オホーツク海に突き出して造られた 氷海展望塔オホーツクタワー がある。
「オホーツク」は、アルファベット表記では「OKHOTSK」だ。
「K」がはいる。
港側、すなわち防波堤内部から見ると、こんな感じに見える。
オホーツク海側、防波堤の外からであれば、こうだ。
海中から海上へと屹立する、塔 である。
塔へ向かうには、トラスで構成された通路を通る。
中は、こうだ。
お約束の、下が見えるガラスがあって
海が、もしくは流氷が、見えるようになっている。
壁面には、「手づくり仲間の会」による
海のモノたちのパッチワークが並べられている。
塔の内部には、展示やカフェや売店や遊具コーナー。
決して平面的に広い空間というわけではないが
いろいろと詰め込まれている。
上の階の四隅には、展望バルコニーがあって
実際に外の気温と風とを体感することが可能だ。
もちろん、激しい吹雪の真っ最中には
出られなくなる。
ちゃんと、ルーフドレン金物も埋め込まれている。
ステンレス製だが、海上にあるものとして
かなり過酷な環境下にあるのだ。
トラス通路の上部と、防波堤など。
防波堤側にも施設があって、
それ用の煙突とおぼしき構造物が見える。
通路の高さまで上がるための
エレベーターとエスカレーター、階段がある。
内部には、ちょっとした展示があって
ちゃんと見るなら、なかなかに興味深い。
だいぶ古い画像だけれど、
流氷が渦になっている様子が
おもしろい。
採取された流氷が冷凍庫に入れてあって、
「これを持って記念撮影」ができるように
なっている。
混んでいて順番まちだったら、
どんどん小さくなっていくのかな?
ここは「塔」と称しているが、
海上だけが見どころなのではない。
いやむしろ、海底階こそが特徴的と言えよう。
擬氷、とでも呼べるか、そんな壁仕上げに
ちゃんとはめ込まれたドアが、なかなかすごい。
引っかからずに開くんだよね、きっと。
外周には窓がいくつもあって、
海中を見ることができるようになっている。
流氷で埋め尽くされていれば、
氷の下の様子が見られるであろう。
何やら、窓にいっぱい貼り付いている。
窓は時々ダイバーによって掃除されるのであるが、
敢えて、掃除しない窓も残してある。
そんな工夫が、楽しい。
氷海の生物たちの展示もある。
アルビノのナマコが2体、居た。
窓の上部には、
しっかりとブリーズライン(線状吹出口)が設けてあって
窓面の結露を少しでも防ごうとしてある。
スポットライトも各所に据えてあって、
設備的にも手が込んでいる。
天井の様子。
流氷の下に居るかのような内装になっている。
吹出口、吸込口、スピーカー、コンセント、スプリンクラー。
必要なモノは、海底階にだって必要だ。
何せ、避難階とはなり得ない場所なのだから
防災設備は特に重要なのである。
こんなタワーのある紋別市、
決して近いとは言えない。
が、コロナ禍以前には多くの人々が訪れて
その地の景観を堪能していた。
オホーツク紋別空港を利用すれば、
羽田から1時間45分だ。
ただし、1日1往復しかない。
新千歳空港からであれば、
一度札幌まで出ることになろう。
札幌から 高速バス に乗ると、
直行便で4時間20分、
旭川経由で5時間20分で行ける。
旭川空港から、旭川駅まで出てから
高速バスに乗る方法もある。
または、女満別(めまんべつ)空港からレンタカーで
100km強(2時間弱)走らせて行く、ということもできよう。
札幌駅からレンタカーで行けば……。
google map によると、高速道路を使いつつ274km、
3時間58分と出てくる。
いずれにせよ、北海道の面積を感じざるを得なくなるはずだ。
そんな旅も、いかが?
(「オホーツク海に立つタワー」おわり)