それでもやっぱり燃焼系熱源も少なくはない。
そうすると、燃焼したあとの排気をどこに出すのか、
それが重要な論点の一つになる。
端的に言えば、
「煙突をどこに建てるか」
ということになる。
あんまり目立たせたくない、というデザイン上の要請があったり、
いっそ、煙突自体をデザインに取り込んでしまえ、という解法があったり、
時として、設備設計が関与し始めるまで
そもそも煙突の存在自体が失念されていたり、
まあいろんな経緯を経て、
それでも必要なものは必要なわけで
どこかに落ち着いてくるのである。
たとえば、こんなふうに。
燃焼機器を屋上に持っていけば、
こういうモノは不要になるし。
熱源を非燃焼系にすれば、
やっぱり不要になるし。
でも、燃焼系の良さってものもあって、
その建築全体において、何を是とし、何を犠牲・妥協するか、
そういう総合的プロデュースがあることが
望ましいと言えよう。
世の中にたくさんある、
煙突を背負っている建物。
その煙突が、そこに存在するに至るドラマは
建物の数だけ、あるはずなのだ。
「えええ? そんなモノが、そこについちゃうの?」
たまぁに、現場も佳境に入ってきた頃に
そんな驚愕を持って施工図を見つめる人が、
存在することもあったり、ね。
(「煙突をどこに建てるか」おわり)