漁川(いざりがわ)の中流域に
漁川ダム が存在している。
いざり と、発音が濁る。
北海道百名山の一つである漁岳(いざりだけ)(1,318m)を源流とする漁川は
このダムで堰き止められて えにわ湖 を形作っている。
ここには 取水塔 があって、水力発電も行っている。
管理事務所の電力を、これで賄っているという。
ダム堤体上流側には、石がゴロゴロ。
ロックフィルダム らしい姿である。
ダムのゲートは、建築設備でいえばバルブに相当するのだろうけれど
まったくもってスケールが違う。
下流側には土が被せられ、草木が植えられている。
ダムの管理事務所脇で、ちょうど桜が咲くところであった。
管理事務所外壁に並ぶ、監視カメラ、換気フード、灯油タンク。
ああ、これ撮ってるの、監視されてるよなぁ。
換気フードから垂れてる茶色のモノは何だ?
壁掛ロスナイがついてるってことは
なにかの小部屋がある?
ずいぶんちっちゃい灯油タンクだこと。
小部屋のFFストーブ専用かな?
冬は、雪で埋まってしまわないのだろうか?
いろいろと、目に留まる。
たいてい、ダムの管理事務所には
一般公開されている説明コーナーがあったりするものだ。
ダムの模型とか、役割(必要性!)とか
周辺の地形や生息する動植物とか、
PRビデオとか、そんなものが並んでいる。
小学生の校外学習なんかには利用されていそうだ。
「建築」の範疇ではないけれど、
ダムはダムでおもしろい。
スケールがでかいこと(でも漁川ダムは小さめ)、
周辺の山、川、木々の景観が良いこと、
そして、いつだってすいていること。
そもそも、人が大挙して押し寄せるような施設じゃない。
存在すら、あんまり知られていないかも。
でもそれによってもたらされる環境を
人々は求めるのである。
そんなところが「せつび」に通じるところがあるかな。
ダム本体よりも、
それによって形作られるダム湖と、
下流側に整備される公園、
それらが観光ガイドなどでも紹介される。
ダムサイト下流側にある桜公園で、桜が舞い散っていた。
訪れる人は、わずか。
コロナのことがなければ、
大勢の市民が花見(と称する焼肉パーティー)に訪れ
楽しんでいたところであろう。
禁を破っている人達は居なかった。
(もちろんワタクシも移動のついでに一瞬花を見に寄っただけだ)
さぁて、来年の春は
人が溢れる場所となるのかどうか。
その前に、秋の紅葉シーズンは
どう迎えられるのであろうか。
(「漁川ダムの景」おわり)