便器の足元って、普段見るだろうか?
便器というものは、
水を流して、排水を出すのだから
給水管と排水管とがつながっている、
ということは想像できよう。
できるけれど、
そもそも普段意識することはないだろう。
もしあんまり見たことがなかったのだとすると
ぜひこれからは眺めてみてほしいものだ。
さて、この画像を見て、
いかがであろうか?
まあタイトルにしてしまっているから
おわかりの通り、
給水管が2本、接続されているのがわかる。
上水配管と、雑用水配管なのである。
「上水(じょうすい)」とは、上水道の上水で、
飲んで差し支えない水質の水。
飲用水、と呼べるもの。
この配管は、便器の上に乗っている
洗浄便座(TOTOの商品名でウォシュレット)に
つながっている。
人間の肌(しかも、まあ、局部は粘膜だったりする)に
直接触れる水は、衛生上こうでなくてはならないのである。
一方で、排泄したあとの汚物水を流すだけのための洗浄水は
別に飲めるような水質である必要はない。
最低限、雑菌が繁殖していないだとか、
ある程度の条件は設けられるけれども、
飲めるほどでなくてよければ
そのぶん水質管理は楽である。
そういう水が、雑用水。
どちらも「給水管」なのだけれど、
水質が異なるのである。
上水、下水、という分け方に準じて、
「中水」という言い方をすることもあったが
だいぶ廃れてきた気もする。
与党、野党、の中間の「ゆ党」みたいなものか。
まあとにかく、
便器に2本の給水管がつながっているトイレがあれば
そのビルには雑用水設備が備わっていることになる。
そんなに大きな規模の建物でなければ、
上水管の他に雑用水管を設けるメリットが少なくなるから
やはり大きな施設で見られることが多いだろう。
雑用水の水源としては、
井戸水だったり、
河川水だったり、
雨水をろ過したものだったり、
雑排水を浄化処理したものだったり。
飲めるほどの処理をしなくて良いなら、
扱いやすいというものだ。
ついでに、上の写真には
コンセントが写っているのもわかるだろう。
最近のトイレブースには、
コンセント電源が欠かせない。
洗浄便座(あるいは暖房便座)の電源が
必要だから。
古いトイレに洗浄便座を後付けする場合には
電源線を別途モールで引っ張ってきているのも
よく見かける。
まあこれからは、そんな観点でトイレを見てみては
いかがであろうか?
まあ、他の利用者に迷惑がかからないように
配慮は十分にする必要がある。
順番待ちがいるのに、
いつまでもじっくり観察しているわけにはいかないし、
他のブースに人が入っているのに
カシャカシャ撮影音を響かせるのも論外だ。
ついでに。
スマホ充電を阻止するために、
コンセントを表面に出していない施設があったり、
上の写真のように露出の立て管が通っていたり、
他にも見どころはたくさんある。
ぜひ、これからの人生において、
楽しいトイレタイムを送っていただきたいものである。
(「給水管が2本つながっている便器?」おわり)