡り廊下型式になっている。


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冬は、寒いだろう。

だから、ガラス上部の折り上げ天井部分から
温風が吹き出すようにでもしれあるに違いない。



見てみたら、ほら。


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間接照明とともに、ブリーズラインが配してある。

そうじゃないと、ガラスが結露して外が見えにくくなるだろうし。



ガラス越しには、先ほどの池を見ることができる。


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反対側は砂利敷の中庭になっていて
この部分にも展示物を配することがあるようだ。


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撮り忘れたけれども、
展示用の出入り口とか、展示物電源用の分電盤とか
そういうものもしっかり設けられていた。


今どきの展示物は、電源を必要とするものも少なくないだろうから。



エントランスの脇には、小展示室もあるのだけれど、
そこは明るくて、天井面が良く見えた。


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グリッド状に配した天井仕上材に合わせて、
でっかいノズルや照明器具、スピーカーなどが
きれいに配置されていた。



「美術館」は、一級建築士試験の製図課題として
ときどき題材となるものだ。

展示品以外にも見どころがいろいろあって、楽しい。


展示品と建物そのもの、二度美味しい美術館は
ワタクシにとってコスパの良い施設の一つである。



事情がゆるすなら、
外周回りも見てみる。

だって、いろいろ置いてあるから。


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ずいぶんと頑丈そうで背の高い、
コンクリート製の基礎というか架台というか。

その上の鋼製架台や、電源ボックス、スリムダクト、
防雪フードなど、見るべきものが多い。


この製品は「ズバ暖」であった。

三菱電機の寒冷地向けエアコン である。

気温の低い冬期の外気から無理やり熱エネルギーを搾り取って暖房できる
そんなエアコンだ。


各社、寒冷地向けエアコンの開発に力を入れていただいたおかげで
今や北海道でもエアコンだけで冷暖房がまかなえるようになった。

(それでも、氷点下20℃に達するような地域では、ちょっと厳しい)



三菱電機なら「ズバ暖」だけれども、
ダイキンは「スゴ暖」
日立の場合は「メガ暖」
東芝では「暖太郎」
パナソニックだと「フル暖」

各社、よく考えつくものだ。
(「札幌芸術の森美術館」おわり)
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2021年08月30日

室外機と屋根

エアコンの室外機に、屋根は付けますか?


設計上、見込んでおくこともあるだろうし、
そんなもの見込まないこともあるだろう。



見た目は、室外機単体で置かれるよりも目立ってしまう。
費用だって、その分余計にかかってしまう。


じゃ、何のために屋根なんかつけるの?



強い直射日光が当たるような場所に設置される場合、
室外機が熱くなってしまうと冷房効率が落ちるから
日除けとして屋根を設ける場合がある。



積雪が多い地域の場合、
雪の荷重が室外機本体にかかって負担にならないように
設ける場合もある。



積雪が結構あって、なおかつ寒冷地であるような場合、
雪どころか氷の塊が建物の屋根から落ちてくるようなことがあって
そういう場合には室外機にも屋根がないと、すぐに壊れてしまう。
だから、保護のための屋根として設けたりする。



そんな屋根付きの室外機を、見つけた。


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架台で少し高い位置に据えてあるところを見ると、
ここでは冬になるとそれなりに雪が積もるようだ。


勾配のきつい屋根がかけてあって、
結構強度がありそうだ。


これなら、建物の屋根から雪庇が落ちてきたとしても
十分に防護できそうに見える。



エアコンメーカー(や、関連会社)製の既製品もあるし、
上の写真のように鋼材で製作するものもある。



ただ見ての通り、
設備屋は機能重視っていうか、機能だけにしか意識が行かなかくて
意匠的な素養が無かったりするので、
デザイン的には気に入ってもらえるようなものを盛り込めない。

(別に設備屋さんを貶しているわけじゃなくって、
 ワタクシの自認についての言及である)



だから、もしこういうのがお気に召さないのであれば、
このたぐいの架台は意匠担当の方が設計されることを
オススメする。


材料にしても、形にしても、色にしても、
外装デザインに沿った、
意図されたデザインの架台になることだろう。



どうです?


この手の屋外架台は、
建築(意匠)設計、建築工事にしちゃいかが?
(「室外機と屋根」おわり)
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2021年08月29日

軒天の大きな換気口

建物内には空気が必要で、
その空気も「換気」ということで入れ換えが必要で、
そのためには室内と屋外とをつなぐための通路が必須である。



外壁に汎用品の換気フードをつけることもあるし、
製作モノのウェザーカバーにすることもあるし、
ガラリという形のものをつける場合もある。


ただ、これらは外壁面に取り付けられるものであるために
意匠上の影響があるし、
雨風が吹き込んでくる懸念も無いわけではない。



だから、もしも軒天井部分があるならば
その面を換気口として使うことができて
おトクに感じられることがあるかもしれない。



結構でっかい軒天換気口を見つけた。



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厨房の換気か、外調機でも入っているか、
換気量が多いことがわかる。

100φや200φの丸ダクト程度じゃ
到底納まらない風量がここから入って、もしくは出ているに違いない。



でっかいけれども、
こうやって真下から見上げない限りは見えないから
大きい割に目立たない。

下を向いているから、雨風雪も入りにくい。


軒天があるならば、
有効に活用したいものである。
(「軒天の大きな換気口」おわり)
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2021年08月28日

