けれども、その外壁には元々煙突が取り付けられていた。
そうなると、支持金物部分は当然にして断熱材の無い状態で
躯体と直結していることになる。
中の四角い部分にはあとから貼り付けるにしても、
金物が生えている部分だけはどうにもならない。
金属だから、熱伝導はすこぶる良くて
この部分だけ熱をよく通す「熱橋(ヒートブリッジ)」となるのだ。
とは言え、しょせんはこの部分だけ。
そんなにものすごく大きな影響がある、というわけでもない。
それに、この建物は元々内断熱もあるのである。
だから、まあ、すごく大きな悪影響は無いんだろう。
でも、普通はある程度気にしなくちゃならない。
この鋼材だけ熱を通しやすいから、
冬期にはこの部分だけどんどん熱が逃げる。
室内側の、金物部分だけ、壁の表面温度が低くなる。
条件が悪いと、その部分だけいつも結露することになりかねない。
熱貫流率と、内外の温度、室内湿度によって計算上結露の有無が出せるから
アヤシイ場合には確かめたら良いのだ。
どうしても外壁側に支持金物をつけなくちゃならない場合、
何らかの熱橋対策が必要だ。
熱を伝えない鋼材 とか、 鋼材に匹敵する強度・耐久性を持つ樹脂材 とか
そういうのが手軽に安価にあると良いんだけれど。
ポリカーボネートの材料とか、いろんなところがいろんなものを開発しているから
遠くない将来には一般化するんだろうな。
(「外断熱のヒートブリッジ」おわり)