助かるものだ。
そんなヒーティングの熱源は、
建物の陰になったところなんかに
ひっそりと置いてある。
ヒーティングは、油焚きだったりガス焚きだったり
電熱線だったりするけれど、
ここのやつは油(灯油)みたい。
近くに灯油タンクがあったから。
火気なので、消火器を背負っている。
ステンレスの箱に覆われていて、
ぱっと見、ボイラーっぽくはないけれど
この中に機械が収めてあるのだ。
「ボイラー」って呼びならわされているけれど
ボイルしないから、正確にはボイラーじゃない。
温めるだけだから、本来的にはヒーター。
ま、でもボイラーで構わないや。
箱の上に雪が積もってしまって、
排気口が埋もれそう。
それはちょっとまずい。
箱の左上から伸びている棒の先に
降雪センサーがついているみたいだ。
降雪を検知すると、運転する。
ただ、雪が降るだけで積もらないこともあるから
運転制御を厳密にやろうとすると
結構面倒なことになる。
地温センサーを浅く埋めておいて、
地温がプラスだったら雪が降っていても運転しないとか、
地表に水分センサーを設けておいて
水分を検知しなければ運転しないとか、
降雪センサーも、降雪の度合いに応じて作動させるとか。
積もり具合を見ながら、人力でON-OFFするのは
なかなか面倒だし、大変だから、
なるべく自動運転させたい。
でも、灯油代がばかにならないから
不要なときには動かしたくない。
いろんなセンサー類をつければつけるほど
設置費がかさむ。
どこかで折り合いをつけて
妥協することになる。
まあでもそのうちに
AIとか画像処理とか搭載した
もっと性能の良いものが出てくるに違いない。
東京や大阪などの大都市圏で需要がないから
その開発速度はそんなに早くないんだろうけど。
もしも、積雪地に行って
ロードヒーティングがあるのを見たら
その熱源は何だろう? と探してみてほしい。
見つからないかもしれないけど。
(「ロードヒーティングの熱源は、ここに」おわり)