2020年11月16日

東京タワーに貼り付くものたち

昭和33年、その高さ333m。

以後、東京のシンボルとして屹立し続けている
東京タワー



その後、各都市になんとかタワーが建ち、
超高層ビルも超高層マンションも「タワー」を名乗り、
なんと「スカイツリー」なる『木』まで建てられたとしても、
やはり別格の風格を保ち続けている、
東京タワー


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いろんな時代の建造物がひしめく一角に
今なお存在感豊かに立っている。



建った頃 は、周囲に高層ビルもなく、
それはそれは威容を誇っていたことであろう。



どうにも雲行きが怪しく、
今にもポツポツ落ちてきそうな、
そんな昼下がり。


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別に、タワーに用事があったわけではないのだが、
近くのビルに行くついでがあったものだから、
せっかくなので下を通る。


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この、立派な足元。……の向こう、
外壁を這い回るダクトを見よ!



築60年以上を経過しているのだから、
「せつび」関係は、ほぼ完全に入れ替わっているはずだ。

部位によっては、2回以上更新されているのかもしれない。


もちろん、建物部分の内外装や、塗料、などにも
何度も手が入れられ、当時とは全く違うモノになっていることであろうが
「せつび」もまた同様なのである。



1つ1つの配管、ダクト、ケーブルには意味があって、
必要性があって、ついている。


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飾りでも、デザインでも、オブジェでもないのだ。

建物外装と同じ色に塗装することも少なくないが、
ここでは敢えて白または灰色に塗装されていた。
架台類も含めて。


何となく、その存在感をアピールしたかった担当者が
居たのかもしれない。




何度も何度も改修を繰り返されている施設は、
その全貌がイマイチよくわからなくなっているものも
多いんじゃないだろうか。


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そうした中で、
隅々まで詳しく知っている「生き字引」的な方が居て、
図面や資料として整理されて残されていないような情報を
持っておられたりする。


けれど、そういう方々は、年月の経過とともに高齢化し、
やがて舞台から去っていかざるを得ない。



その「知」が、継承されるかどうか?



もしも、短期間でのスクラップ&ビルドを想定しているのでなければ、
そういう『知』を、キチッと形として留め、
後世に継承していくことが求められよう。


求められるんだけれども……。


そもそも「設備技術者」が、
年々減ってない?


居る人達も、
高齢化してない?


当たり前だ。
人間は、必ず1年に1歳、
歳を取るのだから。


次々に、代替の人材を確保していかない限り、
やがて払底する。



まあそれはそれで、
設備技術者の必要性が高まって、
待遇が向上して、
それに伴って、参入する人材が増えて……。

というような、「見えざる手」でも
働くのかもしれないから、
悲観する必要もないのかもしれない。



ふっふっふっ。



東京タワーを見て、
こんな事を思い巡らすヤツは
いないんだろうなぁ。


そんな「おバカ」な「変態」は
ワタクシだけで十分なんだろうなぁ。


世の中、
賢い人はたくさん居るからさ、
何とかなるよね、たぶん。
(「東京タワーに貼り付くものたち」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする