外部からの衝撃には決して強くはない。
耐衝撃性能なんて、
求められちゃいないから。
でも、積雪地においては
その衝撃と対峙しなくてはならないこともある。
屋根からの落雪が
彼女らを襲うのである。
なぜか、機械類は女性名詞だ。
あ、雪も女性名詞だ。
ってことは、キャットファイト的な?
いやいや、閑話休題。
雪(と言っても、落ちてくるのはたいてい氷の塊だ)に
耐えられるような頑丈な本体を作ろうとすると
たいそうなコストがかかってしまうから、
他の手段で防護するしかない。
ということで、室外機に屋根をかけることも
少なくない。
エアコン室外機の屋根、といっても
千差万別。
単に上に雪が積もらないように、という意味の屋根もあるし
落雪(落氷)から防護するための屋根もある。
「防護」にもいろいろなランクが有り得て、
エアコン本体を守ることができれば良いから
屋根自体は壊れて元々、と考えることもできるし
屋根も頑丈で壊れないようにすることを目指す場合もあるだろうし。
機能だけではなくて、
見た目やコストも重要な要素だ。
と、こんな屋根を、見かけたのだ。
短管とベニヤで組み立てられている。
これなら、コストはそんなにかかるまい。
強度は……そんなに無さそうだけれど、
屋根が破損することで衝撃を吸収し、
室外機本体が損傷しないように守る効果はありそうだ。
それが連続すると2回目以降は防御力が無いけれど
氷塊はそんなに短時間で連続して形成されるわけじゃないから
その間に直せばよかろう。
見た目は……こんなだけれど
コスパを考えると、なかなか良い選択かもしれない。
こんな屋根であったとしても
無いと有るとでは、おそらく雲泥の差。
室外機がぶっ壊れてしまう被害となると
幾らかかるかわかったものではないのだから。
隣の灯油タンクにも
屋根が取り付けられている。
こちらは製品版のようだ。
ちなみに、架台の高さは
その地の積雪量や、人力による除雪の有無などを考慮して
決めることになろう。
積雪地でエアコンを見かけることがあったら
そんな視点でも見てみたら、
興味深いに違いないのだ。
(「こんな屋根でも無いよりは」おわり)