2020年09月16日

瀬戸大橋という巨大構造物

普段建築物に関わっていると、
それはそれで十分大きなものと感じているのだけれど、
そりゃ、人間の尺度から言って大きいに決まっているのだけれど、
それでも土木構造物には全く及ばないことが多くって。



かつて、日本国が経済的にとても元気だった時代、
何でもかんでも右肩上がりで、いろんな狂騒に明け暮れていた頃、
本四架橋という巨大プロジェクトが敢行された。



その一つ、「児島・坂出ルート」のメイン構造物である、
瀬戸大橋。


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四国側、坂出市側の橋のふもとには
瀬戸大橋記念公園が設けられている。


瀬戸大橋を、眼前に見ることができるスポットである。



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コスモ石油や、坂出LNGのタンクも多数見える場所。


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常に海風にに晒され続けている鋼製構造物ゆえ
メンテナンスも常に行われているのだろうか。



この日も、足場がかかっていた。

えらく高所での作業になろう。



手前に公園、向こうに工業地帯、という配置である。


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鉄骨の1つ1つが、やたらとでかい。

長大橋という観点からすると、普通なのかもしれないけれど
普段建築の鉄骨しか目にしない者にとっては、
このトラスは超スケールである。


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よく見ると、鉄道が走行中であるのに気づくだろう。


下に鉄道、上に高速道路、という2階建て構造なのである。



あの足場、最初に組む人の怖さと言ったら……。

って、プロなんだから慣れっこなのかな?


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って、慣れることなど、できるのかな。

道路面の最高地点では、海面から100m弱の高さになるそうだけれど。

大型タンカーや大型客船が下部を通過できるように、
橋は高く高く造る必要があったのだ。



公園敷地は、このような配置である。


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広々とした3ヶ所の駐車場のほか、記念館、タワー、回廊、広場、遊具などが
配置されている。



北東角の「架橋機器展示広場」には、工事に使われた様々な機器類が
残されている。


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右側のは、海上で施工範囲を示すブイである。



その他、古ぼけた解説板とともに、実物展示が結構ある。


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建築の仮設計画図は、
ここまでの広範囲にはならない。


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写真は、だいぶ傷んできていた。



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何だったっけ、これ?



瀬戸内海を背景にステージが設けられた、
マリンドーム。


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すごい舞台だ!



この瀬戸大橋、列車で渡るとこんな感じである。


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ブレブレでごめんなさい。



航空機を利用すると、航路によっては上空から全体を見ることもできる。


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ルートの真ん中にある『与島』には、
パーキングエリアが設けられている。



この高度からでは、ほとんどの建築設備は
その存在を認めることが難しい。


某ゼネコンが、
「地図に残る仕事」 というキャッチフレーズを使用しているが、
こうして上空から見ると実感する。



「建築設備」は、地図どころか、そもそも表に見えてこない。
人々の視線からは隠された存在なのだ。
だから、誰の心にも残らない、そんな仕事。


でもね、でもね、
そこままた、イイんだよねぇ。

そこが、「せつび」の醍醐味ってもんだ。


そう、思わないかな?
(「瀬戸大橋という巨大構造物」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 土木工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする