2020年オープン、できたてホヤホヤである。
その名も、四国水族館。
なかなか、大きな名称をつけたものである。
館のマークは、四国と水とをイメージした感じであることが
ひと目でわかろう。
館内は、2層。
屋外部分と屋内部分とがあって
「すごく広い」わけではないのだが
デートスポットにはもってこいなのではないだろうか。
平日にもかかわらず、
多くの、ほんとうに非常に多くのカップルで
賑わっていたのである。
目の前は、瀬戸内海である。
海水は、豊富にある。
とは言え、淡水魚もいるのだ。
金魚の水槽だって、あるのだ。
「水族」は、魚類だけにあらず。
鳥類であるこいつらも、居る。
スプリンクラから放出される水を浴びていた。
そう。
とっても暑い日なのであった。
2階の屋外テラスは、折しも通り雨が降った直後で
びしょ濡れであった。
屋上の機械たちが、顔を覗かせている。
そんなに目立たないから、
思い切り隠すようなマネは必要なかったのであろう。
機械類の設置スペースも、なんとなく見える。
見えるけれど、たぶん、お客さんは誰も気づきもしないだろう。
奥には、釜屋と道の駅と、そして瀬戸大橋が見える。
そっちのほうが、はるかに人々の目を引くに違いないのだ。
設備やさんを除いて。
屋外の、手洗いコーナー。
ふれあい体験などをした後は手を洗ってね、ってこと。
子ども用と、大人用とを並べてある。親子で楽しんでね、って。
何かといろいろ水洗いする必要も多いだろうから、
右の洗面器の下部には止水栓とホースカップリングがついていて
ホースリール&ノズルを繋げやすくなっている。
自動水栓ではなくて自閉水栓なのは、
やっぱり屋外だからだよね?
面白かった(せつび的に)のは、
これ。
磯の生物が居るコーナーに
「ししおどし」的な細工があった。
ボックスにある程度水が溜まると、
ザァァァ〜っと流れが出来る。
寄せては返す波を再現しているのだ。
製作モノだよね? 標準設計、なんて無いものね。
こういうのを考えるのも、なかなか楽しそう。
模型つくって、実験して、大きくして……。
もうちょっと大掛かりになると、
ポンプでやるしかない。
四国の渓流に棲む魚たちの水槽には
滝が作られていた。
ふと上を見ると……。
たくさんのノズルから、
ミストが放出されている。
ううん、こんなの無くっても、
ものすごく蒸し暑いんですけど!
まあ、そうじゃない季節だってあるから
必要なのかもしれないな。
目の前は瀬戸内海だけれど、
やっぱり要るのかなぁ、こういうの。
どこかから、送られてくるのである。
屋外用の温度センサー? とか、風速センサーとか、
いろいろついている。
水族館を裏手から見ると、
発電機やらチラーやら、
いろんな配管たちが見える。
わざわざ眺めに来る者は、少ないだろうけど。
屋内部分には、さまざまな「水族」たちが泳いでいる。
1つ1つの水槽は、そんなに大きくない。
けれど、照明などが現代調であると感じた。
この水族館、上で見ての通り
水槽に泳ぐ生物たちの解説が、ほぼ無い。
テーマを書いた小さなプレートが
脇に貼ってあるだけなのだ。
このプレートにQRコードがついていて、
スマホで読み込ませると、詳しい解説が読める
そういう仕組みになっている。
しかも、その「詳しい」解説すら
水槽内の全部を説明してはいない。
日本一解説が読まれている水族館 とは対極にある感じ。
竹島 は竹島で、ここはここで、
いろいろな在り様があっていいのだろう。
「水族館、かくあるべし」
そんな固定観念は、無いほうが良いのだろう。
いろいろあって、楽しいのである。
そうそう。
天井仕上げは貼っていないから、
いろいろな「せつび」も観察できる。
オトクな施設なのだ。
ね?
まあ、そんなに特殊な設備システムがあるわけじゃなさそうだけれど
(水槽とか海水循環濾過などは有るにしても)
「フツーの」機器や配管やダクトたちだって、捨てたもんじゃないでしょ。
ダクト・配管は黒く仕上げたけれど、機器や吊り棒は黒く塗らなかったのね、とか
好みに関する要素がいろいろあって、それはそれで楽しいものだ。
みんなが一所懸命魚介類を撮影している脇で、
なぜか上方を撮っている、不審者……に間違われないように気をつけつつ。
(「不審」には違いないか……。でも「変質」「変態」じゃない、とは強弁したい)
こういう施設だから、
搬入経路は重要である。
横手を見ると、その動線が確保されているのがわかる。
大型車両が横付けできる位置に設けられているのはもちろんだ。
とにかく、暑い。
芝生が枯れないように、
散水が行われていた。
そうそう。
ここでバズってたやつがあったな、そういえば。
イルカプール、なんだけど。
モノを落とすなとか、イルカに噛まれないように気をつけてとか
注意喚起表示があるのだけれど。
イルカも、うどん食うの?
「うどん県」だから、さもありなん?
ここでは、食い物といったら、イコールうどん なんだねぇ、やっぱり。
(「四国水族館はできたて」おわり)