2020年11月23日

誰がために室外機は並ぶ

道路に室外機が並んでいる……わけじゃない。


標識が建っている位置からすると、
ちゃんと敷地内に収まっている……はずだ。


20112301.JPG



何かの店舗のようで、
木のおしゃれな外装。


軒裏換気口と、2階の排気フードは白く、
エアコン冷媒管用のスリムダクトは外装色に合わせてある。



1階の排気用とおぼしきスパイラルダクトは、
そのまんま。



エアコンの室外機は、
色のバリエーションが無いから、
仕方がない。


無理やり着色してあるものも見かけるが、
メーカーが「保証できないよ」って言うから、
ちょっと躊躇うよね。



室外機は全部、
架台に乗せてある。


冬は、雪が積もるから、だね。
防雪フードも取り付けてあるし、ね。



誰がために並ぶか、って?


そりゃ、店舗ならお客さんのためと従業員のため。

物によっては、製品のため。


つまり、必要性があって、ついている。



もし、建物のデザインにとことんこだわりたいのであれば、

どこに置くか、
どんな並びで置くか、
どういう形式にするか、
隠すか、現しか、目立たせるか。

そんなこんな事も考えてあげないといけない。



「デザイン上、邪魔だから、つけない」


まあ、それも有りっちゃ有りだ。

その場合、
「誰がために」……それをも犠牲にするということにもなる。
その建築がオブジェじゃないのだったら
なかなか、選択しづらい。



あとは、徹底的にカネをかけて、
これらのものが決して表に出てこない
そういう設備システムを採用することだ。

カネをかけさえすれば、
大抵のことはできる。

物理法則に反しない限りに於いては。



意匠も、構造も、電気も、設備も、
すべて揃って全体が成り立っているんだな。

それらを、それなりに理解した上で
全体を構成するのが
プロジェクトリーダーたる建築士の仕事なのである。

すんごく、大変。


リーダー以外は、
自分の領域に専念できるから、
そういう意味では気が楽かな。
(「誰がために室外機は並ぶ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする