それぞれにプログラムがあるのだが、今回は交流体験ホールのプログラムを観た。
遠景は、こんな建物。
白い大きなシカが立っているが、
これもプロジェクションマッピングで利用されるらしい。
裏手には、大きなガラリなど、設備関係がガッツリ据えられている。
目隠しの中身、何だったっけ。撮り忘れた。
ここでは、アイヌ民族に伝承されてきた舞踊が披露されている。
実際に民族の血を引く方々も伝承に取り組んでおられる由である。
舞踊プログラム自体は撮影などできないので、
報道などをご参照いただきたい。
非常に興味深いものであった。
このご時世だから、
座席の間隔を空けての興行であるので
違和感はあるけれども仕方がない。
天井面についているものは、
至って当たり前の設備たち。
フツーの市販品で構成された設備、と言えよう。
けれども、フツーじゃないものも存在していた。
屋内消火栓代替の、パッケージ型消火設備なのだけれど
日本語表記は第二言語であって
第一言語はアイヌ語(を、カタカナ表記したもの)となっていた。
「トイレ」も、第一言語で「アシンル」という表記となっている。
舞踊もそうだし、表記もそうなのだが、
おそらくこのような取り組みには賛否両論あることだろう。
曰く、「見世物にしている」
また曰く、「まずは知ってもらうこと、関心を持ってもらうという重要な取り組み」
実際に、アイヌ民族のルーツを持つ方々の間にあっても
この『民族共生象徴空間』に対して歓迎(推進)の向きもあれば
反対意見もあるという。
当然であろう。
江戸幕府、大日本帝国、日本国との歴史的経緯を考えると
決してキレイゴトで片付くわけはないのである。
ワタクシの個人的な感想としては、後者である。
そもそも、北海道以外の地域の人々にとっては
日本国内にあっても「アイヌ民族」については「全く知らない」という方が
多いに違いないのだ。
だからこそ、「まずは知ってもらう」というものが存在しても良いし、
存在すべきであると思うのである。
内容や、コストや、持続可能性や、いろいろと難題はあるのかも知れないけれど
始めなければ何も始まらないのであるから。
始めた上で、議論を重ねて、意見をまとめ、調整しつつ
変えるものは変えていけばよいのだ。
簡単なことではないだろうけど。
いろいろなプログラムを味わい尽くそうとすると、
結構な滞在時間を充てなければなるまい。
時間と体力に応じた楽しみ方もあるだろうから
「つまみ食い」もアリだと思うのだ。
まずは観て、感じることができれば
そこがスタートなのだ。
何を感じるだろうか。
(「アイヌ舞踊の伝承として」おわり)