工事で使う分が全部いっぺんに運ばれてきてしまうと
置いておく場所に困ったりするから
工程に合わせて必要な分を。
この日は、配管材料少々と、継手、水栓類ほか。
ちょろっとに見えるけど、そのとおり。
既に搬入済の部材が結構あることもあって
そんなにたくさん必要ではなかった、ということだろう。
近寄ってみると、
TOTOの水栓金具とアロン化成の樹脂継手。
それぞれの部材は、いろいろなモノを扱う管材屋さんから入ってくる。
管材屋さんは、各メーカーから仕入れて、案件ごとにまとめて送り出す。
各メーカーは、建設市場の状況を見て時節に合わせた生産をする。
各材料の原料は、いろいろな商社などを通じて
国内外から調達される。
複雑に絡み合ったサプライチェーンが正常に繋がった状態で
現場は滞りなく進められる。
でも、このコロナ禍で、いろいろと綻びが生じてしまっている。
中国から衛生器具類が入ってこなくなり、
大量に据え付けるマンションやホテルで納品が間に合わなくなったり、
運送が逼迫して、注文から配送までのタイムラグが増えたり、
感染者が出たために職場がストップしてしまったり、
外国人オーナーが来日できなくなり、アテにしていた外国人客も見込めなくなり
インバウンド対応プロジェクトが頓挫したり、
在宅勤務が増えてやり取りが煩雑になったり。
今まで当たり前のように感じられていたさまざまが
実に複雑な緻密な微妙なバランスの上に成立していたんだと
改めて思わされる状況になっているのである。
もし今日も、無事に部材が入ってきたとしたら
それはもはや「当たり前」ではないのだと
ありがたみを噛み締めなくてはなるまい。
(「部材がやってくる」おわり)