国会が閉会した。
超大型の補正予算が成立した。
開会中にも次々と「コロナ対策」が実施され、
今後も多くの施策が実行に移される。
その際に、いくつかの疑問点や納得できないコト、怪しいことが
報道された。
政府支給布マスクの発注先や品質、時期的な遅れ。
定額給付にまつわる変遷と、やはり決定的な遅さ。
各種「事業」の発注先である怪しげな一般社団法人と
そこからほぼ丸投げされている構図。
そんなこんなが有りつつも、
平常運転の国会、報道、市民生活。
官庁と業界とが一緒になって作り上げる「法人」。
やり口は、ずいぶん昔から一向に変わらない気がする。
いや、「変わらない」ことはない。
ますます巧妙化し、えげつなく、なってるんじゃないか?
そう思えるのだが、いかがであろうか。
報道で出てきたのは、
数多ある中のほんのほんの一部だけであるはずだ。
中央官庁が関与するもの、
地方の出先機関が関与するもの、
都道府県のもの、
市町村のもの、
各行政レベルに応じて、いろんな「法人」があって
手練手管で公金を吸い取る仕組みが確立している、ように思えてならない。
行政機関と、業界団体とは、
その分野の発展のため、公共の福祉のため
適切な距離感と親密性とを持ちつつ関わり合っていく。
そういう関係性は、差し支えないと思う。
完全に分離してしまって、事務的な関わりのみになってしまっては
発展性が無いと思う。
しかし、距離感と親密性を誤ると
ただの癒着、なあなあ、の関係になってしまう。
容易に。
そして、役所のある程度の地位を得た人々と、
業界のトップ企業周辺とで好ましからざる利を分け合う
そんな構図になってしまう。
仕事の内容にそぐわない、不思議に高額な報酬と退職金。
2年くらいで次々に変わる代表者は、
関連官庁からの「天下り」。
業界トップ企業の役員には、
どこの役場のどのくらいの地位の人が来るか
代々決まっているような天下り枠があったり。
今般報道されたように、
ほぼ「丸投げ」するためだけに存在しているかのような「法人」。
その「中抜き」による利益が、ほぼ役員報酬に消えるような。
そこに勤める非正規職員は、結構厳しい勤務環境にあったり。
今回の巨額の補正予算も、
どのくらい本来の事業目的に適った使い方をされるのであろうか。
本来の目的とは関係のない事業に
「新型コロナ対策」のラベルを貼って、流用してしまうのではなかろうか。
今までの実績から言って。
ねえ。
「環境対策」と称して、どれだけ本来の目的外で支出された?
「国土強靭化」と称して、どのくらい本当の災害対策に貢献した?
「耐震偽装事件」を機に「建築士制度の適正化」と称して、
どのくらい関係「法人」を作って、どのくらいカネを吸い取った?
「景気対策」と言いつつ、
実際には内輪で利益を分け合うだけの、汚い策略に終始してない?
こんなことばかりしているから、
カネなんて幾らあったって、足りるわけがない。
あればあるだけ、
無くたって国債乱発して、
吸い取っちゃう輩があっちこっちに居るんだからさあ。
吸い取っちゃうとされる企業や法人も、
末端で働いている人たちは文字通り命を削る思いで
事業を消化すべく頑張っていたりする。
利益を啜って掻っ攫っていくのは
上の方の人たちだけなんだ。
ここのところの仕組みを根本的に変えなくっちゃ
どんなに財政出動したって本来の目的を果たすことはできないだろう。
カネが投入されても、
あっちこっちで吸い取られてしまって
実際の現場にたどり着くのが10分の1とかしか無いのであれば
効果は小さいに決まっているのだ。
いくらカネがあったって、
あるだけ消えて無くなるのだ。
「トリクルダウン」なんて、全く無かったのだ。
せっかく吸い取ったものを
シモジモに流しだそうなんて奇特な方々は
そもそも吸い取ったりしないのだ。
「空前絶後」の補正予算が
微々たる効果で終わってしまうのは
とても残念なのである。
空前の利益と賞与で欣喜雀躍する人たちも、
ごく一部におられるのだろうけど。
黙ってるだけで。
(「カネが幾らあっても足りなくなるワケ」おわり)