展示室内、天井面はこんな感じ。
パン型のアネモ、照明器具などが
各種サインとともに設けられている。
そんなに凝った感じではないが、
白を貴重とした展示室に黒色天井と黒色フェイスの設備類だから
全く目立たない。
この類の施設では天井仕上げを設けずに、
ダクト、ケーブル類が露出になっているところもあるが
ここでは天井を仕上げることを選択したようである。
エレベーターは、シースルータイプ。
もう、至るところで見られるのであるが
「せつび」の細部を見ることができるのは
せつび愛好家としてはありがたい限りである。
工程の短い昇降路においては
もはや「エレベーター機械室」は死語となっている。
もう、そんな時代ではない。
トイレ内も「アイヌ民族風味」を醸し出すような内装となっていた。
もちろん、アイヌ民族隆盛期は近代文明が日本に入る以前であるからして
こんなトイレはもちろん無かったのであるが、
もしもアイヌ文化が現代まで発展を遂げていたら……? という仮想のもと
それらしい雰囲気を想像し具現化させた……ということなのかどうか。
デザインであるからして、好みは各人多様であろうけれど
ワタクシはこれはこれでなかなかのものだと感じた次第。
鏡上下の帯装飾、タイルの文様など、良くこのようにまとめられたものだと思う。
衛生器具は、仕方ない。選択肢が、あまり無いから。
ま、評価としては各論あろうけれど。
小便器廻り。
まあ、普通のトイレ、ではある。
消火栓は、他の建物同様に、
アイヌ語(カタカナ表記)が第1言語である。
LEDランプと、易操作性という、現代仕様。
アペウシカワッカ チヤイ
覚えられたであろうか!?
館内表示
アスルコロ ウシが、案内所であろうことは
ピクトサインとしての「i」マークでわかるのみ。
あとは、何がなんだか。
表音文字のカタカナだから、「読める」。けど、「理解できない」。
アイヌ語のカタカナと日本語のカタカナがごっちゃになって、
ゲシュタルト崩壊を起こしてしまって、
意味がわかんなくなってくる。
英語表記、中国語表記をみて、「ああ、そういう意味」と理解できてくるような
そんな感覚。
サインは「せつび」じゃないのに、本記事に含めてしまったのである。
「これ何だ?」
「おお、そういう使い方!」
なんとなく、類似した感覚があったもので。
「言語」と「文化」とは、密接な関係を持つということが
改めて認識できたことであった。
とともに、文字を持たなかったアイヌ語が、
カタカナやアルファベットによる表記法を得て
そこから広がるあるいは伝承されていく側面を得たのではないかとも
思っている。
アイヌ語ラジオ講座 を
ラジコなどで、STVラジオの番組として聴くことができる。
東日本各所の地名とも密接にかかわりがあるようで、
日本国自体の成り立ちにもかかわる学びになるのではないだろうか!?
(「国立アイヌ民族博物館のせつび」おわり)