2021年05月31日

ピットの中の給排水管

トイレのピットに、潜ってみよう。



そこには、配管たちがたくさん並んでいる。


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ねずみ色のは、塩ビ管。
排水管として使用されている。


黒いのは、給水管。
鉄パイプなんだけれど、
結露して水滴まみれにならないように
保温材が被せてあって、更に防水布で巻いてある。

この黒い保温外装は、最近では使わなくなった。
こうやって、螺旋状に布を巻いていくのは
えらく手間がかかるし、時と共に緩んできたりするし、剥がれてきたりするし。

ピット内の排水管は、ふつうは保温しない。



配管吊金物が、サビサビである。
近年では、ピット内の吊金物はステンレス製とするけれど
これを造ったときは、そうじゃなかったようだ。



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床上についていた衛生器具の位置を思い出しながら、
衛生設備詳細図のコピーを片手に眺めながら、
配管ルートを追っていく。



まあたいてい、図面とは違う位置に通っているんだが。

1m以内くらいの位置ズレは、ご愛嬌。
繋がりや分岐なんかが違っていても、まあよくあること。

図面に描いてある管が全く無かったり、
図面に描いてない管がいっぱいあったり、
それだって驚くほどのことではない。


だから、現地は調査せざるを得ない。


床点検口が歪んじゃって開かないとか、
委託費出せないから調査不要とか、
そんな理由で調査無し・既存図面だけを頼りに設計積算せよとの指令がある場合には
後から文句言わないでね、とあらかじめ念を押しておかなきゃならない。

「図面が間違っている」と怒られても、困るんだから。



ピットの外周貫通部には防水処置がしてある。

あの壁の向こうは土だから、貫通部の隙間から水分が流入してこないように
布を詰めたりモルタルを詰めたり、いろいろする。
水密装置もあるけど、結構高価だ。



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場所によっては、排水管表面にも結露の水滴がついている。

ピット内だもの。湿気は高いよね。

だからこそ、金物類は錆びる、錆びる。

スラブ面まで湿っている感じなのは、なぜ?
上部床の防水がダメになっているかなぁ。



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電線管やプルボックスも一緒に通っているけれど
そっちもところどころ錆びている。

概して湿潤環境であるようだから、やむを得ない面もある。



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排水管は、勾配がなくちゃ流れていかないから
適宜うまく傾きをつけて配管しなくちゃならない。

基本的に45度、90度の曲がりの継手しかないから
それらを上手いこと組み合わせて、勾配を確保する。


系統ごとに水を止められるように
給水管のところどころには、バルブが取り付けてある。

どの系統のバルブか、わかるように札がつけてある。
ただバルブだけついていたってわかりゃしないから
絶対につけておくべき札である。



図面を見れば、わかるじゃんって?

図面が合っていれば、ね。



勾配が必要な排水管と
水が抜けるだけのちょっとした傾きだけあれば良い給水管とは
たまにお互いが邪魔になることがある。


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給水管の保温材に、排水管が食い込んでしまっている。


配管を先にやって、保温はあとから行うから
めり込ませた状態に仕上げるのである。


いろんな職種の方々が入り乱れるから、
調整が難しいところも多々あって。



だから、そういうことなくキレイに納まっている現場があれば
そこに美を感じ、感動を覚えるのだ。
(「ピットの中の給排水管」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする