よく見る風景である。
右側の集合住宅には、各階同じ位置で換気フードが並んでいて
各階同じ間取りであることが想像できる。
でも用途が同じ集合住宅であっても
左奥の建物の外壁には目立つ換気フードが無い。
他の面についているのか、軒下部分に目立たなくした換気口を設けているのか
右側の建物とは異なる状況下にある。
バルコニーが片持ちスラブか、柱受けしているか、そんな違いも観察できよう。
事務所ビルになると、更にいろいろで
前面道路側には換気用フードやガラリを一切設けない、というようにしている
ものもある。
幹線道路に面した正面側には、
外壁仕上げと窓があるのみ。
枝道に面した右側の窓上に
換気用ガラリが並べられている。
窓と合わせた寸法、意匠が考慮されている。
換気フードは、有りや無しや。
外壁色の合わせた指定色塗装品なら許容できるのか否か。
フードとガラリ、どちらなら許せるか。
ビルの換気は中央式として、
塔屋階で地盤面から見えない部分に
給排気ガラリを設けるか。
ちょっとしたことなんだろうけど、
基本的に換気の無い建物は無いので、
設計に際してはコンセプトを明確にしておくと良い。
意匠設計者は、設備担当者に対して具体的イメージを予め提示したほうがよさそうだ。
「そんなのついちゃったの? なんかイヤだなあ」
なんて後から言って、
総スカンを食らうことがないように。
(「外壁に換気フード、有りや無しや」おわり)