冷媒管を通す場所が無かった

床置形のエアコンが、
柱を背に置いてあった。


下の方に、何やら不思議な形の箱が作ってあった。


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そう。


この箱の中に冷媒管とドレン管を通して、
外壁を貫通させて、
室外機につなげているんだな。



何せ、背面は柱だ。
そのまま穴を開けるわけにはいかない。



左側は、窓だ。


だからやっぱりそっち側にも通せない。



となると、ここをこうやって通すのが
何となく格好がつく形だったんだろう。


箱を丈夫に作っておけば、
何ならモノも乗せられる。


乗せるには中途半端なサイズではあるけれど。



いっそ、右に見える建具幅まで
棚みたいに作ったら良かったんじゃないかな。



ま、後からなら、第三者は好き勝手な事を言える。



この時、この設計をした人にとっては、
この施工をした人にとっては、
なかなかイケてる計画だったんじゃないだろうか。


むき出しで被覆銅管を通して、
何かが引っかかって破いてしまうよりも
ずっと良いのだから。
(「冷媒管を通す場所が無かった」おわり)
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2021年08月27日

何のスイッチ?

とある浴室に、見慣れないスイッチ。


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「お湯」「水」って書いてある、ワイドスイッチ。



「これは、何ですか?」



「ああ、これね」 ポチっと。



ドボボドボドボ………。



大きな浴槽の縁についているバス水栓の吐水口から
流れ出す、水と湯と。



そうなんです。


水・湯張り用のスイッチだったんですね。


これを押すと、電動弁が開くようにしてあるそうで。



言われてみれば当然っちゃ当然の方法なんだけれども
この手の施設で見たことが無かったもので。



どう見たって後付けなんだけれども、
いちいち浴槽縁まで行って蛇口を捻ってっていうのが
かなり不便だったようだ。


業界にある程度の期間関わっていて、
ちまちまと狭い世界の中でやっていると
柔軟な発想が失われてしまっていたんだなぁ、と独り言つ。



まだまだ「せつび」は良く出来るってことだろう。


ついつい決まりごとのように、「いつもの」計画をしちゃうよね。
そのへん、気に留めておかなくちゃ。
(「何のスイッチ?」おわり)
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2021年08月26日

足寄の豚丼

足寄動物化石博物館 の斜め向かいに
あしょろ庵 っていうのがあって、
せっかくなんで、十勝豚の豚丼を食べようかと寄った。



普通の豚丼も十分に美味しそうだったのだけれど、
「特製 道産もち豚使用」って書いてあった特上が魅力的に見えて
頼んでみることにしたのだ。



注文して待つこと暫し。



来たっ!



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最初、持ってきた器を見てびっくり。


鍋かと思ったよ。


蓋を開けて、ちょっと安心。

この鍋みたいな器に満載だったら
とても食べ切れたもんじゃなかったね、と。



ただ、じつはそれは錯覚なのでした。


味噌汁の椀は、普通のサイズ。


あまりにも丼がでかいから、
盛りが小さく見えただけなんだ。


飯の量も、肉の量も、結構あった!



ま、世の中大食の方も多くおられるから
これでも物足りない人はいるんだろうなぁ。



ワタクシは、完食できたけれど腹一杯!


食べログなんかには「こんなもんか」なんて意見もあったけれど
とても美味かったです。


今度行く機会があったら、
2人前を3人で食べるくらいがいいかな。
(「足寄の豚丼」おわり)
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2021年08月25日

足寄動物化石博物館

北海道足寄(あしょろ)町に、動物化石博物館 がある。

日本語では「動物化石」と表記されているけれど、
英文表記では「Museum of Paleontology」であって、
直訳すれば古生物博物館ということになる。


敢えて合わせなかった理由は、
きっとどこかにあるに違いない。



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ここには「フォストリーあしょろ」とも書いてある。


さて、「フォストリー」って、何?

説明が書いていないので、よくわからない。

fossil + story ってことなのかなぁ?



デスモスチルスの復元模型みたいなのだけれど。


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ただしこれは当初の復元案で、現在は歩いていたのではなくて
水中を移動していたのではないかということだそうだ。



アプローチが、何か化石っぽい感じ。


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極めて主観的な感じ方でしかありません。



コンクリートの塀と、博物館外装との対比。


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トップライトが、特徴的になっている。



足寄町の位置、わかりますか?


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北海道の中央より東寄り、
空港なら、帯広空港が一番近いだろうか。



束柱類の化石が展示されている。


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柱が束になったような歯を持つ化石なのだけれど、
現生の動物に同じような形態のものが居ないので
何を食べていたかは謎であるという。

不思議な生き物が居たものだ。



日本列島が大陸の一部だった頃の化石なんだという。


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誰がどんな研究によってこのように唱えたのか
きっと詳しく調べればわかるんだろう。


見学者としては「へえ、そうなんだ!」と見るしかない。



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主たる展示室は、この空間。


天井中央が光っているのは、前の画像にあったトップライト部分である。

展示物に直射日光があたるようだが……良いのか?

ダメなら遮光しているはずだから、きっと良いんだろう。



いろんな骨が置いてあるが、すべてが化石というわけではない。

レプリカもあるし、現生の動物の骨格標本もある。



地質学的には比較的新しい年代のものから現代のものまでであるから
古生代の本物の化石のような厳重な管理をする必要性が乏しいのかもしれない。



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デスモスチルスは、当初は陸を歩いていると考えられ、
そのような復元模型が作られていたのであるが、
いろいろな説の変遷があって、
現時点では水中で暮らしていたものと想定されているという。

復元模型案がどのように変わっていったかがわかるように
展示されている。



現生の生物の骨格標本は、たとえばこんなやつ。
浜に打ち上げられていた死体を処理して運んできたという。


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骨だけを見て、何のものかわかるだろうか?



もしも現在このような生物が居なくて
この骨が化石で出てきただけであったとしたら
なかなか生きていた時の姿を推定するのは難しそう。



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軟部組織は失われてしまうから、
こんなにでっかい頭部があるとは気づけないんじゃないだろうか。



となると、骨格だけを見て想像していた古生物が
実はかなり異なる形態であった、なんていうことが
まだまだ残されているのかもしれないなと思ってみたり。



コロナの影響で、
この類の施設に訪れる人は全世界的に激減していることだろう。

学術的・文化的には、何とか存続して欲しいし
公共の施設であればそれなりの予算措置を取ることであろう。

民営だと、かなり厳しい場所もあって
実際に閉館に追い込まれたところも決して少なくはなかろう。


せめて、コロナ明けの暁には
せっせと巡りたいものである。


コロナ下であったとしても、
場所によってはほぼ貸し切り状態であるから
それなりの注意すれば訪問は差し支えないところも
多いのではないだろうか。



その加減が難しいし、結局各自の自己判断になってしまうから
(そしてその判断基準は個々人で皆異なるから)
全面閉鎖を求める人も居るだろうし、
もっと多く人を呼んでも良いのではないかと考える人も居るだろう。



政府や自治体、医療機関、各職種などで
本当のところは誰にもわからない。

たぶん何年かを経た後に、
結果としてアレが良かった、アレがダメだった、という見解が
出てくることだろう。


感染拡大防止対策にしても、
ワクチンの効果や副反応などについても、
ひとまず現時点ではこう言えるだろうということと、
実はそうじゃなかったと後から判明することなど
全知全能の神じゃないんだから、誰にもわかりゃしない。

そんな中で、各自が己の考えや信念や確信や思い込みなどに基づいて
行動し、あるいは他を非難し、時として攻撃している。


ま、それもわからんでもないんだけれど、
自信満々で発言している人がいたとしても
その信憑性については正確に判断しようがない。


今、自分が接している情報に基づいて、
自分なりに判断し、行動していくしかないのである。

「判断しない」とか「気にしない」なんていうのも含めての「行動」である。



ともかくも、事情が許すようになったら、
ぜひ足寄へ!
(「足寄動物化石博物館」おわり)
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2021年08月24日

井戸水を使う

とある場所で、
浅井戸ポンプで汲み上げた井戸水を、飲料水として使う。


水質はすこぶる良い。


ちょっとしたフィルターを通して微細な砂粒などを除去するだけで
水道水として供給できる。



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昔むかしの手押しポンプの頃と同様の感覚で使える。



でもたいていは、深井戸でも掘らないと
それほど良い水は出ない。


水が出ても、鉄分やマンガン分が多かったり、
ヒ素など有害物質が含まれていたりすると、
相応の装置を導入して除去・浄化することになって
ものすごく費用がかかる話になってしまう。



自治体で上水道を整備するなら、
それはそれで結構な建設費と維持費がかかる。



きれいな水が、ふんだんに使えるというのは
とても恵まれている事なのである。


水資源の豊かな日本だけれど、
いつまでこの状態が保存されるかな。
(「井戸水を使う」おわり)
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2021年08月23日

コンビニの裏側のせつび

ほんとうにたくさんある、コンビニ。

いろんなブランドの店舗が、そこいら中にひしめき合っているかのよう。

結構な田舎に行っても、たいていある。
そんな、コンビニ。


しかし、歯科医院はそれ以上にあるとも言われて いて
かなり競争が激しいのだなぁと驚いたりして。


いやだが、本日のテーマはコンビニなのだ。歯科ではなく。



何やかや、コンビニは利用する。
あのコーヒーは、コスパがすこぶるよろしい、と思う。


まあ喫茶店という店舗には、そもそも「飲む」という事以上に
「滞在する」という価値があるのだから
金額だけで優劣をつけるべきものでもないのだが。



消費税増税前は、各店で競ってイートインコーナーを作り
集客を図っていたものだ。
そして、そこであのコーヒーを喫すれば
なんちゃって喫茶店として結構なコスパなのであった。
Wifiつながるところもあるし。

けど、軽減税率云々の駆け引きの結果として
せっかくの投資が無駄になった店舗がそこここに。


そして更にコロナ禍が追い打ちをかけ、
デッドスペースと化している店舗を多数みかけるようになった。



各店舗は、そのチェーンごとにひと目で分かる看板や内外装、
商品のラインナップで特徴づけられるのだが、
裏側にまわると、その違いはあまり見て取れなくなる。



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右隅にちょこっと写っている三色が無ければ、
どのチェーンの店舗なのか、判別できないのではなかろうか。



店舗調理スペースの排気は、屋上まで立ち上げてある。
外壁からそのまま出してしまうと揚げ物やら何やらの匂いがたちこめて
鰻屋よろしく集客につながるかもしれないけれども苦情も来そうだ。


フツーの換気は、そのまま深形フードから行っている。


狭いところに、FF式の給排気トップがくっついている鉄箱。
その裏の消火器や灯油タンクが示すのは、
灯油焚きの温水ロードヒーティングを行っているということだろう。


現代のコンビニは、駐車場を確保してこそである。
積雪に埋もれてしまって車両が入ってこれなくなると
売上機会の喪失に繋がる。

と言って、ワンオペ、ツーオペのアルバイト店員が必死で除雪したのでは
店舗業務が回らなくなる。

近隣の重機所有業者に除雪を委託しても良いけれど、
ドカ雪が降ったときにはどこでも早く除けてほしいから
この店だけが優遇される理由もなし。

となると、スイッチオンだけで動く温水ヒーティングが適していると言えよう。


積雪期だけの稼働なのだけれども、
必要なものは必要なのである。



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屋上には、各種室外機。

冷暖房エアコン用のものだけではなくて、
冷蔵ショーケース、業務用冷蔵庫・冷凍庫の分もあるから
結構な台数が乗っかっている。


これも、敷地に置くか、壁掛けにするか、屋根に置くか、
いろんな制約のもとで何とか最善を考えたのであろう。


屋根に置くと場所を取らずに良いのだけれど、
ドカ雪が降った際にも簡単に除雪しに行けないという難点がある。


雪に埋もれ、しかし陽は当たる、しかも氷点下の日が数日続くと
室外機全体が氷結しかねない。
だからほんとうはすぐ異常を見つけて雪を払ってあげられる位置のほうが
望ましいのだけれど。ま、「せつび」の都合なのだが。



チェーン店の店舗は、ゼロから設計しなくても良いように、
ある程度規格化された標準図的なものがあるのだろう。

けれども、土地の条件により、地域の気候により、
近隣の状況により、必ずしも標準どおりにはいかない部分があって、
そういうのを適切に調整して建てなければならない。


しかも、迅速に、格安に。


だから、多少気になる部分があったとしても、
仕方がないものなのだ。


このたぐいの建物には、完璧を求めるべきではないのだ。

そういう目的のものではないのだから。


多少の当たり外れは、仕方がないのである。
(「コンビニの裏側のせつび」おわり)
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2021年08月22日

庁舎外壁の換気口

庁舎などを訪ねると、外壁もついでに見てくる。

正面だけじゃなくって、わざわざ側面にも回って。


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いや、何の変哲もない壁なんだけどさ。

でも、見たからって何も減りはしないよね。



換気フード(フード付ベントキャップ)が並んでいる部分は、
水周りだろうか。トイレとか、湯沸室とか。

一番上の階だけに小さめのフードがあると、
通気管の頂部かもしれないなんて思ったりする。

意味深な汚れが垂れていて、想像を掻き立てる。



結構目立つ、接地埋設標も、ポイントが高い。

色あせてしまって、存在感が薄れて、
刻印されている文字も読めないようなモノもある中で、
これだけ離れていてソレとわかるなんて、優秀じゃないか。



裏口側は、せつびの人間としては必見だ。


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空調機械室か何かの一角であろう。

1階のドア上部のガラリのほか、
各階に防風板付のガラリが並んでいる。


微妙に大きさが違うのは、
必要な外気取り入れ量が違うから
律儀にそれぞれ必要寸法にて造ったからであろう。

改修やら何やらあるんだから、
どうせなら同じ大きさに、大きいやつに合わせても
良かったんじゃないだろうか。


なんていうのは、せつび側の都合なのであって
あまり好まれない考え方なのかもしれない。



あと付けらしい、職員通用口の風除室は
さて、果たして延床面積に参入されているかどうか。

こういうやつとか、ピロティ部を居室に造り換えるとか、
台帳に記載されている床面積と整合しない場合がある。

当初建築時の図面に無かった床面積が発生しているのに
各種書類における記載面積は変えてないまんま、って。


たまーに、別棟のはずの建物が渡り廊下で接続されていたり
屋上に増築されていたり、
まあいろいろ事情のありそうな建物をみかけるから。


そういうの(建築完了検査が終わってから勝手に増築)を
勧める建設業者とか設計事務所とかが、居るとか居ないとか。



ちょっとした増築なら、建設業許可も建築士免許も不要だから
そのへんがユルユルになっちゃうのも仕方ないのかな。



ま、そんな建築の事情はともかくとして、
正面以外の外壁面には「せつび」がしっかりと存在感を放っているのだ。


せっかく放っているんだから、
それを見て、しっかと受け止めたいというのが
ワタクシの様態なのである。
(「庁舎外壁の換気口」おわり)
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2021年08月21日

Uダクトかな

どんよりとした夕暮れ時、
だいぶ年数を経たと思われる、集合住宅の脇を通りかかった。


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フード付ベントキャップなどというものが使われるようになる前の建物。



屋上から、煙突様のモノが生えている。


あれは、何?



暖房用の集合煙突、かもしれない。



でも開口部が3ヶ所ある。
ただの集合煙突なら、1ヶ所で良かったはず。



じゃあ、何だろう。


中に入っていないからわからないけれども、
1つは各住戸のストーブ用の集合煙突として、
あと2つは給湯器用のUダクトかもしれない。


今どきのようなFF(強制給排気)式の優秀な給湯器が無かった時代、
FE(強制排気)式の壁掛給湯器を洗面所か台所脇に置いて、
その裏になる部分に各階住戸兼用のDS的なものを造っていた時代があった。


