日高本線鵡川駅以南。
新ひだか町内で、その踏切跡を見た。
列車が通らなくなってから数年経っているけれども
正式に廃止されたばかりだから、
施設関係はまだそのまま残されている。
ただし、確実に何も通らないのだから
線路部分にはコーンが置いてあって
「来ないよ」
と、遠慮がちに示している。
鉄道は来ないし、
車もあんまり走っていないから
せっかくだから降りてみようか。
いつも思うのだけれど、
「関係者」って、便利な単語だ。
やがて、鉄路は剥がされて売られ、
枕木も、ウッドデッキやガーデニングの材料として
重宝されるようになるのだろう。
踏切名が、表示されている。
読めます?
たぶん「けりまいわっさむべつせんふみきり」
なんだと思う。
「けり」なんて文字、
見たことないんだけれど。
なぜ、この字を充てたのだろう。
遮断器の足元。
何でもかんでも錆びていて
侘しさが募るのだ。
何かの、鉄道装置。
勾配屋根・扉付きの、
大きなプルボックス的な?
いや、電気系じゃないのかも。
鉄道施設は、さっぱりだ。
ほとんど何も知らない。
名前で検索してみたら、
なんと、 踏切専門の趣味ブログ が作られている。
踏切という踏切を踏破しようということなのだろう。
凄い、としか言いようがない。
こういうデータベースって、
趣味だからこそ出来るというものだ。
委託費なんかを払って、コンサルなんかに発注すると
幾らかかるかわかったものではない。
業務ゆえ、素早く、漏れなく、確実に調査できるから
網羅性・正確性という意味では良いのかもしれないけれど、
調べた結果「それで?」と言われちゃうから
高額な委託費を費やされることは無かろう。
報酬が発生しないという意味では「アマチュア」だけれども
こういう人々も「研究者」なんだと思う。
「探求者」と言うべきか。
ワタクシは、そこまでのエネルギーはないけれど
やっぱり「せつびの探求者」たらんとして、
日々過ごしているのである。
……ってのは大げさで、
単に、好きでやってるだけなんだが。
人はどう思うか知らないが、
楽しいんだもの。
(「日高本線鳧舞の踏切跡」おわり)