2021年04月12日

床置エアコンの固定、どこまで

床置のエアコンが設置されていた。



壁掛とか天吊とか天井カセット形は結構よく見かけるけれど
床置形のエアコン室内機は
あんまり見ることが多くないかもしれない。


床置のFF式温風暖房機と見た目が似ているから
暖房機だと認識されていることも多いかもしれない。



21041201.JPG


ここに設置されているのは、
確かにエアコンであった。



よく見ると、背面に鋼材が見えるのだが
わかるだろうか?


外壁側が窓になっていて
ガッチリ固定する先が無いから
このような納まりを試みたのではなかろうか。


21041202.JPG


耐震性に十二分に配慮して、
念には念を入れて、
十分な強度を持った鋼材で支えるのだ


……そう言いたげな、佇まい。



では、ちょっと上の方を見てみようか。



21041203.JPG


あれあれっ?



鋼材はガッチリしているんだけれど、
エアコン本体とつないでいるのは
なんか浮きかけている鋼板と
細っちいビスが、鋼材に2本、本体に2本。



この室内機の転倒防止に寄与するのは、
要するにこの2本のビスの強度分だけだ。



見た目に反して、
大したことなくない?



他の場所の機器はどうかな。


21041204.JPG


これなんて、
ビスを止めている相手が石こうボードである。


どのくらい、効いているのか
ちゃんとボード用のビスが使用されているのか
よくわからない。



床面でも固定しているから、
頂部が動かないようにするだけで十分だから
こういう細工でも問題ないのかもしれない。


となると、前の機器の背面鋼材のゴツさが
逆に気になる。



21041205.JPG


プレートが、浮いてる。


要はビスが止まっていればいいのだから
差し支えないのかもしれないが。


もうちょっと、見た目マシな部材は無かったのかな。


ま、第三者が後から茶々入れるなら
何とでも言えてしまうけれど。



で、足元はどうなの?



21041206.JPG


なるほど。

これは、さっきの鋼材を、
腰壁と床面にボルトナットで留めている、と。


こっちは、さっきのビスよりはかなり効いていそう。


実際、こっちのほうが大きな力がかかるし。


これだけするなら、
頂部の軟弱ビスはもうちょっと丈夫な方が良かったのでは?
とも思うのだけれど。


それなりに耐震計算をして、
「つけたほうが良い」という判断だったのか、
「とにかくとにかく丈夫さを醸し出したい」だけだったのか。



MITSUBISHI ELECTRIC のロゴが書いてある。
三菱電機のスリムエアコンだろうか。


昔むかしは、三菱電機もFF式温風暖房機を出していたんだけれど
一酸化炭素中毒の事故があってから
ほとんどの家電メーカーは撤退してしまった。

だから、これはエアコン。



設備機器の耐震措置は重要なんだけれど
必要な措置を、必要な分だけ実施するのが
たぶん良いはずだ。

あんまり貧弱でも困るし、
ゴツ過ぎても、その分費用が余計にかかるから良くない。


メーカーさんで、計算書付の標準部材を用意していただけると
とても良いのだけれど。
(「床置エアコンの固定、どこまで」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする