ときどき見かけてしまうものだ。
何となく、いたたまれない気持ちにも、なるのだ。
だってだって、
「錆び」って、ある日突然生じるわけじゃないんだ。
最初のキッカケは、突然かも知れないけれど
全面にわたって錆び錆びになってしまうまでには
かなり長い年月を経ているはずなのだ。
その間、ずっと放置されてきた、見て見ぬ振りされてきた、
そういう結果が今、見られるということなのだ。
トイレは、普通の部屋よりは湿気が多いのかも知れない。
だから、金属製品である電気ヒーターも
普通の部屋に設置してあるよりは、錆びやすい環境にあるのかもしれない。
それはそうなのだけれども。
だからって、こんなになるまで放置しておくのって、
どうなの?
ねえ!
「んじゃ、あんたがカネ出してよ。そしたら、替えるからさ」
「まだ使えてんのに、もったいないじゃん」
「錆び落としして、塗る? いくらかかってると思ってんの」
ま、毎日目にしていると、慣れちゃうんだな。
いきなりこれを見たら「錆び錆びっ」って思うけれど、
毎日ちょっとずつちょっとずつ広がっていると
全然気が付かなかったりするんだろうな。
万事、そんなもんだ。
服だって、突然ヨレヨレになるわけじゃない。
人間だって、突然老けるわけじゃない。
「せつび」も、そうなんだ。
でもさ、それでいいの?
放置しといて、いいの?
そういう、問題提起なのである。
(「電気ヒーターも突然錆びるわけではない」おわり)