2021年07月31日

壁面にある掃除口

トイレの背面に、ライニングが設けられていることがある。


そのライニングの中には、給水管や、時として排水管も
納められていたりする。



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おお、給水管も2系統入っているね。


上水と、雑用水だ。



上水は、洗浄便座に使うため。
人体に触れる水だから、飲用適である水質で供給する。


雑用水は、人体に関わりない用途の水。
大小便器で洗浄するための水は、別に飲める水質である必要はないから。

あとは、散水とか融雪(凍結しない地方は)とか。



飲むことのできる上質な水で汚物を流すなんて、
勿体ない……という捉え方も当然できるし、

上水と雑用水とを分ける場合には、
給水設備が2系統になるのだから
単純にコストも2倍近くなっちゃうじゃないか。
そういう考え方もできる。

直接カネに関わることだから、
ぼやっとした「環境」とか「省エネ」とかいう観念よりも
切実に考える人(建主)も多いに違いない。



さて、ライニングの右側の方に
銀色のフタのようなものが。



普通は、これは床面についている。

床上掃除口 として。

でもそれを壁面につけている例も、たま〜に見かける。

ライニング内に排水管を通す場合には、
壁面に掃除口を取り付けることになるわけだ。


もしくは、ただの点検口としての位置付けであるかもしれない。


実際のところは、開けてみないとわからない。


掃除口を開けるためのハンドルも売ってるから、
設備屋さんや設備設計事務所には備えてあるだろう。

ビル管理会社も、かな。



設計事務所には無いだろ、って?


そうかな。無いかな。無いかもね。


少なくとも、ウチにはある。

だって、必要じゃん? 古い建物で管内を調査するには。
(「壁面にある掃除口」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(2) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月30日

樹脂製の擬木

公園なんかで、擬木 なんか、見たことはないだろうか。



ほんとうは木で作りたいんだけれど、
木だと傷みが早いしだんだん見た目汚くなってくる、ってんで
木に似せて作った「何か」のこと。
それが、擬木。



古い公園や、頻繁には手が入れられていなさそうな観光地などでは
鉄筋コンクリート製の擬木が使われていたり する。



けれど、最近は樹脂モノが多くなってきたように思う。



加工のしやすさ、色の付けやすさ、軽さ、劣化しにくさなどを考慮すると
樹脂製のほうがメリットが大きそうな気がする。

値段はわからないけれど。



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接続部が、もうちょっと何とかならないんかなぁ。


木肌もイマイチだから、
まあ、こんなもんか。



でもだんだんと、
よりリアルに近い製品が出てくるんだろうな。
(「樹脂製の擬木」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 土木工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月29日

浄化槽の機械ボックス

公共下水道が無い場所に、
給排水を要する施設を設ける際には
その排水を浄化槽によってキレイにしてから
河川や湖沼などに放流する。


そのまんま垂れ流し、などということはない。


たいていは、目立たない所にひっそりと
設けられているものだ。



それでもある程度大きなものになると、
否が応でもその存在に気づかざるを得なくなる。



え?


オマエは、どんなにちっこくても、
目ざとく見つけてしまうじゃないかって?


まあ、そうなんですけどね。

話の流れなんだから、茶々入れないでもらえます?

って、誰も突っ込んじゃいないんだけれど。



さて、地中に埋設されている浄化槽を
何を以て それ であるかを判別するかって?



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見ての通り。

浄化槽上部には、
たくさんのマンホールやらマシンハッチやらが
並んでいるのだから
かなり容易に見つけることができるのだ。

たいてい、近くに水回り(公衆便所とか、観光案内所とか)が
あるものだし。



そしてここには、
制御盤、ブロアポンプ、ひょっとすると薬液注入ポンプなどが一体となった
機械室をキュービクルに納めたような、そんなハコが鎮座していた。



盤の上方には「汚水処理制御盤」とその名を明快に言い表しており、
下方には「株式会社ハウステック」と少し控えめに
製品提供者の名が記されている。



ひょろりひょろりと伸びる可撓電線管の他に、
金属電線管らしきものと、左隅にはブロア管らしきものが
見えたりなんかする。



近くに建屋があれば、
そちらに納めてもらっても良いのだろうけれど
ここでは別置きになっていた。



建築物本体と外構との整備時期や発注形態の関係上
そうするのが最も妥当であった、ということなのかもしれない。



海、湖、川、山、原野などなど
いかにも公共下水道がなさそうなところを狙って
探し歩いてみようか、浄化槽を。
(「浄化槽の機械ボックス」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月28日

檻の中の室外機

君は、大切にされているんだろうか。

だから、守られているんだろうか。

不届き者が、君を連れ去ってしまうことがないように。




それとも君は、虐待されているんだろうか。

だから、囚われているんだろうか。

逃げ出してしまわないように。




あるいは君は、存在が恥だと思われているんだろうか。

だから、隠されているんだろうか。

その醜さが、人目に触れることがないように。



たぶん、そのどれでも無いんだ。



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木質の外装材に、君の装いが少々不釣り合いなものだから

少し引っ込めたところに置いてあげようとして、

外壁と同じ面には似た色の建具をつけてやろうと気を遣われて

金属建具を充てがわれたものだから

却って目立つ羽目になってしまった、

そんなところかもしれない。



例によって例のごとく、

真相は不明である。



不明であるからこそ、好き勝手な想像を膨らませて

妄想にふけることが出来るのだと言えよう。



いちいち説明するのも野暮ってもんだ。



ピクトグラム・パントマイムで

ラケットを落としたのはミスなのか演出なのかって、

少〜し煙に巻いておいたほうが、なんとなく小洒落た感じがするのと同じように。
(「檻の中の室外機」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月27日

質感による色の違い?

公園の中に、ちょっとした建物。


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木質の外装と、窓のようにも見える太陽光パネルが目立つ。


近寄ると、換気用のフードが多数見られる。


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フードは指定色塗装品となっているのだけれど、
木質外装材と合わせた色ではなくて
明るめになっている。


木材と金属との質感の違いからこうなった?
と一瞬思ったけれども、そうではなさそう。


敢えて狙ってこの色にしてあることがわかる。



建具の枠とは、色を合わせてあるようだから。


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軒天は白く、屋根や笠木は濃い色にしてあるから
意図された配色であることがわかる。



なぁるほど。



今どき、色見本なり色番号なりで選べるわけだから
「質感の違い」を気にしなくてもだいたい大丈夫そう。



誰がこの色を決めたのかな。


統括設計監理者?


発注者?


施工者ってことは、無いよね。


設備設計者が決めることも、基本的に無いけれど。
(「質感による色の違い?」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月26日

吹抜空間まわり

とある建物の、吹抜空間まわり。


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吹抜け部分は竪穴区画なので、
全周に防火シャッターが設置されている。


柱脇に据えてある、縦型の温水パネルヒーターが
結構ギリギリの位置についている。

ただ、シャッター閉鎖には問題無いようだ。



パンフレットラックも、支障のない位置に置かれている。
が、地震時にこれが動いたり倒れたりして
シャッターの下に挟まると、
「防火」シャッターの役目を果たせなくなる気がする。

どんなもんだろう?



シャッターがたくさんついているので、
天井点検口もたくさん必要になるから
ズラッと並んでいるのがわかる。



床面には、仕上材の目地に沿って
床吹出口が並んでいる。


フリーアクセスフロアとなっているようだ。


どこかに、床吹出し用のエアハンが
隠されているに違いない。


吹抜空間に沿って並べることで、
下からのエアカーテンのような効果が
多少なりとも期待できるのではないだろうか。



吹抜け周りの設備計画には
「これ」という定形があるわけじゃないので
工夫のしがいがある。

うまくいけば、とても嬉しいことだろう。
(「吹抜空間まわり」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月25日

網戸だけじゃあ足りない

サッシの隙間に、違和感を覚えた。


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窓と網戸との隙間に、テープが貼ってある。


もちろん、網戸は開けられない。
開けてもらっては困る、そういうことだ。


ネズミ一匹どころか、虫一匹も通さない、
厳重な隙間処理である。



なぜ?



テーブルの上に、
説明文をラミネート加工したものが置いてあった。
ガムテープと一緒に。


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「手付かずの自然の中にある施設」ゆえ、
虫が、とくにカメムシが侵入してくるから、
そういうことなのであった。



「虫出たくらいで、いちいち騒いで従業員を呼びつけないでね。
 自分で取ってちょうだい」


ぶっちゃけ、そういうことなんだろう。



そうそう。



すっかり都市化された場所に住んでいる人にとっては
ムシたちが我が物顔でやってくるのは非日常なんだろうけれども
やつらの生息域に割って入っているのはヒトなのであって
ヒトこそが邪魔者であったりするのだ。


それが嫌なら、自分で何とかする。

または、それらの生息域から出ていく。



それしか、ないのである。



オロフレ荘、明治32年からあるっていうんだから、
北海道内としてはかなり由緒あるところだ。


登別温泉から、更に奥地に入ったところに存在する。



北海道発の 国民保養温泉地 に指定されたところだともいう。

こういうリストを順に訪れてみるのも
一つの楽しみ方であろう。
(「網戸だけじゃあ足りない」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月24日

送水口、忘れてた?

通路脇に、送水口が立っていた。

建物外壁のすぐ脇に。


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改修で、あとから付いたわけではないだろう。

見るからに、新築。
ホームページには、2017年完成、と書いてある。



壁埋め込み型の送水口 にすれば、
通路を多少なりとも狭くせずに済んだのではなかろうか。


そうしないで、敢えてスタンド型にした理由は何だろう?


決して、「敢えて」ではなかったのか?


じつは送水口が必要だということについて
統括設計者がまったく把握していなかった、とか?


消火設備の設計図には描いてあっただろうけれども
一級建築士や、設備設計一級建築士の記名押印がある図面であっても
そのあたりは気づかれていなかったんだろうか?


1階の躯体を打設し終わった段階で、
これが設置されることを認識したので
埋め込みにすることができなかった?


送水口が設置されて初めて「うおっ!? こんなん、ついたん?」って、
気づかれることとなった?



真相はわからないけれど、
いろんなストーリーを想像するのは
楽しい(時として、苦しい)かもしれない。
(「送水口、忘れてた?」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月23日

松山千春の家のロケセット

北海道足寄町には、『松山千春の家』がある。

実際に縁者が住んでいるという家の他に、
彼の実家が再現された、古い木造家屋が保存されている。


映画『旅立ち〜足寄より〜』 のロケセットとして使用されたという。



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劇場公開が2009年というから、
撮影後十数年を経て更に老朽化が進んでいる。


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北海道足寄町は、北海道の内陸部にあって
夏は暑く、冬は寒い、しかも相当寒い土地であるという。



吹雪ふき荒れる、氷点下20℃を下回るような中で、
隙間だらけのサッシと、断熱も入っていないであろう板張りの壁。


家の中でもモノが凍る、そんなところであったろう。


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木柱に取り付けられた電灯も、おそらく仄暗く
雪中ではことさらに冷え込みを強調したことであろう。



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雨漏りが酷くなったからなのか、
屋根にはブルーシートが貼り付けてあった。



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何本も建てられた、煙突。
各部屋にストーブを置かないと、とても寒くて居られないだろうから。

軒側の煙突は、
屋根からの落雪により度々破損しているんじゃないだろうか。
雪割りなどの措置がまったくないのだけれど。


外壁にちょこっとついている電力量計はとても小さい。

今のように50Aとか60Aなんていう容量じゃないからね。



古い時代の建物を見ると、
現代の建築がいかに優れているか、
居住環境がどれほどに向上したのか
痛切に感じざるを得ない。


意匠、断熱、遮熱、構造、設備、電気すべての領域で
驚異的な発展を遂げているのである。



今の時代の日本人が
かつてのこのような住宅で過ごすとなると、
果たして生存を続けられるのか?
というレベルの話になるかもしれない。



100年後の人類が現代の住居を見て、
やはり同じように感じるだろうか?


感じるかもね。



スマホも携帯も無い30年前のことなど、
今の中高生には信じられないだろうから。
(「松山千春の家のロケセット」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月22日

軒天に並ぶ換気口

とある建物の、ピロティ下部。


屋外回廊的な場所で、上には軒天井がはられている。


その面に、制気口が並んでいるのであった。


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恐らくは、換気用の外気取り入れもしくは排気のための
通風口なのである。



ファンコイルユニットの吸込口のような大きさと形状だけれども
軒天についているのだから、ファンコイルなわけはあるまい。



それにしても、たくさん並んでいる。


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外壁にずらずらと換気フードを並べるよりも、
または外壁面に大きな換気ガラリを設けるよりも、
外観に与える影響は少なくて済む。



ワタクシのように軒天換気口を見てほくそ笑み
撮影して全世界に公開しようなんていう輩は
そう多くはないだろうし。

そもそも、存在に気づかれることも少なかろう。



中にはちょいと変わった御仁もおいでだから、
天井内にこっそり潜り込んで居住しようなんていう人物がいても
その目的を達することがないように、
天井点検口は鍵付きになっている。

ダブルロックで、なかなか厳重だ。



この換気口、
こんな感じで出来合いのものを使うのがフツーなのだけれども、
これだけ数が並ぶんだったら、
何らかのデザインを企画してもよかったのではないだろうかと
まったく関係のない勝手な意見として
無責任にも思ってしまったりするものなのである。
(「軒天に並ぶ換気口」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月21日

オロフレ峠の春は

連日猛暑なので、少々涼しげなものにしてみる。

北海道中央部、登別温泉から洞爺湖温泉へと抜ける「道道2号線」の途中に
「オロフレ峠」なる峠がある。

展望台 は、道道から分岐して少々離れているけれど
道道沿いにも駐車スペースが造ってあって、
それなりの展望を楽しめる場所がある。


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5月半ばの峠には、まだ雪が残っている。

どうです? 涼しげでしょ?



とは言え、路面にはもはや雪なぞ無くて、
山肌に少々残されている程度である。


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周辺では、まだ新芽が出ていない。

もう少し季節が下る必要がある。


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北海道室蘭土木現業所による、立派な「史碑」が建てられている。


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史誌が長々と刻まれていて、その偉業を後世に伝えている。


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昭和の末期になってようやく、
通年通行できる道路として共用されたようだ。

とは言っても、悪天候時などには通行止めになる。
吹雪とか。


このような地に、明治初期に私費を投じて開削したとは
ものすごい事であったと思うのだ。



碑の裏側には、当時のおエライさん方のご芳名が
しっかと刻まれていた。


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当時のお役人は、碑文の揮毫もできなくてはならなかったのか。
大変だぁ。


青函トンネルの抗口部にある「青函隧道」は
時の総理たる中曽根氏によるもの である。
軍人ではないから、このような形で名を残したいと
虎の皮の如くに願ったのかもしれない。



今でも、トンネルや橋のたもとには
関係した技術者たちの名が記されて いたりする。



5月中旬と言えば、季節的には一般的に夏と言って差し支えないことだろう。
大相撲だって、5月の場所は夏場所と呼ぶ。


けれども、南北に長い日本列島では
まだまだ春のはじめである地も、あるわけだ。


少しは、涼感を得ていただけたであろうか……。



なお、前述の展望台は、
まだこの時期は冬期通行止め期間中であって
見に行くことはできない。

もう少し季節が進まなければダメなのである。
(「オロフレ峠の春は」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 土木工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月20日

廊下にも暖房

廊下って、冬は寒いイメージが無いだろうか。


部屋に籠もって、コタツに潜って、
どてらを羽織って、みかんを食べる。


便所に行こうとすると、寒い廊下をスリッパ履いてパタパタと歩く。


そんな昭和な住宅は、だんだん見かけなくなってきているだろうなぁ。



住宅よりも大きな建物では、どうだろうか。



今どきの建物は、高気密高断熱だから、
非暖房室であったとしても、そんなに寒くはないかもしれない。


それでも、ちょっと古めの建物になると、
やっぱり廊下は寒い場所になっているのだ。


(こんなに暑い日の続く夏の話題にゃ相応しくないかも。
 っていうのは、ご容赦ください)


でも、そんな寒さを緩和させたい建物が無いわけではない。


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ホール部分に、温水パネルヒーターが設けられている。


すっかりその姿を消しつつある、カード式の公衆電話が
昭和感を誘う。

テレホンカードって、今でも売ってるんだろうか?



廊下部分も寒いはずなので、
それを緩和するための放熱器がついていた。


21072002.JPG


窓下に配するのがセオリー。



窓幅いっぱいにならないのは
費用の都合か、能力的に出すぎるからか、
梁など構造的制約か、
特に意味は無いか。


21072003.JPG


テプラで ローカ(1) と貼ってあって
個別管理がなされていることが窺える。

放熱器も、1台1台特定してリスト化しておくのは
必要だよね。本来は。



コーン形のサーモバルブが、かわいい。

そして、床から生える樹脂管(たぶん)。
太い鋼管でなくて済む流量であれば、
納まりはスッキリする。



廊下にも暖房放熱器が置いてあるのは、
日本列島のどのあたりからなのだろう。



「取材」と称して、列島を徐々に北上していく旅をしたら
楽しかろう。

それで収入につながるわけじゃないから
単なる散財になってしまうな。



いやいや、今どきはそれらを電子出版で写真集として出したりできるし
昔よりも収益化の手段は多々あるはずだ!


なんて妄想をかましていないで、
目の前のお仕事を1つ1つ片付けていくほうが
大切だよね。


でも、少し先を夢見るのも、大事だよね。
(「廊下にも暖房」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月19日

ダブルトラップやん

今日も、洗面台の下を観察する。

するったら、するんだい。


でもちゃんと、人の居ない時間帯に、
迷惑のかからないように撮っているのだから
構わないよね。


学術調査に近い位置づけなのだ。

なのだったら、なのだ。



興味関心や趣味も、いささか、若干、ごく僅かに
含まれているに過ぎない。



仕事が趣味なのか、趣味が仕事なのか、
とにかくも「せつび」に関わる仕事をしている者にとっては
必須事項と言っても過言ではないだろう。

え? 過言だって?

それは見解の相違ですな。



さて、気を取り直して
洗面台の下を見る。


3台の洗面器が並んでいるところである。


21071901.JPG


そんなに新しい施設ではないので、
何度か改修を繰り返してあるようである。


設備系についても、配管更新など
大掛かりにやってあるようだ。



壁面に露出で配された、給水管と給湯管。



主管から立ち上げてエルボで返してからアングル止水栓って
なかなかアクロバティックなワークじゃないか。


うん、うまい具合に配しているね。



と言いたいところなのだけれど、
この排水は、なんじゃらほい?



Sトラップと見せかけた、Pトラップ?

Sトラップの部材から、無理やり蛇腹管で壁に抜いている状態。

sp混成軌道かいな。

いやいや、そんな量子力学的存在じゃあないのであるが。



ちょいと、給水管を水平に流す位置が、高すぎたのだ。

もしくは、アクロバティック配管に固執しすぎてしまったのだ。

その結果、排水の取り合いに支障が出てしまったのだ。

それ故に、何とかして給水管を跨がなくちゃならないから
こんな苦しい納まりになってしまったのだ。



なんてこと、ある?



21071902.JPG



素直にPトラップで、いいじゃん。


何なら、S部材からエルボで返して水平に伸ばして
その高さで壁を抜けば、いいじゃん。


なして、S部材2個をつなげちゃう必要があるのさ?



蛇腹管がU字状にたわんでいるものだから、
ダブルトラップになってしまっとるやんか。


排水、流れにくくね?



自分の仕事じゃないところでこういうのを見かけると、
とってもたのしー。


好き勝手に茶々入れて、純粋に楽しんでいられる。


自分のミスでうっかりこんなことをやらかしちゃったら
気に病んでしまうかもしれないけどね。


そんなタマじゃないかなぁ。

素っとぼけちゃうかなぁ。

いやいや、そんなことは、ないはず。たぶん。恐らく。



ともかく、「せつび」は奥が深くって、
いろんなイレギュラーにも満ちていて、
それでも何やかや機能していて、
大きなトラブルにつながっていないことも多くて、
「たのしい」ものなのである。


ぜひ、この「沼」に嵌まる人たちが増えるといいのだ。



マンホールカード収集なんかも、入門としては手近であろう。

それはそれで楽しいのだけれど、
マニアックな設備沼にハマればはまるほど、
その楽しさは増していくものなのだよ。



ただ、時として、
いろんなイレギュラーが重大な事故につながってしまうことも
無いわけではない。


そう考えると、

「ほんとうにシッカリと教科書どおり・理論どおりに造られた
 完璧な建築設備」

なんていうものが、この世にあるんだろうかと
いや、1つだって有るはずがないだろう、と
そう思ってしまったりもする。


みんな一所懸命に設計し、施工し、監理し、検査しているんだけれどね。

それだけ、微に入り細に入り、複雑繊細なものなのだ。設備って。


それでいて、結構テキトーで、ちゃらんぽらんで、文字通り「良い加減」な
愛すべき「せつび」なのである。
(「ダブルトラップやん」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月18日

雨水管内の凍結防止ヒーター

寒冷地の雨水管には、凍結防止ヒーターが設置されることが多い。

管内がひとたび凍りついてしまうと、
凍結膨張による管破裂が起こり得る他に
雨水の排水がうまくいかなくなることによる
建物内の漏水の心配が出てくるから。



立体駐車場内でも、それを見かけた。



21071801.JPG



主管の他に、枝管にもヒーターが入っているのがわかる。



配管全体を暖める必要はない。

管内の水みちだけ確保されれば良いので
配管の外から巻くタイプのヒーターではなくて
配管内部の挿入するタイプとなっている。



電源は、コンセントから。


枝管側と主管側とで、異なるタイプのコンセントが使われている。
通電状態で光るランプがついていると、
故障による通電不良や分岐ブレーカーの入れ忘れに気づきやすくなる。



このヒーターは、冬期間ずっと点きっぱなし、というわけでもない。

自己温度制御式で、温度が下がった時にだけ通電する。
温度も、凍結しない程度を維持できれば良いので、
触って暖かいようなものでもない。

だから、無駄はあんまりないはずだ。



それでも、地球温暖化に少々貢献してしまうのは確かであって
でもそれは仕方がないことで、
寒冷地に建築することのコスト(金銭的にも、環境的にも)に他ならない。



建築物省エネ法の計算上、凍結防止のために使用するエネルギーについては
除外して良いことになっている。

飽くまで「現状では」ということで、
凍結防止の省エネルギー性について適切な評価ができるようになれば
算入されてくることになるかもしれない。


その道の研究者がどのくらいいるか、
どのくらい研究され、成果が上げられるかに
かかっているような気がする。


無茶苦茶暑い日本列島ではあるが、
もしも寒冷地を訪れる機会があれば
そこが冬期にどのようになっているかを想像しつつ、
このような「凍結防止設備」を探してみると
面白いはずである。
(「雨水管内の凍結防止ヒーター」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月17日

窓下の電気ヒーター

窓下の、巾木の上。


背の低い電気ヒーターが
そおっと取り付けてある。


21071701.JPG


家具を後から置くだろうことも考慮して
この位置、この幅にしておいたのだろうか。



たいてい、窓の幅に合わせておけば、
あまり干渉せずに済むだろう。



というか、
主目的は窓ガラス面からのコールドドラフト緩和なのだから
窓下にあるのが当然であり正解であるはずなのだ。



とは言え、これも費用がかかる話。

こんなものも設けることなく、
天井面に吊ったエアコンだけで済ませる例も、
ものすごく多い。


何ごとも、「先立つモノ」が無くては
話にならないのである。
(「窓下の電気ヒーター」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月16日

たくさんのスイッチ痕

もともと、たくさんスイッチ類が取り付けられていたところ、
「集中リモコン」に取り替えることによって
全体の運転制御・管理を行うことにしたのだろうか。


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物販店舗の、お客の目には触れないバックヤードだから
見た目にあんまりカネをかけたくなかったのだろう。


壁ボードを張り替えたり補修したりする費用も節約して
パネルを張って目隠しして済ませた感じ。



改修工事においては、
全体をキレイに仕上げられればなお良いかもしれないけれど
コストや効果を考慮して
節約できるところは徹底的にやる、っていうのも
なかなか清々しくて、良いんじゃなかろうか。
(「たくさんのスイッチ痕」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月15日

ちいちゃな便器と並んで

親子で入れるトイレブース、というものも
時々見かける。


普通の便器では
小さな子どもは落ちてしまうから
ちいちゃな便器を据える。


21071501.JPG


フラッシュバルブの大きさは同じだけれども。



大人用は、洗浄便座付き。
暖房便座でもあることだろう。



一方で、子ども用は普通便座(の、ちっちゃいやつ)。

冬は、冷たいかな。

暖房便座にしてあげたいところだけれど
どうだろう?
(「ちいちゃな便器と並んで」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月14日

木造の屋根は後付けか

建物屋根からの落雪があるような位置に
空調機の室外機が置かれることがある。


そして、落雪によってダメージを受けることがある。


一度そういうことがあると、
なんとか破損を防ごうとして
何らかのガードを設けるものだ。



21071401.JPG


ほお、

後から、木造の屋根を造り付けたかのように見える。


なかなかガッチリ作ってあるけれども
木材ゆえ表面が汚れてしまい易いところが
少々残念な点か。



鋼材で作られる屋根もあるけれど
こういう感じのものも、手作り感満載で
良さそう。

屋根上面は、鉄板かな。



冷媒管用のカバーを貫通させなければならない部分の鉄板を折り曲げて
仕上げてある。

元々は、真っ白に塗られていたように見えなくもないけれど
実際はどうだったのだろう。
(「木造の屋根は後付けか」おわり)
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2021年07月13日

駐車場の泡消火設備

駐車場の上部に、見慣れたものがある、と
感じられるだろうか?


21071301.JPG


駐車される車室の上部に配置されている
在車センサーと、消火設備の噴出ヘッド。


それらをつなぐ、ケーブルや配管。



駐車場の消火、泡だったり粉末だったりする場合があるけれど
ここのやつは、泡を採用してあるようだ。



だって、壁面にはこんな表示があったから。


21071302.JPG



防火シャッターのすぐ脇でもあって。
ほぼ同時に操作することができる。



同じ緑色のテープが巻いてあるから、
ここのレバーを操作すると、
さっきのヘッドから泡消火剤が噴出されるのである。


訓練で操作したことのある人は、どのくらい居るのだろう。


後片付けも大変だし費用もかなりかかるから
メーカーの人以外、ほとんど居ないだろうなぁ。
(「駐車場の泡消火設備」おわり)
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2021年07月12日

外壁面をどう使うか

外壁は、建物の内と外とを隔てるものでもあり、
内と外とのあいだで「何か」をやり取りする窓口でもある。


そのため、外壁面にはいろいろなものが
並ぶことになるのだ。


21071201.JPG


電波信号を受け取るためのアンテナ、
電気エネルギーを受け取るための引込線、
電話やネットの信号を受け取るための引込線、
空気を流通させるための窓、
同じく、換気フード、
降雪情報を得るためのセンサー、
などなどが並べられているのがわかる。



降雪センサー?



つまりは、積雪地なのだね。



となると、下の方に見えるものが
気になってくる。

というのも。


21071202.JPG


これって、FF暖房機の給排気トップだよね?



ずいぶん低い位置についているのだけれども、
積雪で埋まってしまわないのかな?

埋まらないように、頻繁に除雪をすることで良しとしたのかな?



それとは別に、
秋になって植物類が枯れたやつが
燃える事態にならないかどうかということも気になる。



さて、真相は如何に!?
(「外壁面をどう使うか」おわり)
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