2021年01月10日

ルーフに付けない、ルーフファン

「ルーフファン」ってものを、
ご存知だろうか。


文字通り、「ルーフ」に取り付ける「ファン」なのである。


工場や倉庫の屋根に取り付けて
大量の換気を行う際に使用される、
屋根面取付用の換気扇みたいなものである。



なのに、ルーフじゃないところについてる
ルーフファンを見つけた。


21011001.JPG


外壁からダクトを伸ばした先に乗っけてある、
ルーフファン。


なんか、面白いんですけど。



壁面に有圧換気扇を設けるのでは、
ちょっと不都合があったんだろう。きっと。



ダクト(というよりも、煙道のような作りだ)の下部に
配管(ドレン管か何かかな?)がつながっているところを見ると
フツーの排気ではないのかもしれない。


配管が鳥居状に立ち上げられているのは、
ルーフファンの排気力によってドレン管から空気が入っていくのを
避けるための一種のトラップなんだろう。



「せつび」は、
必ずしも本来の目的通りに利用しなくても
機能を果たすことがある。


工夫の余地がいろいろあって、
そこがまた面白いところでもある。


ま、失敗しちゃったら
目も当てられないんだけれどね。
(「ルーフに付けない、ルーフファン」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月09日

屋上にある、大きなガラリ

建物は、呼吸している。

そうだ。呼吸しているのだ。



ただのハコだったら、呼吸は不要なんだけれども
その中に人間がいるならば、
換気がおこなわれる必要がある。

だから「呼吸」している。



窓があれば、
それを開ければ、呼吸は可能である。

だから、それで済ませている建物も多いけれども
ある程度大きな建物になると
「窓を介しての呼吸」だけでは不足する。

そもそも、窓がない部屋だって、たくさんできてしまう。


だから、人為的に、機械的に、
「呼吸」をつくりだす。



ファン(送風機)を使って、
ダクト(風道)でつないで、
外の空気を建物内へ、
建物内の空気を外へ、運ぶのだ。


それが「換気」なのである。



「呼吸」というのは、「呼」と「吸」とが対になっている。



建物の中に給気をすれば、
どこかから排気がなされなければならない。

そうでなければ、建物内の気圧が無限に高くなってしまうだろう。



逆に、建物から排気をするならば、
必ずどこかから給気がなされるはずなのである。

そうでなければ、建物内は真空になってしまう。



まあ、給気・排気どちらの場合でも
建物の気密性はそこまで高くはないから、
無限に高い気圧や、真空状態になってしまうことは無い。

ドアの開閉が重くなったり、
ドアや窓の隙間がピューピュー鳴くくらいなものだ。

でもそれは結構不便・不快なものなので、
計画的に換気(給・排気)することは
大切なのである。



さてここに、とある建物の屋上がある。


その外壁面に、格子がついている。


21010901.JPG


ギョーカイでは、「ガラリ」と呼ぶ。


英語風に書けば、「ギャラリー」ということなんだろうけれど、
「ガラリ」と呼び倣わされている。



大きいのと、小さいのと。



これが給気に使われているのか、排気に使われているのか、
見ただけでは判然としないけれど、
とにかく建物内と外気との連絡口には違いない。


どんな建物にも「正面」というものがあって、
その部分は意匠的にはある程度気を遣う。

だから、このようなガラリは、
正面を避けて設けられることが多い。

屋上の塔屋壁面であれば、
角度や方向にもよるだろうけれど
下からは見えなかったりするから
大きなガラリを設けるのに好都合だ。


まあ、このように屋上に上がってしまえば
デデンとあるのが丸見えではあるけれど。

そして、給気か排気かの音が
ゴォゴォ聞こえてくるのだけれど。



デパートとか、ショッピングモールとか、
屋上にも上がれる大型の建物に行ったら
探してみてほしい。


どんな大きなガラリがあるだろうか。

いったい、合計何uくらいのガラリが設けられているだろうか。


建物規模が大きくなれば大きくなるほど、
呼吸(換気)量が多くなるから、
ガラリの面積もたくさん必要になる。


そのへんの面積感覚がわかってくれば、
意匠設計上も役立つに違いない。


実施設計が進んだ段階で、

「そんなでっかいガラリが必要だなんて
 思ってもみなかった」

なんていう『想定外』に見舞われることは
なくなるのである。
(「屋上にある、大きなガラリ」おわり)
posted by けろ at 13:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月08日

水槽と外装と

建物の屋上には
結構水槽が乗っかっているものである。


その乗っかり方にもいろいろあるから
事情がゆるせば、撮ってみる。


21010801.JPG


その場で見て感じるところもあるし
あとでじっくり画像をみて気づくこともある。



あの高架水槽は、結構至れり尽くせりだ。

屋上に上がるタラップは
背カゴ付きで頂部の手すりもしっかりと立ち上げられていて

水槽の周囲にも手すりが設けてある。


これなら、そんなに怖くない、かもしれない。



外壁には、結構すっかすかのガラリがついているとか
柱型にでっかいプルボックスが貼り付いているとか
雨水配管は設備工事じゃなくて建築工事っぽいなとか
見ていて飽きないのであるが。



通行人が多いと、こんなふうにゆったり見ているわけにもいかない。

人が途切れるのを見計らって、
とりあえず撮っておいて
あとで考察する、ということも少なくない。



と、向こう側の建物が気になる。


左側のマンションじゃなくて、
正面右側の、何か。


何か?


