灯油タンクが貼り付いていた。
2基。
どうやら、左上に見える給排気トップを抱える
FF式温風暖房機に灯油を供給するためであるようだ。
縦型の大型の暖房機であるためか、
タンク1基に暖房機1台を対応させているようだ。
灯油タンクは脚のついたタイプが一般的だけれど
このように壁付にするやつもある。
危険物を貯蔵するものであるゆえ、
タンク同士の離れや、総容量、
隣地境界との離れ、
取付外壁の仕様、
周囲の開口部
などについて、規制や指導(という名の強制)が
かかることも多い。
消防法にも記載があるが、
多くはその地域の火災予防条例などで
詳細に規定されているはずだ。
更には、所轄消防の危険物係などで
運用を決めていることも少なくないだろう。
建物の計画に際しては、
建築基準法に適合することはもちろんだけれど
消防法も重要なので、
建築指導課や指定確認検査機関だけではなくて
消防にも事前確認しておくことが望ましい。
っていうか、しておかないと、いざ確認申請を出した際に
消防同意が得られなくて……という事態になりかねない。
「建築消防advice」なんかもとても役に立つけれど
各市町村の条例までは網羅できないから。
「周辺の他の建物でもやってるから、たぶん大丈夫」
も通用しない。
あとから改修で勝手にやっている、ということも
少なくないのだから。
というわけで、上の写真の状況が
かの地の消防関係の規定に適合しているかどうかは
見ただけではわからないのである。
タンクの下に、
ストレーナーと灯油配管(被覆銅管)が写っている。
たま〜に、
この管を切って灯油を盗む輩が出没するので
(寒冷地では、たまに報道が出る)
そういう事例がたまにある地域では
防犯対策を取ることもある。
(「壁付の灯油タンク」おわり)