もう毎年のように大規模災害がやってくるようになった。
だから、設備機器の耐震対策も重要だ。
エアコンの室外機は、ただ床or地面の上に置いてあるだけでは
すぐに倒れてしまうものである。
だから、いろいろな転倒防止措置を追加する。
たとえば、
壁面からワイヤーでくくって
ばったり倒れることを防ぐのである。
この室外機は、たしか130kgくらいあるはず。
子どもであれば、下敷きになると危険である。
壁に打ったビスが抜けさえしなければ、
すぐ倒れてしまうことはなくなる。
条件さえ整えてやれば、
強度計算により安全性を確かめられる。
どうせなら、室外機本体に受け金物があると
良いのだけれど。
ってか、何で無いんだろう?
バルコニーに置くなら、
手すりさえしっかりしていれば要らないような気がするけれど。
なぜつけたかな?
横方向への転倒も危惧したのかな?
「室外機は架台に乗せているから大丈夫」とは限らない。
ということか、やはり壁から支持してあった。
本体と架台が緊結してあって、
架台が床面にしっかり固定してあれば大丈夫なのかもしれないけれど。
また、本来なら室外機本体の上部のほうで固定したほうが良さそうだけれど、
あいにく窓があって無理という感じで、かなり苦しい納まりだ。
室内機だって、同様である。
床置型室内機の上部を覗くと、
こんな金物がついていた。
これ、効いてるの?
金具と躯体との間にはスペーサーを挟むとして、
金具と本体との接続が細っちいビス2本というのは
心許なくないか?
まあその辺も計算して確かめているんだろう。
重量を支えるわけではないし、下部も固定しているのだから。
別の機器の背面。
おお、これは頑丈。
さっきのやつと比べて、相当強力そうだ。
天井吊りの機器は
天井内で振れ止め措置を採る。
天井から吊り下げている棒だけではなくて
それぞれをたすき掛けで留めて
振れ止めにしている。
機器本体の重量を支えるだけではなくて、
地震動による揺れに耐えるようにしなくてはならないのだ。
室内で、天井面を見るだけでは全くわからないけれど
これが有るのと無いのとでは、かなり違ってくる。
機器がぐわんぐわんと揺れて、天井仕上げを損傷して
バラバラと落ちてくるようでは危険極まりないのだから。
ということで、設備機器には(そして、重量のある太い配管やダクトにも)
転倒防止措置・耐震措置が必要なのだ。
もちろん、建物そのものが崩れてしまったのでは
どんなに堅牢に設備を固定しても全く意味を成さないのだから、
そちらのほうがより重要である。
が。
建物は、壊れませんでした。
でも機器が倒れて(落ちてきて)犠牲者が出ました。
というのもまた、困るのである。
(「転倒防止措置のいろいろ」おわり)