何だろう?



というわけで、ちょっと歩みを進めてみる。


21010802.JPG

はあ、

こういう外装だったんだねぇ。



壁面緑化の一形態、なんだろう。



洒落ているようにも見えるし、
感じ方によっては汚らしいとも言えるかも。


緑色と茶色の配合によっても、
感じ方が変わりそうだ。



こういうのを見ると
時々思うのだ。


枯れ葉は、どうなるんだろう。


水やりは、必要なのかな。


虫とか、つかないのかな。


特に、虫。


壁面にびっしり植物を這わせた外壁が
遠目にはきれいなんだけれど、
近目にも花が咲いていたりして美しいんだけれど
大量の芋虫もその葉の上で
旺盛な喫食活動を遂行中で……

なんていう記憶が頭をよぎるのだ。



実際にこういうオフィスで働いている人でないと
実態はわかるまいて。
(「水槽と外装と」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月07日

和風外装のビル

広い通りに面した、間口の狭いビル。


和風な感じに仕上げようと、
こういう外装にしたんだろう。


21010701.JPG


なるほど。

木の格子のように見えなくもない。


消防隊進入口の部分も、
外側から開けられるようになっているようだ。



もっとも、一刻を争う場面で
開ける開口部が二重になっているわけだから
そのあたり、所轄消防とのやり取りが
いろいろあったんだろうな、と。



屋上に乗っけてあるキュービクルは
特に色を付けなかったのね。



まあ、誰も存在にも気づかないんだろうから
あんまり気にはならないだろうな。
(「和風外装のビル」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月06日

パッケージ型消火設備、よく見かけるようになった

施設の壁面に、
パッケージ型消火設備。


21010601.JPG


屋内消火栓の設置義務がある防火対象物において
替わりにこれを取り付けることが可能だったりする。


詳しくは、

消防法施行令 第29条の4とか

平成16年総務省令第92号 とか

平成16年消防庁告示第12号 とかを

参照いただきたい。



屋内消火栓とは包含範囲が違うので、配置に注意を要する。



消火水槽、消火栓ポンプ、消火配管を設けなくて済むので
コスト的にも工期的にも設備的にもメリットが大きい。



屋内消火栓が必要となる建物なんだけれど
コストダウンしたいなぁ、とか
消火ポンプ室のスペースが惜しいなぁ、とかいう場合、


そうだ、パッケージ型消火設備で代替できないかな?


と考えてみるのも良いのでは。



念のため、所轄の消防に確認しておくと良い。


確認申請の時点で「これ、ダメよ」と言われたんじゃあ
目も当てられないからね。
(「パッケージ型消火設備、よく見かけるようになった」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月05日

箱根で見かけたトイレ

箱根で見かけたトイレを
ちょっとご紹介。


21010501.JPG


最近の洗面コーナーは
こんな感じのが多い気がする。


車椅子対応のボウルと一体で形成してある。



「傾斜鏡」は、すっかり見かけなくなった。

そのかわりに、大きい鏡を取り付けるようになった。


21010502.JPG


実際に車椅子で生活されている方の感想は
どうなんだろうか?


少なくとも一般の人間にとっては
傾斜鏡は足元しか見えないモノでしかなかった。
大きな鏡であれば、いろいろな身長の人にも
見やすいことは確かだ。



小便器は、センサー一体形が普通になった。


21010503.JPG


床置きにしないことで、
床面の清掃がしやすい、という触れ込みだ。

実際、床置きの小便器のフチは
汚れが溜まりやすくて
そのくせ清掃しづらそうであった。



床上掃除口が、人の動線にかかっているのは
ワタクシとしては好ましくなく感じる。


せめて衝立の前とか、
ちょっとずらしたらいいものを、
と思ってしまう。

動線もタイル目地も全く気にせずに
「ただつけてある」感があふれていて……。


でもまあ、これも
誰も気にしない、
ただの自己満足を求めるようなことでしか
ないのだけれど。


一種の職業病ってなもんだ。



気になりません?

