2020年07月09日

北海道開拓の村

札幌市厚別(あつべつ)区のはずれに、
北海道開拓の村」 という施設がある。


明治村 の北海道版、といったところか。



本州各地に比べると近代文明の歴史は浅いのかもしれないけれど
北海道開拓の歴史を移築した実物で辿ることの出来る場所なのである。



もっとも先住の人々にとっては「開拓」ではなくて「侵略」の歴史であって
多面的捉え方を要する事項であったりもする。



しかしながら、そのあたりの難しさは常に抱えつつも、
この地が経験してきた歴史の一部を切り取ったものには違いなく、
「事実」の検証と解釈とは経過した時間とともに変遷するものであるとも言えよう。



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村のエントランスの建物自体が、移築建築物である。



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旧札幌停車場。1908年完成の、三代目札幌駅舎であるという。



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洋風の要素を多分に持ちつつも、
和風の風貌も漂わせる、そんな洋館。



明治村には及ぶべくもなかろうが、
多くの建物が移築・保存されている。


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入口広場の左手には、
旧開拓使札幌本庁舎。


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開拓使の星マークがはためく。

ビジターセンターとして使用されている。



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旧浦河支庁庁舎。

木製の電柱や外灯が、当時のもの風になっている。



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旧小樽新聞社社屋。

北海道内には巨大火山がいくつもあって、
そこから噴出された多量の火山灰が広大な範囲に堆積している。

それらによって形成された溶結凝灰岩が、各地の石造建築の資材となっているのだ。


この社屋は「札幌軟石」を積み上げて造られているという。



さて、この村内には鉄道が走っている。


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単線の鉄路が敷いてあり、この小ぢんまりとした車両が往来する。



動力は……馬力である。


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鉄道が「走っている」というよりは、「歩いている」かな。


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園内周遊はできないが、ずうっと奥まで歩いて行ってこれに乗って帰ってくるか、
まずはこれに乗って奥まで行って、そぞろ歩きで戻ってくるか、
そういう使い方もできよう。


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この手の施設は、
行った1日だけで念入りに見尽くそうとするよりは
ある程度見て、残りは次の機会に……くらいに考えておくのが良いかもしれない。

2〜3日かけて見て回る時間的余裕があるなら、
それもよかろう。



忙しい中で苦労して休みを取ったから、
頑張って半日で全部見て回って、違う観光地にも行って……
まあ、そういうお方もおられるだろうから、
事情に合わせて愉しめばよかろう。



旅は「回る」ことが目的なのではなくて、
「愉しむ」ことにこそ主眼を置いたら良いと、
ワタクシは思うのである。
(「北海道開拓の村」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする