よほど古い家ならともかく、
新築で据えることは、まずなかろう。
それでも、公共建築物では
依然として「和風便器」の要望が出ることもある。
「他人が尻をつける便座を共用したくない」
という意見が、多数ではないにしても存在するかららしい。
年寄りの戯言、と笑い飛ばすかもしれないが、
意外と若い人にそんな意見がある、らしい。
足腰や膝に負担がくるから、
年配者にとっては洋風便器のほうが使用しやすいはずなのだ。
それはともかく。
多くはないけれど需要があるからには、
製造されている。
そして、設置もされる。
スラブを貫通するから、
つまり水平区画を貫通するから、
下階との防火処置を施す必要があるし、
開口部が大きいし、
水平にセットするのも熟練が必要だし、
施工上は面倒なものである。
この開口部分には鉄筋がないわけだから
補強やら何やら、考慮も必要だし。
普段、和風便器を利用するだろうか。
洋風、和風、どちらも空いていたら
どちらを使いたいだろうか。
いちばん最近和風を利用したのは、
どのくらい前だろうか。
いずれにしても、年々設置数は減っていくのではなかろうか。
年々、みかけることが少なくなっていくのではなかろうか。
眺めておくのは、今のうちですぞ!
(「いまだに設置される、和風便器」おわり)