建物の、受変電設備が納まった箱である。
箱の中には、いろんな部材がぎっしりと詰まっているのである。
まずは、開閉器。
6,600Vの高圧電力だから、家庭用ブレーカーのような簡単な造りではマズいのである。
そして、トランス。
これも、一次側は高圧なのだ。
まあ、たとい二次側であったとしても
うっかり触ってしまっては大変だ。
遠巻きに眺めるに限る。
そして、赤い帽子をかぶった
進相用コンデンサ。
降圧した先には、低圧側のメインのブレーカ。
大きい方は、300Aである。
住宅用に並んでいる、15Aや20Aのものとはわけが違う。
根元のやつなんだから、大きいに決まっているのだ。
当然、繋がっている電線だって、太い。
分岐に並ぶ、30Aブレーカ。
幹線ケーブルが何本も見える。
緑色のやつは、接地用の電線だ。
キュービクルの外に出ていくケーブル。
そんなこんな、あれやこれやが、
箱の中に納まっている。
ちょこっとした改修なら可能だけれど、
いろいろ大幅にいじることはできない。
「箱」の大きさの制約があるからだ。
これが開放電気室だったら、
改修の自由度が高くなる。
コンパクトを取るか、自由度を取るか、
建物の用途や経済性を考慮して決めるんだろう。
コンビニのキュービクルなんかは、
ものすごくコンパクトだから
ひとたび何かあったらキュービクル全体を交換する、
くらいの感覚なんだろう。
中身たち、ごめんね。
電気のこと、あんまり知らないので
せっかく存在して各々アピールしてくれるのに
名前も働きもわからないモノたちが多い。
追い追い、知覚していくからさ。
あ、でも「ビリビリ」ってのはナシで。
(「キュービクルの中身たち」おわり)