消火栓なんだから、
消火配管の中には水がいっぱい詰まってなきゃならないんだけれど、
「火事だ」ってなったら、栓を開いてすぐ放水できなくちゃならないんだけれど、
でもそこが寒冷地だったりすると、そうもいかなくなるんですよ。
24時間稼働の常時暖房している建物なら良いんだけれど、
夜間は人が居なくなって暖房も止まるような建物で
消火管の中に水が入っていると、凍っちゃう危険性がある……。
そんな場合、消火管の中は空っぽ(乾いた状態)にしておいて
非常ベルが押された時点で消火ポンプを起動、
管内を水が送られてきて、やや暫くしてから放水、という算段になるんです。
普通は、ダメなんですよ。
すぐ放水できなくちゃ。
だから、敢えてそう呼びはしないけれど「湿式」の消火栓が普通なんです。
けど、事情によって「乾式」も認められるのです。
まあ主として立地条件ですね。
くれぐれも、勝手に判断しないで、所轄の消防に確認しましょうね。
逆に言えば、寒冷地においてはごくごく当たり前の存在。
なんだけど。
たまに、「乾式」って敢えて表示してあるのもあるみたい。
普通は、その地方では書いてないですよ、わざわざ。
まあ、こういうのも、いいじゃない。わかりやすくて。
特に、温暖地にある設計事務所が、寒冷地の建物の改修設計にあたるような場合。
でも、普通は書いてないから、注意が必要なのです。
放水試験をした後に「水抜き」するためのバルブと配管も必要だから。
そのバルブの位置表示も必要だから。
ついでだけど。
上の消火栓、「1人で操作できます」っていう表示も貼ってある。
ご丁寧なことで。
(「乾式って貼ってある」おわり)