可哀想に。
俯いちゃってるじゃないか。
錆汁も流しちゃって。
ああ、可哀想に。
ムシャクシャした通行人が、殴った?
上司に叱られて頭にきた社員が窓を開けて蹴飛ばした?
人力で、こんなにひしゃげるものかなぁ。
いえいえ、ここは積雪地。
恐らくは、パラペットで固まった雪庇がドスンと落ちて
ダクトを押し曲げてしまったに違いないのだ。
良く固まった氷の比重は大きい。
数百kgの固体が、10m以上落下して衝突したならば……。
まあ、計算すれば何Nの衝撃力であったのか求められるだろう。
とにかく、こうなった、というわけだ。
とりあえず、排気ダクトとしての機能は果たせているんじゃないかな。
今のところ。
こういうことがあるから、
室外機なんか置いちゃダメなんだ。
陸屋根であっても、ね。
パラペットに雪庇防止板か何かをつけておくのも
一つの方法である。
まあ、そんなところかな。
連結散水設備用の送水口も、
だいぶ年季が入っているようだ。
じきに読めなくなったりしないかな?
(「ダクト、潰れちまってるよ」おわり)