ただの煙突状だと排気の流通が悪いから、
上部2箇所に開口を設け、下部をつなげた「U字形」のDS、
「Uダクト」などと呼ぶ縦の構造があったのだ。



そんなやつ、かもしれない。

でも違うかもしれない。



または、昔はUダクトとして使っていたけれども
現在は何も接続されておらず使用されていない、
ということもあるかもしれない。



令和3年の一級建築士試験の「設計製図の試験」の課題は
集合住宅 ということなのであるが
こんな古いタイプのものを描いちゃ、だめなんだろうね。
(「Uダクトかな」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月20日

並ぶスイッチ

何でもかんでも、スイッチやリモコンで操作する。

操作する対象がいろいろあると、

壁面が賑やかになってくる。



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何がなにやら。


初見では、わからなくなりそう。


左からエアコン、照明、換気、放送、換気、の順だろうか。



タブレットで 全部まとめて操作できるように なんていうものも出ているけれど
わかりやすさ、単純さが無いと、ぱっと見使えないかもしれない。


スマホで操作できたり、遠隔で操作できたり、というものも出ているけれど
それを乗っ取られたらどうなるんだろうとか、
設定変更や接続・解除は簡単にできるんだろうかとか、
イマイチ簡単さに欠ける気もする。


今は過渡期かな。
(「並ぶスイッチ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月19日

長沼町の高木記念館

北海道長沼町 に、
高木記念館という建物が保存されている。


それは 北海道長沼高等学校 の敷地内にあって
白い外壁が青い空に映える、そんな建物である。

なぜか、北海道の高校は「北海道立〜高等学校」と称さずに
「北海道〜高等学校」と呼ばれるようだ。
歴史的経緯 があったのか、無かったのか。



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だいぶ年季が入っている感はある。

また、いろいろな部分に手が加えられていることもわかる。



小さいから目立たないけれども
白く塗られた換気用のセルフードがついているのもわかる。

あれは、当初の建物には当然無かったはずのものである。



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階段を上がって、入り口がある。

今だったらバリアフリーの観点からあり得ないけれども
浸水や腐朽から建物を守るために
床面を地面から上げて造るのが当たり前であった当時は
普通のアプローチであった。



「であった」なんて書いているけれど、
そんな時代にワタクシは存在していないから
全部伝聞でしかない。


町教委による説明文には、こうある。


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大正12年築の旧役場庁舎であって、
しかもその「2階部分」なんだそうだ。

1階部分は、保存するほどの価値が無かったのか、
予算その他大人の事情なのか、
あまりに朽ち過ぎていて仕方なかったのか、
その経緯については書かれていない。



建築当時は、おそらく薪か石炭のストーブにより
暖房していたことであろう。

けれども現代はむしろそれらの調達が大変であるし
取り扱いの難もあるから、
移築に際して灯油ストーブを取り付けたものと思われる。


なぜなら、タンクが屹立しているから。


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脚の錆び具合から見ても、
相応の年数を経ていることがわかる。

長沼町は内陸部に位置するため、
潮風による腐食ではないのだ。


ずいぶんと長足だねぇ。


仕方がないのだ。

これだけ床面が高い建物の暖房機器に灯油を供給するなら
タンクはこの高さにしないと自然流下で到達できないのだ。

さもなくば、オイルサーバーにて揚油してやらなければ
ならなくなるのだ。

そんなに多量の電力を要するわけではないけれども
自然流下で供給できるなら、それに越したことはないのだ。

そんなわけで、こんなに長い脚となっているわけである。



重心が高いので、これを留めるアンカーやコンクリート基礎も
それなりの強度を持ったものにしてやる必要がある。

短い束石を埋めただけじゃ、
ひっくり返ってしまうから。



学校の敷地内だから、
無断で出入りすることはできない。

校門を入って駐車場脇にあるから
物理的には用意に到達できるけれども、
正当な理由なく立ち入れば「不法侵入」に該当する恐れがある。

なので、気になったとしても無闇矢鱈に見に行くことはできない。



えっ? ワタクシは?



学校に用事(お仕事でんがな)があって訪れたので
不法には当たるまいて。



でもさ、せっかくこうやって保存してあるんだから、
せめて案内のWEBページくらい作ればいいのに。

そして、見学案内でも載せておいて、

「ご見学の方はご自由にお越しください。ただし
 校地の他の部分へのお立ち寄りはご遠慮下さい」

くらい書いておけばいいのに。

そしたら、仕事のついでじゃなくて
目的地としてじっくり見に行くこともできるのに。


なんて、好き勝手なことを書いてみたりする。
(「長沼町の高木記念館」おわり)
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2021年08月18日

鋳鉄製の放熱器は消えゆくのか

すっかり目にすることが少なくなった
鋳鉄製の放熱器。


蒸気暖房自体がどんどん減っているから
当然と言えば当然。



でも、たまに目にすると嬉しいものだ。



21081801.JPG


トイレの暖房として、随分と立派なモノがついていた。


五細柱700Hの床置形なのだが、転倒防止のために壁からも支持を取ってある。

足回りを中心に、だいぶ錆びてきているようだ。



21081802.JPG


数えてみると、29節が連結されている。

結構な放熱量になりそう。



右側の管から低圧蒸気が入ってきて、
ここで放熱して凝結して湯になり、
左下の放熱器トラップで還水のみ分離されて
恐らくどこかに置いてある真空給水ポンプへと引かれていく。

そこから還水槽へ送られ、
ふたたび蒸気ボイラで加熱・気化されて
全館へと送られていく。

そんなシステムになっているはずだ。



今でも 作っているところ があるんだね。

使っているところがあるのだから、
修理や更新の需要がそれなりにあるのだろう。


必要放熱量に応じて、節の数を選定 する。

カタログには三細柱とか二柱とか壁掛とか書いてあるけれど
一通り生産しているのだろうか。
そんな事はなさそうな気もする。



五細柱700Hだと、1節あたり 8.7kg ということだから、
29節で 252.3kg。

かなり重たい放熱器である。



どうだろう。


こんな立派なやつ、身近にあるだろうか?



上から後ろ側を覗いてみる。


21081803.JPG


壁にアンカーを打って支えてあることがわかる。


この金物だけはキレイだから、
耐震改修などに合わせて後から追加したものだろう。


250kg超のモノが倒れてきたら、
無事じゃ済まなさそうだから。



別の壁には、12節の放熱器がついていた。


けれど、随分と錆びてしまっている。


21081804.JPG


転倒防止金物と放熱器トラップだけがキレイ。

そこだけ取り替えていることがわかる。



本当なら、放熱器本体も錆取りをして
ペイントし直したかったところだろうけれど。

なにぶん、費用がかかることだし
見送ってしまったんだろう。



はんぶん産業遺産的な位置付けになりつつある、
鋳鉄製放熱器。


見られるうちに、よく鑑賞しておこうじゃないか。
(「鋳鉄製の放熱器は消えゆくのか」おわり)
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2021年08月17日

後付け音姫

『音姫』って、知ってますか?


乙姫、じゃないよ。


トイレでの排泄の音を、流水音や音楽なんかで誤魔化すやつ。



日本人特有の感覚を元に作られていて、
諸外国ではそんな音は気にしやしないよ、と耳にしたことはあるが
実際の所どうなのかはワタクシは知らない。



ともかく、日本のトイレには
それがついていることもある。



元々ついていなかったブースにも
増設されていたりなんかする。



さあ、あったよ。


21081701.JPG



お断りしておくが、
ここは女子トイレではある。

ワタクシは男ではあるのだが
れっきとした調査のために入っているのであって
断じて不法侵入などではないのだ。

このトイレを改修する計画にあたり、
現況を調査する必要性があってのことである。

くれぐれも、通報しないでいただきたい。


いや、ホントなんだから。


ちゃんと、施設管理者の許諾のもと、
関係者数人で立ち入ってるんだから、
誰にも文句を言われたりイチャモンつけられたりする
筋合いではないのであるっ!



はぁ、つい気合が入ってしまった。

何かって言うとすぐ突っかかってくる御仁もおられるので
念のため注釈を入れて置いたほうが無難じゃないかって。


そういう時代なんだから、相応の防備はしておかなくちゃ。



さてそれはともかく。


音姫のための電源が無いので、モールで電源ケーブルを引っ張ってきて
なぜか2口の露出コンセント。

ああそうね。最近は、携帯の充電したいもんね。
っていう意味かなぁ。


それに、わざわざコーナーに折れるタイプのプラグを挿して使ってる。
標準装備じゃないよね? わざわざ付け替えてるよね?

なんか、だらしない感じになってしまっているのが惜しい気がする。



ドア下の中央にある床上掃除口も、あまり好きじゃない。

掃除口が嫌いなんじゃなくって、その位置が気に入らないっていうことなんだけど。

わざわざ人が踏む位置に付けなくても良かったのに、って。



21081702.JPG


ちょっと前の時期の音姫かな。点字付。

文字の説明が結構長い。

最近はピクトグラムなんかで感覚的に見てわかるようになりつつあるけれど
音姫の説明は難しいかな。

こういうモノの存在を知らない外国の方が入ってきて
いきなりシャワシャワと音が鳴ったらびっくりするだろうな。



後付であっても電源ケーブル直結で良かったんじゃないだろうか、
という疑問が拭えない。

どんなもんでしょ?



ちなみに、「音姫」はTOTOの商品名である。

一般名称として「擬音装置」などと命名されている。
(「後付け音姫」おわり)
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2021年08月16日

倉庫の有圧扇はペアで

倉庫のシャッターを、ガラガラっと開ける。


仄暗い庫内だが、上部の窓からの明かりがある程度差し込んでくる。

時間的に、方角的に、直射日光が差し込むでもなく
照明器具はやはり点灯せずにはおれない、そんな感じ。



と、窓と窓との間に
有圧換気扇がはめ込んである。


21081601.JPG


電動シャッターがついていて、外壁面には防雪フードが生えている。

下から見上げると小さく見えるけれども、
それなりの大きさの有圧換気扇であるはずだ。

3,000m3/h とか 4,000m3/h とか、
フツーの換気扇じゃ出せないような排気を担っているに違いない。


あんなに高い位置にあるのだから、
ガードは不要じゃないかって思うのだけれど、
じつは必要だった理由があるのかもしれない。


何の予備知識も無い初見では、理由がわからず困惑してしまう。



同じ有圧換気扇が何台もつけられている。
だから、排気だけであるはずはない。

シャッターが内外の気圧差でひん曲がってしまうかもしれないし。



じゃあ、広い倉庫なんだけれども対面を探してみようか。

いろんな物資がうず高く積み上げられているから、
見つかるかな?



あった!


21081602.JPG


奥のほうで暗いんだけれど、
確かにあったね。


ボックスにフィルターが入っているようだから、
給気用の有圧換気扇のはずだ。


片流れ屋根だから、こちら側は天井が少し低めになっているみたい。


物資が天井面近くまで積み上げられているから
やっぱりガードは必要なんだろう。


ん? でも人は上がらないよね。

フォークリフトで持ち上げるだけだよね。


フォークリフトから有圧換気扇を守るには、
あのガードじゃ足りない。


人は上がらないから、あのガードで防ぐ必要はない。



やっぱり、わかんないや。ガードの設置理由。


じつは、深い意味なんて、無いのかもしれない。

結構あるんだ、そういうコトも。
(「倉庫の有圧扇はペアで」おわり)
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2021年08月15日

石山緑地は凝灰岩公園だ

札幌市の南の方に 石山緑地 と称する公園がある。


開拓当時の石切場の面影を残す公園 として造成された公園である。



今でも札幌市内や周辺地域に多く見られる「札幌軟石」を切り出していた場所の一つを、まるごと公園にしてあるのだ。



あちこちで接道しているので、どこが正面入口かと問われると
難しいところかもしれないが、
メインエントランスっぽい構えのある部分があった。


21081501.JPG


ここで採れる石を主とした構えが、立派である。

石山緑地、札幌市、と彫り込んである。



文字は墓石のようにカッチリと彫ってあるのではなくて、
ドット画っぽく表現してある。


21081502.JPG


近づいてしまうと、却って判別しにくくなる。



せっかくの石畳なのに、
それ用の化粧マンホール蓋なのに、
目地を合わせて嵌めていないところが
商売上気になったりする。


21081503.JPG


なんでよ。



「石山」公園なのだが、公園(の半分だけ)の模型は
鉄板で作られていた。


21081504.JPG


石だとすぐ欠けてしまいそうだし、
軟石だから、こういう細かな細工には適していない
ということなんだと解釈した。


等高線に沿って厚紙を切って重ねていく、
「立体地図」を作ったことがあるだろうか。

あの雰囲気になっている。



広場にある、カナル。


21081505.JPG


訪れたのは春先なのだけれど、
夏になるとここに水を流すのだそうだ。


子どもたちの水遊び場となるのかもしれない。



ここの軟石は、支笏火山の火砕流を元にした
溶結凝灰岩であるという。



ガッチリ固まっているため、石材として切り出され
各所の建材として利用されている。


21081506.JPG


上のほうは降り積もった火山灰が堆積し固まった凝灰岩。
風雨によって徐々に削られ、少しずつ形を変えていることであろう。



上部から土が落ち、そこから木が芽を出して
花を咲かせるに至ったりしている。


21081507.JPG


この公園に面して、平屋の老人福祉センターが建っている。


そしてさり気なく「熊注意」の貼紙。


21081508.JPG


人口190万人を超える札幌市だけれども、
近年市街地にまで熊が出没するようになってきているという。

シカやキタキツネは前から結構出ていたようだけれども
熊はそれほどでもなかったはずなのだが。


市街地の拡大、気候変動、生態の変化、などなど原因はあるだろうが
ヒトにとっても出てくるクマにとっても、
鉢合わせは不幸なことに違いない。



街灯の根巻きのような形で
軟石が配してある。


こういうのは、フツーの造園屋さんの発想じゃないよな、
と思ったらやはり 造形集団 CINQ のデザインである と説明されていた。



庭園灯も、洒落てると思いません?


21081509.JPG



地下鉄の真駒内駅からバスに乗るか、
レンタカーで行くか、
それほど便利な立地ではないけれども
行ったらきっと面白いはずである。


でもとにかく、どこに行くにも
コロナにカタがついてからじゃないと
難しいかな。
(「石山緑地は凝灰岩公園だ」おわり)
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2021年08月14日

岡女堂は生産地で

「岡女堂」をご存知だろうか?



「豆屋」を名乗っている、岡女堂である。




明治維新前の安政2年にぜんざい屋として創業した後、
甘納豆屋を代々続け、豆全般を扱う店として現代に至っている。


昭和の終わりに、それまでの所在地であった神戸から、
豆の生産地である北海道十勝地方の本別町に工場を建て
現在に至っている。



今でこそ「地産地消」という言葉が普通に使用されるようになっているが
当時はそういう概念がまだ薄かったのではないだろうか。


そんな時期に、時代を先取りした岡女堂なのであった。


21081401.JPG


岡女(おかめ)堂なので、イラストも「おかめ」である。


平成の元号を丸々過ごした建物は、
それなりの年季を感じさせるものとなっていた。


国道側はあとから整備したので、比較的キレイである。


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工場直営の売店が開いていて、
各種豆製品を購入することができる。



豆を蒸したりするボイラーか何かであろうか。


三連の煙突が、可愛く並んでいた。

21081403.JPG


片流れ屋根の軒先で
思いっきり雪で破損しそうな位置ではあるが
そうだ、十勝は積雪が少ないのであった。

気温はかなり低くなるけれども。


豪雪地であれば、
煙突は妻側に出さざるを得ないから
レイアウトに制約が生じる。


何ごとも、地方それぞれの事情に影響されるものだ。



流通の優れた現代とはいえ、
産地ですぐ加工される豆製品の数々は
やはり美味い。


このご時世出歩きにくいけれども
通販 もやっているから、
お取り寄せによって、せめて現地の味を堪能してみては
いかがであろうか。



運んで下さる流通関係者には
有り難いとしか言いようがない。
(「岡女堂は生産地で」おわり)
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2021年08月13日

足寄町役場のチンアナゴ?

足寄(あしょろ)町 役場に行く必要があった。


この役場庁舎は 2006年に建てられたもので
もうかれこれ15年を経ている。


21081301.JPG


かなりの寒冷地なのだけれど、
こんなに一面のガラスで、寒くないだろうか?


真冬に行ってみないと、わからないね。



21081302.JPG


築15年ということだけれど、そんなに古びた感じはしなかった。


21081303.JPG


ピロティが庇の代わりになっている。


2階側面には、横に細長いガラリ。反対側にも写っていた。

この面に市販の換気フードでは、意匠的にイマイチ、という
判断だったのだと思われる。



さて、役場の中に入っていくと、
床からチンアナゴが生えていた。


21081304.JPG


正確には、チンアナゴのような丸ダクトが生えていた。



ちょうど集成材の梁に隠れてしまっているけれど、
1階系統のアナゴと2階系統のアナゴの2本が
床面から堂々と生えているのである。



頭部を見てみる。


21081305.JPG


空調の吹出口、なんだろうね、たぶん。


画像が暗くて見づらいけれども、
空気の流れが可視化されるように、細いヒモが貼り付けてあった。



2階の建設課のカウンターに、
マンホールの模型が置いてあった。


21081306.JPG


ここでマンホールカードをもらうこともできる。


町内には「ポケふた」もあるようだ。


一緒に置いてあるパンフには

「ようこそ! 松山千春のふるさと足寄町へ!!」

と書いてある。



この記事を読んだのを機に、
足寄町に行ってみてはいかがであろうか。


このチンアナゴを見に、とか、

松山千春の家 を見に、とか、

マンホールカード をもらいに、とか、

ポケふた を撮りに、とか、

動物化石博物館 を見に、とか、

ラワンぶき に埋もれに、とか。
(「足寄町役場のチンアナゴ?」おわり)
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2021年08月12日

今でも和風便器を設置したいって?

トイレの改修案件が来ることがある。

毎年たいてい1つ2つは、やってくる。

そこで不思議に思うこともある。



「和風便器は1ヶ所ほしいなぁ」



そういう意見が、必ず出てくるのだ。



昔は、和風便器とか両用便器とかあったよ?


でも今どき、自宅に和風便器がある人は
かなり少なくなったんじゃないかなぁ。



古い家だって、そこに居るじっちゃばっちゃの足腰に悪いってんで
洋風便器に変えてるよね?



そんな中、なぜに和風便器を新設するん?



もちろん、設備設計者としてはお施主さんのご意向は
無下にはできない。


ご説明はするけれど、最終的にお決めになるのは
やはりお施主さんなのであるからして。


それで、和風便器を盛り込むこともたまにある。

さすがに、多くはないけれど。



古い便所を改修するってんで、
まずは古い和風便器を撤去する。


21081201.JPG


陶器を取って、モルタルも取り除くと
スラブに四角い孔が並んで開く。


それにしてもスラブ厚いなぁ。

昔むかしの湿式便所だったから、
分厚いシンダーコンクリートも含めて
こんな厚さになっちゃってるんだ。



縦管の鋳鉄管も、見る機会が減ってきた。



21081202.JPG


上の階で作業をする人が落っこちたら大変だから
ちゃんと板で塞いであるんだけど、
スラブ断面を見ると、めちゃくちゃじゃない?


鉄筋のかぶりとか、ピッチとか、ぜんぜん変だし
バツバツ切られちゃってるんだけど、
この辺全く引っ張り強度出ないよねぇ。



古い建物だと、こういうのは時々みかける。
「ザラにある」という肌感覚があるけれど、
あんまり不用意に下手な事は言えないよね。



耐震診断なんかで構造計算をしてるようだけど、
たぶんこんな配筋になってる前提では計算かけてないよね。


てことは、「耐震性がある」という計算結果は
机上の空論でしか無いのか……?

その辺り、非常に曖昧だなぁ。現状は。



さてこの開口部は、和風便器の撤去に伴って不要になるから
本来あるべき位置に鉄筋を差し筋して、コンクリートで塞いで
床の強度を確保しようとする。


元の配筋がこんなだから、何とも心もとない面もあるけれど
少なくとも穴埋めした部分は、周辺よりも丈夫になるはずだ。



結構な重量がかかるから、
コンクリートが固まるまでちゃんと下から支える。


21081203.JPG



ほとんどの和風便器は洋風化する。
それに伴って、トイレのレイアウトも一新する。

不要となった和風便器用の開口部は塞ぎ、
新設する洋風便器用の給水管、排水管の通り道には
孔をあける。



なんだけど、やっぱりここでも1ヶ所、
和風便器のリクエストがあったのである。



レイアウトが変わったから、既存の孔は使えない。

だから、新たにスラブに大きな四角い孔を開けることになる。
今どきだから、それなりの補強を込みで。



TOTOのカタログでもすっかり扱いは小さくなったけれど
一応まだ売っている。
売る程度には、需要があるということなのだろう。



21081204.JPG


ブースに対して、妙に奥についているなぁ。


そう思うかもしれない。
出来上がりを見れば、そう思わざるを得ないだろう。


どうやら、ドアと便器との間に梁があって、
ちょうどブースの真ん中になるような配置ができなかった、
ということのようだ。



設計図にも乗っていなかった小梁が
下階の天井を剥がしてみたら出てきた
……そんなことも、たまに無いわけじゃない。



予想のつかない「びっくり」が、
現場には溢れている。

だから、設備改修は面白いのである。



……大変だけどね。
(「今でも和風便器を設置したいって?」おわり)
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