掃除口の位置って。
(「箱根で見かけたトイレ」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月04日

錆びていくせつび

時々、通りがかりの建物を見て
諸行無常を感じるこの頃。



21010401.JPG



ゲートが閉まっていて、
今はもう、使われていないのかしらん。


そんな、建物の外壁を這う、せつびたち。



21010402.JPG


ダクトやプルボックスが錆びてきて、
配管の塗装も剥がれてきて、
日に日に廃墟感を増していくのであろう、
せつびたち。



もののあはれ は、
こういうところにも宿っているのである。
(「錆びていくせつび」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月03日

配管保温の外装材

給水管とか給湯管とか冷温水管とか、
冷たかったり温かかったりする配管には
保温材を巻く。


冷たい場合は「保冷材」と呼ぶべきなのだろうけれど、
また給排水管などは表面の結露防止が目的なので「防露材」と呼ぶのが
ふさわしいのだろうけれど、
やることは一緒なのでまとめて「保温材」と呼んでしまう。


配管に、グラスウールやロックウールやポリスチレンフォームの保温材を巻いて
更にその上から外装材を巻くのが一般的である。

天井内とかピット内とか、人の目に触れないところでは簡素に、
屋内露出になるところでは、多少見た目を気にして
ある程度の仕上げに、ということが普通であろう。


露出の場合、
昔は 綿布巻き なんてもものあったけれど、

あんまり面倒くさいので、
今では公共建築工事標準仕様書でも 合成樹脂製カバーに変更 されている。



とあるところで、
なかなか面白い外装材を見つけた。


21010301.JPG


竹! をヒモで縛ってあるやつ。


「どうやって積算するんだ?」


ってのはあるけれど、これはなかなか楽しい仕上げじゃないだろうか?
(「配管保温の外装材」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(2) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月02日

防風板付のベントキャップ

外壁に並んでいた、換気口。


防風板のついた、ベントキャップである。


21010201.JPG



このように、外壁の色に合わせて
焼付塗装することができる。


ただし、タダではできない。


普通の製品(アルミ製とかステンレス製とか)と比べると
若干値段が高くなるのである。


とは言っても、たとえば 8,000円のφ150の製品が
1,500円加算される、というくらいのものだ。

コスパは、そんなに悪いとは思えない。



でも設計図に「指定色」とあらかじめ書いておかないと
施工者としては「そんなの聞いてないよ」ということになる。


だから、もしも外装材の色にこだわりがあるのであれば、
設備図にも「指定色」と書いておくことをオススメする。


書いてないのにゴリ押ししたら、申し訳ないでしょ?
(「防風板付のベントキャップ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月01日

富士っ!

正月、ということで。


21010101.JPG


富士、である。


まあ、富士は富士でも、蝦夷富士である。


羊蹄山、である。



少〜し前に行った際に撮ったので
ちょうどいい具合に冠雪している感じ。

きっと、今頃は真っ白に違いない。

折しも、年越し大寒波が襲来中と聞く。



ちょこっと角度を変えて、撮る。


21010102.JPG


3本そそり立つ、
銀のアスパラが特徴的である。


中山峠、札幌市と喜茂別町との境界である。


ここでは 峠のあげいも を売っている。


ホクホクしたジャガイモに
衣をつけて揚げたものなのだけれど
かなりイケてるんじゃないかな!!



観光客が激減してしまっているけれども、
お店が健在だといいな。

いや、なかなか苦しい状況にあることと思われる。


行って!

買って!

食べて!


とアピールしたいところだろうけれど、
まあ、とにかく全世界的にこの騒動が収まってこないと
なかなか難しいよね。



果たして今後何ヶ月、いや何年で、
事態が収束するのか。

一般的な疾患になって、
旧「新型コロナウイルス」となって
「かぜ症候群」の病原体の仲間入りをするのか。


まあ、過去のあらゆる疫病は、
必ず収束してきた。

スペイン風邪や新型インフルエンザのほか、
結核、赤痢、コレラ、なども
犠牲者の数はともかくとして、収束は、した。

ろくな治療法もなく、原因菌(やウイルス)の正体が
まったくわからなかった頃であっても。


現代は、当時に比べれば、
原因はわかっているし、さまざまな対抗措置候補もある。
順次、あらゆる策が投入されつつある。
いずれ、収束することは確かなのだ。

とはいえ、それが早いに越したことはない。



分断化されたアメリカの政治はどうなるのか。

独裁化が進んでいる中国、ロシアはどうなるのか。

中東の火薬庫はどうなるのか。

国際政治的にも、先行きは不透明だ。



GOTOは延長されるのか。

医療は崩壊してしまうのか。

オリンピックは、開催されるのか。

菅総理はいつまでもつのか。

国庫は大丈夫なのか。

福島第一は、いつになったら炉本体に手がつくのか。

……国内情勢も、さっぱり見通せない。



経済も、エネルギーも、自然災害も、
5年後の予想がどのくらい当たるものか
定かではなかろう。



だいたい確かそうなのは、
設計図への押印義務が無くなりそうなのと、
新500円玉が発行されることくらいかなぁ。



ともかくも、
生きている限り、
生きていくのである。

この年も。


願わくは、幸あらんことを。
(「富士っ!」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする