と、報道されている。
事実として報道いただくのは良いのだけれど、
今ひとつ、知りたいことがわからない。
確かに、全世界的に大流行していて
多くの感染者・死者を出しているのではあるが、
そういう「絶対値」については、
結構報道されているのであるが、
ワタクシは「相対値」も、知りたい。
「新型」コロナウイルスの現状については
毎日、都道府県・市町村ごとに詳しく報道されるから
わかるのだけれど、
じゃあ、「旧型」「従来型」のコロナウイルスはどうなんだろう。
いわゆる「かぜ症候群」の原因のひとつである。
「かぜ症候群」の病原体にはいろいろあって、
コロナウイルスも1種類だけではない。
ライノウイルスや、RSウイルスについてはどうなのか。
ウイルス以外にも、細菌類が病原となっているものもあるし。
それぞれ、感染者数・死者数は、どんな感じなんだろう。
そもそも、感染有無の検査なんて、ほとんどされないんじゃないか。
インフルエンザウイルスは、
どうなんだろう。
これにもいろんな型があって、
年によって流行するものが異なる。
こたびの「新型」は、
従来「ただの風邪」と言われていたものと、
どう違うのか。
新型コロナを「ただの風邪」呼ばわりして批判される人も
少なからず居るけれど、
感情的なものとか政策的なものとかを抜きにして、
実態としてどうなのか。
「ただの風邪」(といっても、病原はさまざまだ)と
どのくらい違って、どのくらい似ている面があるのか。
そこんとこ、冷静な報道が無い気がする。
ひたすら、煽るばっかりなような気がする。
ま、報道って、そういう傾向が強いんだろうけど。
マスクとか手洗とか接触防止とかソーシャルディスタンスとか、
新型に限らずあらゆる感染症に多かれ少なかれ有効だと思うから
まあそれはそれでいいんだけれど、
飛行機を降ろされようが飲食店を破滅に追い込もうがマスク着用を否定する
そんな人達のような行動を取るつもりは全く無いけれど
だからといって全面的に政策を支持するつもりもない。
そもそも、支持するにせよしないにせよ、
判断材料が余りにも少なくないか。いや、偏っていないか。
かぜ症候群に限らない。
肺炎(これも病原体はさまざまだが)、結核、梅毒、HIV、
世界中で結構な感染者と犠牲者を生じさせている病原体は
かなりたくさん有るはずなのだ。
それらと比べて、どうなのか。
相対的な位置関係を知りたいのだ。
ワタクシは専門家じゃないし、
ネット上に渦巻く真偽不明の雑多な情報の海の中で
「ちゃんとした」情報を選り分けられるだけの基礎知識がない。
でも、その道の専門家たちは、
数多く居るはずなのだ。
なのに、「なんちゃって専門家」的な人が
したり顔で単純化して説明するような感じしかしないのは
なぜなのだ。
まあそもそもが「新型」であって、
最初は敵がどんなヤツなのかさっぱりわからないから
とにかく様子見であったり、
あるいは安全策であったり、
いきあたりばったりの面があるのは仕方なかろう。
けれども、最初の報道がちらほら出始めてから
そろそろ1年になる。
ワクチンはまだ出回ってはいないけれど、
DNA(RNA?)配列も含めて、
相当に研究は進んでいるんじゃないか。
疫学上の知見も、相当に深まってるんじゃないか。
だいたいもって、
インフルエンザのワクチンだって、
有効率は100%ではない。
ワクチンを打っても、かかる人がいる。
ワクチンによる重い副作用を発する人も、居ないわけではない。
となると、新型コロナだって、
たとい優秀なワクチンが出回りだしたとしても
それで万事解決になるわけではない。
→ 今こそ冷静に考えるべき、ワクチンと副作用の切っても切れない歴史
→ インフルエンザワクチンと「ワクチンで自閉症」問題の正体
インフルだって風邪だって、
免疫が長くもたないから
何度も何度もかかる。
軽く済む人もいるし、
重篤化して亡くなる方もいる。
新型コロナは、
それらに比べてどのくらい凶悪で危険なのか。
相対値を知りたい。
ちゃんとしたものを、知りたい。
科学的知見に疎い文系の記者が
いいかげんに(失礼っ!)書いた
嘘か真かわからない煽動記事は、要らない。
視聴率を稼ぎたいだけの報道スタッフが
矢鱈と煽りまくるような番組は、要らない。
まして、バラエティを賑わす芸人さんたちが
ああでもないこうでもない、ただ騒いでたって、
聞いてる方は困るんよ。
意見が聞きたいんじゃ、ないんだよ。
事実を、データを、正しく整理して
淡々と伝えて欲しい。
どのくらい、恐れるべきか。
どのくらいで、妥協するべきか。
あるいは、受容せざるを得ないのか。
じゃなきゃ、GO TO の云々についても
判断できないじゃあないか。
健康は、何も肉体的なものだけが重要なのじゃない。
経済的にも、健全でなければ、
人は生きてゆけいないのだ。
何の病気が無くても、
経済的に追い込まれて自殺する人たちが
一体どれだけいたことか。
感染拡大の防止を図るあまり、
経済を完全崩壊させてしまうのも
やっぱりマズいんじゃないか。
「医療崩壊は、構わないのか?」
もちろん、構わないわけはないのだが。
新型を特別扱いする時期は、
もう過ぎたんじゃないか。
毎年各所で発生していた
インフルなどの集団発生と
同じ扱いではダメなのか。
そういう事を判断するためにも、
新型コロナの、相対的位置づけを
知りたいのである。
いかがでっしゃろ。
「じゃあ、人が死んでも良いのか?」
「良い」とは言えない。
けれど、絶対に人は死ぬのだ。
人口から言って、
日本では毎年100万人は死ぬのだ。
寿命で、病気で、事故で、事件で、自殺で、その他もろもろで。
だから、「死の危険」は相対的なものでもあるのだ。
新型コロナで死ぬ人を100人減らそうとして
経済苦による自殺者が1万人増えるとしたら、
それって許容していいの?
新型コロナで死ぬ人を1人でも減らすために、
医療資源を全投入して
他の疾患への対応が疎かになって
そちらの死者のほうが多くなっても構わないの?
医療者が新型コロナ対策に忙殺されることによって
疲弊して、過労になったり離職したりするのと、
もう風邪やインフルくらいの対策でOK、
あとは仕方ないよね、というのと、どっちがマシ?
ただし、自分が、家族が当事者になったりすると
当然捉え方が違ってくるだろうし、
いろいろな事象の優先度は個々人で違ってくるから
「社会的合意」なんてのは難しかろう。
「正解」なんて、わからないんだから、
誰かが腹をくくって取り組むしかなかろう。
結果、ダメだったら、
批判は甘んじて受けるしか無い。
次は、その批判した人たちが責任を持って
最善を目指していただくのが良かろう。
やっぱり失敗するのかもしれないけれど。
とにかく、だ。
そのためにも、ちゃんとした相対的位置づけを
知りたい!
その道の人、
誰かまとめちゃくれませんかねぇ。
(「covid-19について、知りたいこと」おわり)