配管が縦横に走っているのが見える。
粉末消火か、泡消火か。
接続されている放出ヘッドの数に応じて、
だんだん配管が細くなっているのがわかる。
鉄骨は製作段階で貫通を見越した孔があけてある。
ところどころ使用されない孔があったり、
管が梁下に通されていたり。
孔の位置や高さによっては、
配管を複雑に振り回して、その位置に合わせていたり。
ヘッド接続部の配管には、
色がつけられていることが多い。
ところどころについている放出用のコックのうち
どれを操作したらどの範囲に放出されるかが
見てわかるように。
でもなかなか、そんな所をしっかりと観察して判断して
操作する人なんか、居そうにない。
そもそも、この設備の存在を感知している人が
あまり居なさそう。
緊急時に、落ち着いて放出範囲を確認して操作できる人なんて
果たして居るのかどうか。
消火設備の多くは、「法律上設置することが義務だから」設けられているのだけれど
それが緊急時に正常に操作されるかどうかは
所有者や管理者に任されている。
まして、一般の人々への啓蒙活動は、ほぼ、無い。
学校や会社ビルの避難訓練で「逃げる」訓練をするのが関の山で。
屋内消火栓の放水訓練とか、
粉末消火設備の操作訓練とか、
やるとなると大掛かりになってしまうし、ね。
安くない費用をかけて設置している消火設備だからこそ、
イザというときに確実に操作できるようにしておくことも
大切なんだと思うのだ。
思うだけなんだけれど。
ビル、持ってないしね。
まあでも、せつび関係者くらいは
せめて構造と操作方法くらいは
頭に入れておくと、役に立つときが来るかもしれない。
来ないに越したことはないけれど
来たときに役に立たなかったとしたら
それこそ悔やみきれないだろうから。
(「駐車場の消火設備、操作できるかなぁ」おわり)