宿専用の、露天風呂。
塀で囲われた、
簡単な屋根のある造り。
宿泊者は空いていたら入ることができる貸切の浴場だから
撮影に問題はない。
流れ込む湯は、
泉源から引いてきてあるもの。
天然温泉である。
何がどうつながっているかよくわからない
ごちゃごちゃした配管がてきとうに伸びている。
湯気の抜ける、しゅうしゅうという音が時々鳴る。
とっても素朴な洗い場。
ちゃんと、専用の脱衣所とトイレまでついている小屋がある。
時計も温度計も、なんかテキトーだったけど。
たまにはのんびり、湯に浸かるのもいいよね。
人とも会うことなく
ただただ、ぼーっとして。
スマホも、マナーモード&バイブ無しにして。
じゃないと、いつでもどこでも捕まっちゃうじゃない。
仕事に振り回されちゃうじゃない。
仕事のために人間やってるんじゃないやい。
人間やるための、ひとつのあり方として
仕事「も」してるんだい。
ま、そんな心持ちで。
(「温泉場」おわり)