2021年07月18日

雨水管内の凍結防止ヒーター

寒冷地の雨水管には、凍結防止ヒーターが設置されることが多い。

管内がひとたび凍りついてしまうと、
凍結膨張による管破裂が起こり得る他に
雨水の排水がうまくいかなくなることによる
建物内の漏水の心配が出てくるから。



立体駐車場内でも、それを見かけた。



21071801.JPG



主管の他に、枝管にもヒーターが入っているのがわかる。



配管全体を暖める必要はない。

管内の水みちだけ確保されれば良いので
配管の外から巻くタイプのヒーターではなくて
配管内部の挿入するタイプとなっている。



電源は、コンセントから。


枝管側と主管側とで、異なるタイプのコンセントが使われている。
通電状態で光るランプがついていると、
故障による通電不良や分岐ブレーカーの入れ忘れに気づきやすくなる。



このヒーターは、冬期間ずっと点きっぱなし、というわけでもない。

自己温度制御式で、温度が下がった時にだけ通電する。
温度も、凍結しない程度を維持できれば良いので、
触って暖かいようなものでもない。

だから、無駄はあんまりないはずだ。



それでも、地球温暖化に少々貢献してしまうのは確かであって
でもそれは仕方がないことで、
寒冷地に建築することのコスト(金銭的にも、環境的にも)に他ならない。



建築物省エネ法の計算上、凍結防止のために使用するエネルギーについては
除外して良いことになっている。

飽くまで「現状では」ということで、
凍結防止の省エネルギー性について適切な評価ができるようになれば
算入されてくることになるかもしれない。


その道の研究者がどのくらいいるか、
どのくらい研究され、成果が上げられるかに
かかっているような気がする。


無茶苦茶暑い日本列島ではあるが、
もしも寒冷地を訪れる機会があれば
そこが冬期にどのようになっているかを想像しつつ、
このような「凍結防止設備」を探してみると
面白いはずである。
(「雨水管内の凍結防止ヒーター」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする