2020年06月27日

湯の温度を調節してから

湯を一度にまとまって使いたい時には
貯湯してあるものを使うのが良かったりする。


都度、瞬間湯沸かしするのでは
かなり大きな加熱量が必要になってしまうから。



けれど、レジオネラ属菌が繁殖したりしないように
貯湯温度は60℃以上に保っておく必要がある。

それを給湯管で各所に給湯すると、
混合水栓では最高60℃の湯が出てしまう可能性があって
操作に不慣れな幼児やお年寄りが火傷してしまう恐れがある。



それを防ぐために、
こういうものを設置して、あらかじめ水と湯を混ぜて
適温にしてから供給できるようにすることもある。



20062701.JPG



何℃で供給されるか、
温度計もついているから、わかりやすい。



ん……?



じゃあ、この装置(大型サーモスタット、などと名付けられている)より
先の部分では、レジオネラ属菌が繁殖してしまわないかい?



まあ、そういうことにもなろう。


が、この先には、湯を使用するときだけ流れ、
使用しない時にはどんどん冷めてしまうから、
40℃くらいで貯湯槽内にずっと保温されているような状態とは違って
そこまで繁殖しやすいわけでもないのだ。


むしろ、浴槽などの循環ろ過系統の配管にこそ、その危険性が高く、
よって、定期的に殺菌消毒を行う必要があるのはそっちのほうだ。



となると、この大型サーモスタットより先の配管は
保温しなくても良いじゃあないか。



まあ、「湯」について考えるならそうなんだけれど、
「水」だけ流れる可能性もあることを考慮すると、
「防露」のために、やはり保温材で巻いてやる必要があると言える。



ともかく、
幼稚園や保育園の給湯、
小学校低学年が利用する給湯、
高齢者施設、
などでは、こういうモノの採用を考慮したい。

中央式給湯の場合に限るけれど。



もっとも、給湯先の水栓数が少なければ
サーモスタット混合水栓を使う方法もあるし
熱湯が出せないように 「湯側開度規制付き」 の混合水栓なんてものもあるから
選択肢はいくつかあるのである。
(「湯の温度を調節してから」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする