2021年06月12日

古〜い公園便所

むかしむか〜し、昭和の時代に建てたという公園便所があった。


造りからしてたいそう古く、イマドキのトイレとはかけ離れた
素朴な(?)トイレ。


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小便器には仕切板なんてもちろん無いし、
一応水洗ではあるけれど、新築では見ることのなくなった、押し釦式のフラッシュバルブ。


なぜか野球のボールが落ちているんだが。

しかもなんとなく、硬球っぽいんだが。



右のほうには、手洗器。


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ほんとうに古い、もうめったにお目にかからないタイプの
壁掛形手洗器だ。



すでにカラン(蛇口のこと)は取り外されていて使えない。
水も止めてあるんだろう。

管の中は、錆で閉塞してしまっているくらいの状態。



排水管は比較的細いから、蹴飛ばされて曲がってしまわないように
鉄板で保護してある感じ。



左下には床排水目皿が見えるけれども
当然にして「トラップ」に封水なんぞ残っているわけがなく
とうの昔に蒸発しきっていて
下水臭や微生物が直に上がってくる通用口となっているのじゃなかろうか。



壁の裏には配管スペースがあって
系統ごとに止水栓が設けられている。



大便器用のフラッシュバルブ装置は
本体を晒すと破壊される恐れがあったからか
ここに置かれていた。


21061203.JPG


電気式ではない、配管式の遠隔操作。



いかにもな、コンクリートブロック造の公園トイレ。



しかしもう、その役割を終えて、
やがて遠からず解体撤去されるのであろう。


あるいは、新品の便所として建て替えられるのか
あるいは、人口減少・少子高齢化・人材不足の波に乗って
そのまま廃止となってしまうか。


費用対効果や地元意見の収集や予算措置の優先度など
いろんな要素を考慮して誰かが作成した何らかの長期計画に基づいて
淡々と、粛々と、どうにかなっていくのである。


「せつび」は寿命が短い分、もののあはれ を感じやすいものだ。


美しく咲き誇って派手に舞い散る桜の花とは違って
最初から人の目にはあまり触れないものなのだけれど
だからこその美しさってやつも
あるんじゃないだろうか。
(「古〜い公園便所」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする